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世界中のイスラム教徒が毎年行う「ラマダン」。1ヶ月のあいだ、一切の飲食を絶つほか、あらゆる禁欲が課せられます。そんな長い間、飲食を禁ずる宗教行事とはどのようなものなのか。ラマダンの知られざる目的や、断食後の食事方法などご紹介します。

1ヶ月断食の「ラマダン」とは

「ラマダン(Ramadan)」とは、イスラム教徒(ムスリム)が行う約1ヶ月間の断食のこと。呼び名は、「ラマダーン」とも。期間中、イスラム教徒は飲食を断ち、主神であるアッラーへ感謝を捧げます。

現在、世界には16億人を超えるイスラム教徒がいるといわれ、その数は世界人口の2割以上にもなります。ラマダンは、イスラム圏に住む信仰者だけでなく、各国に住むイスラム教徒もそれぞれの場所で行う、信者にとって神聖な行事。

イスラム教徒以外も参加

敬虔な信者が務めるラマダンですが、イスラム教徒以外の人が参加することも。家族や友人が一緒に断食をするだけでなく、祈りさえも共にすることがあるといいます。また、ラマダン中には、信仰者同士や、信仰者へむけて、よいラマダンをという、「ラマダン・ムバラク(Ramadan Mubarak)」または、恵み多いラマダンの月おめでとうという意味の「ラマダン・カリーム(Ramadan Kareem)」と声を掛け合うのが慣例。
それにしても、約一月もの間、飲まず食わずでいるのは、体への影響が心配です。倒れたり、最悪は死んでしまったりということはないんでしょうか?

期間中、世界の2割以上の人々が行う断食とは、一体どういったものなのか、ラマダンについて詳しく調べてみました。

ラマダンの期間

ラマダンは、イスラム暦の9月。純粋な太陽歴に従って行うため、毎年11日ほど前にずれていきます。この影響で、およそ33年ですべての季節のラマダンを体験することになり、イスラム教徒は同じ季節のラマダンを平均2回ずつ過ごすと言われています。

ラマダンが9月に行われるのは、西暦610年のこの月に、コーランが預言者ムハンマドに啓示されたことが由縁となっています。

ラマダンの開始と終了は、新月の確認によってなされ、天候などで新月が見えない場合には、翌日へ延期に。日が沈まない環境の国では、近隣国の日の出と日没に合わせるなどの調整がされています。
ちなみに、2016年は、6月6日に開始、7月5日に終了しました。2017年は、11日前倒しになり、5月27日のスタートを予定。

ラマダンの目的

イスラム教徒にとって修行のひとつであるラマダンには、自身の信仰心を清める目的があります。さまざまな欲を捨て、絶対の神への献身と奉仕に没頭する期間。そのため、食欲を絶つほか、そのほかの禁欲も課せられます。

ラマダン期間中のルール

飲食禁止

ラマダンとは断食を伴う修行であり、飲食は一切禁じられます。とはいえ、約1ヶ月の間ずっと飲まず食わずでというわけではなく、期間中の日の出から日没までの時間に限ります。平均的には、朝5時半前後から夕方の5時前後にあたるそう。

真夏でもラマダンにあたる時間に飲み物を飲むことはできません。日の出前にしっかり水分をとるか、日没まで脱水症状にならないよう、個別で対策します。

そのほかの禁止事項

喫煙、性行為も日の出から日没の間は禁止。また、善人であれという教えが強く、人への親切心を重んじたり、他人へ物を施したりなど、おごる行為も盛んになります。

そして、この期間のうわさばなしや、悪口は最大の罪とされ、死んだ兄弟の肉を食べる行為にふさわしいほど、恥ずかしい行いとされています。

ラマダンに参加できる人

すべてのイスラム教徒と、その家族や友人誰もが参加できるラマダンですが、生理中の女性は不浄とされ、ラマダンの参加のみならず、コーランを読むことや祈ることすら許されません。ちなみに、妊娠中の女性はラマダンに参加できます。

