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あなたは鯖を読んだことがありますか?ちょっとした数字をごまかすことのたとえとして使われる“鯖読み”ですが、どうして“鯖”なのか、不思議に思ったことはありませんか?実は、鯖を読むという表現が生まれた背景には、時代の変化が関係しているのです。

サバを読むっていうけど、サバってあの鯖?

女性だったら誰しも体重やスリーサイズ、年齢などデリケートな質問は、避けて通りたいものですよね。でも、そう言った場面になってしまった時、多少数をごまかして答えてしまった経験をお持ちの方も多いでしょう。それを昔からある言葉で“サバを読む”と言います。
この“サバを読む”ということばは日常でもよく聞くことばです。芸能ニュースでも、年齢のサバを読んでいた芸能人が話題にあがっているのを見かけることがありますね。そもそも“サバ”とはなにを指すのでしょうか?“サバ”と言われて真っ先に思い出すのは、お魚の“鯖”です。健康にいいと言われる青魚の代表ですね。しかし、なぜあの鯖が数をごまかすことのたとえに使われるようになったのでしょうか?

鯖読みの使い方

そもそも鯖を読んでしまうことってどんなことなのでしょうか?
釣りをする方にとって、釣果は常に多くありたいものですよね。間違ってもボウズだなんて言いたくない、鯖を読んでしまう気持ちがわかるような気がします。マーケティングの世界には「女性は体重、ウエストサイズ、年齢は数字を小さめに、また、その反対にバストサイズやブランド物の購入金額は数字を大きめに申告する傾向がある」という暗黙の常識があるそうです。
古来、女性は若く見られたいばかりに、年齢を多少若く偽ると言われてきました。しかし、最近では逆に多めに鯖を読むことも多いようです。たとえば、実年齢が38歳でも「もうすぐ40歳ですから」という具合です。これは「(申告の年齢より)お若いですね!」という評価を得たいという気持ちからの鯖読みで、古来からの鯖読みの方法を応用した進化形ともいえる使い方ですね。このような鯖読みの方法を「逆サバ」と言うそうです。

隠したい、知られたくない心理

このように、鯖読みの方法は時代とともに多少変わっていますが、その根底には、知られたところでそんなに困らないけれども、できればあまり知られたくない、隠しておきたいという心理が今も昔も変わらずに働いています。
そのため、鯖を読むこととはあまり重要とは思えないことで、鯖を読んでいるひと自身もさほど良心の呵責を感じずにおこなっている場合が多いものです。企業や役所に提出するような文書に鯖を読んだ数値を記載することはまずないでしょう。このような場合は、どんなに知られたくないことでも正しい内容を記載しなくてならない、と皆知っているからです。
つまり、わたしたちはとっさに「数値を多少ごまかしても構わない(くらいの)事柄」で、かつ「いい加減に答えても大したことがない(と思っている)場合」だと判断したうえで、鯖を読んでいると言えます。

なぜ鯖?“鯖を読む”の由来とは

“鯖を読む”の“読む”ですが、この表現はわたしたちが通常使う“読む”とは異なり、“数える”という意味です。これは万葉の時代からの表現で、今でも沖縄の地方に伝わる民謡などにその名残を見ることができます。
つまり“鯖を読む”とは、直訳すると鯖を数えるという意味になります。鯖を数えることが、なぜ数をごまかすことにつながるのでしょうか?“鯖を読む”という表現そのものは、江戸時代から使われるようになった表現で、徳川幕府の安定した政権により、庶民の生活や文化が大きくクローズアップされたことが背景にあるようです。
この“鯖を読む”という表現の由来にはいくつかの説があります。そのなかでももっとも有力とされる説をご紹介します。

スピードが命!目分量でざっと計測

江戸時代、徳川幕府が行った大規模な公共事業や参勤交代のおかげで、江戸は急速な発展を遂げます。江戸の街には人とともに物も集まるようになり、魚を扱う市場も活気を帯びてくるようになるのです。
当時、日本近海では鯖が豊富に獲れました。天保2年発行の魚鑑(うおかがみ)には、“鯖は四時常にあり、春より秋の末まで盛りなり”とあります。たくさん獲れる鯖は傷みやすいのが欠点の魚でもあります。また、鯖は夏の季語にもなる魚で、一番獲れる旬は夏だったのです。気温の高い夏は、鯖の傷みが気になる季節でもあります。
当時の市場では重さではなくお魚の数で取引がおこなわれていました。毎日大量に水揚げされる鯖を傷まないうちに売り切るためには、スピードが重要視され、ざっと目分量で取引されることが多かったのです。当然のことながら、売られた鯖の数と買った数とが合わないことがひんぱんに発生し、そこから数が合わないことを“鯖を読む”と言うようになりました。さらに時代を経て、都合のいい数値にごまかすという現在の意味に転じていったのです。
また、当時は魚市場のことを「いさば」と呼びました。現在もそうですが、市場には独特の数え方があります。これは抑揚とリズムで数を数える方法で、普通に数えるよりも早くて便利だということから発生した数え方です。当時、いさば独特なこの数え方のことを“いさば読み”と言い、それが“鯖読み”の語源となった、という説もまた有力です。

傷みやすいが理由…でもなぜ鯖は傷みやすい?

通常、お魚は釣り上げられたのち、死後硬直をおこします。その死後硬直が解けたあとに、イノシン酸などのうまみ成分を作り出す自己消化が始まります。自己消化とはお魚自身が持っている酵素により、たんぱく質が分解されることを言います。自己消化は人間にとって、おいしくお魚を頂けるありがたい働きでもあり“熟成”ということばでもお馴染みです。もちろん、熟成が進みすぎるとうまみ成分まで分解され、最終的には腐ってしまいます。
鯖は水から揚げられるとすぐに弱って死んでしまいます。さらに死後硬直している時間が短く、自己消化のスピードもほかのお魚と比べると速いと言われています。つまり、傷んでしまうまでの時間がほかのお魚と比べても早いのです。

ヒスタミン食中毒

回遊魚である鯖は、発達した筋肉を持っています。そのなかにヒスチジンというアミノ酸をたくさん蓄えています。自己消化の最中に鯖の体内にある細菌が活性化し、ヒスチジンを分解してヒスタミンを作り出します。このヒスタミンを大量に食べることで、わたしたちは食中毒を起こします。ヒスタミンによる食中毒は、通常の食中毒とは異なり、じんましんなどアレルギーのような症状を起こすのが特徴です。
鯖には、“鯖を読む”以外にも、“鯖の生き腐れ”という言葉があります。鯖は活きがいいように見えても、傷んでいることがあるから気をつけなさい、という意味ですが、これは間違いではありません。ヒスタミンは大量に発生しても、鯖の外観に影響を及ぼすことはほとんどなく、プロの目利きでも鯖にヒスタミンが発生しているかどうかを見極めることは大変に難しいと言われているのです。
ヒスタミンを生み出す細菌は、気温20℃~40℃で一番活性化します。そのため、気温の高い夏は特に中毒が多いのです。しかも、やっかいなことに一旦、鯖の体内で増えたヒスタミンは加熱しても、冷凍しても減ることがありません。ヒスタミンは作りださないことが大切なポイントなのです。

余談:関サバなら鮮度はよい

このように傷みが早い鯖ですが、この鯖をおいしいお刺身でいただくことができる“関サバ”をご存じですか?関サバと言えば全国的に有名な高級魚のひとつです。九州の大分県と四国の愛媛とに挟まれた豊後水道のなかでも、もっとも狭い豊予海峡で獲れる真鯖を指します。豊予海峡は豊富な餌と潮の流れが速いことで知られ、そこで獲れる鯖はほどよい脂と締まった身を持つことで知られています。
関サバは瀬戸内海と太平洋の混じり合う豊予海峡で成長し、一本釣りで捕獲されます。一本釣りとは、その名の通り、竿や釣り糸で一尾ずつ釣り上げる漁獲方法です。一尾ずつしか捕獲できない漁獲方法ですが、網などで大量に捕獲する方法とは異なり、鯖を傷つけずに釣り上げることができます。釣り上げられた鯖は、すぐにいけすに入れられ、生きたまま港に持ち帰られるのです。
このように鯖そのものの扱いと鮮度にこだわった漁獲方法で港に揚がった関サバは、さらにいけすのなかの状態を確認してから買われる“面買い”という方法で、生きたまま買い取られます。消費者の口に入る直前まで、関サバは生きていることから、中毒のもととなるヒスタミンの生成も促されず、安心しておいしいお刺身を堪能できるというわけです。

サバは読まずに正直に!

いかがですか?今回は、“鯖を読む”ということばの語源と鯖が傷みやすい原因について、ご紹介させていただきました。鯖はおいしいお魚です。これから秋に向けてますます、おいしい鯖を堪能できる季節でもありますね。
鯖を自宅で調理するときには、加熱調理を基本に、冷蔵庫から取り出したらすぐに調理して食べるように心がけてください。食中毒は暑い夏より、涼しくなってきたこれからのほうが発生しやすい、という実態もあります。これは、気温が下がってきたから大丈夫だろう、という調理する側の気のゆるみも関係するようです。
鯖を読んでしまう心理は、誰にでも理解でき、笑って許されるかわいい嘘のたぐいではありますが、嘘だとわかったときにはバツが悪いものでもあります。鯖はおいしく食べることに専念して、読むことのないようにしたいものですね。

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