参加できる年齢

子供は、本人の意思によっていつから参加するか決定できます。早ければ7歳くらいから行い、平均は10歳前後から参加しているよう。

女性の服装

もともとイスラム圏の多くの国では、透ける服や短いはき物、胸元が大きくあいた服など、肌の露出や、体のラインが出る服は禁止されていますが、ラマダンを行う月は、イスラム教徒にとって、神への態度を慎み、質素、節制の時期であり、より注意が必要になります。

ラマダンの免除

イスラム教徒にとってラマダンは義務ですが、長い断食の期間とその行為の内容から、場合によっては免除されることがあります。

例えば、旅に出ているとき。ムハンマドの言葉に、旅の間に断食をするのは正しくないというものがあり、ラマダンをしなくても、神はあなたを愛してくれるとされています。また、疾病がある人も同様です。

妊娠中の女性や高齢者の特例

妊娠中の女性については、一旦ラマダンの免除が認められていますが、後に改めてラマダンを行わなくてはなりません。

高齢者も年齢が設けられてはいませんが、体調に応じて妊婦と同じように、一時的に免除。体調の回復ができない場合には、その分、貧しい人への施しをするよう教えられています。

ラマダン中の生活

日の出から日没までの限られた時間とはいえ、仕事との両立など、大変なこともあるはず。イスラム教徒の人々は、ラマダン期間をどのように過ごしているのでしょうか。
日中であれば、普段よりもコーランを長く読んだり、アッラーへの祈りをささげる時間を多くとったりします。人へ会いに行く行為がよい行いとされているため、あまり会えない友人や親戚、目上の人に、積極的に会いに行くといいます。

人へ会いに行くのは、モスクでの礼拝やお祈りを終えた夜の時間が多いため、ラマダン中は、寝不足になる信者が多いといいます。

仕事

中東地域のイスラム教徒は、9割を超えるとも言われ、ラマダン中は国全体が特別な空気に包まれます。

日常生活もラマダン中心になり、企業や役所の勤務時間も、始業は9時や10時、終業は午後3時くらいまでとするところが多数。仕事の能率はかなり落ちますが、何よりも宗教行事が優先されます。

ザカート

「ザカート」とは、貧しい人への施しのこと。一年の蓄えの2.5%を払うことが義務とされています。ラマダン中に払わなくてもよいのですが、一年に一度収めるようになっているため、忘れないようにラマダン中に納める人が多いよう。

自分で決めた場所や人へ納めます。なお、ザカートはムスリム(信者)の義務で、寄付とは異なります。寄付は「サダカ」といい、ラマダン中に行うことはとてもよいとされています。

断食破り「イフタール」で太る人続出?

イフタールは、断食破りの意味。日の出から続いた断食が、一旦ここで終わり、イスラム教徒は家族や友人とともに、その日初めての食事をします。

イフタールは、イスラム教徒同士や道行く人、隣人にも振舞います。異教徒でも参加でき、街を歩いていれば、「一緒に食べて行って!」と、声がかかり、食事をみんなで分け合おうという、信仰者の気持ちが、あちらこちらに溢れる時間。

イフタール食の内容

イフタールの開始は、空っぽの胃に負担をかけないよう、水分から取ります。特にローズシロップを使った「ルーオブザ」という赤い飲み物が人気。そのほか、ナツメヤシ、フルーツサラダ、揚げ菓子を水飴に絡めたジャレビ、豆とスパイスを合わせたサモサなどでお腹を満たします。

人によってはイフタールのあと、改めて本格的なディナーを食べ、さらに、次の日に備えて夜明け前の食事(セヘリ)もとるなど、イフタールから日の出までの8時間、ひっきりなしに食事を続ける人も少なくないのだとか。

大量の食事をし、断食月にも関わらず太ってしまう人も。そのため、各家庭の食費は、断食中にもかかわらず、上がってしまう事実があるのは、おもしろい話ですよね。日中お店を締めているレストランも、イフタール開始の合図とともにたくさんの人で賑やかに。ラマダン期間中は、飲食店はかきいれ時になります。

イスラム教徒以外の人々

イスラム教徒への配慮から、信仰していない人たちは、彼らの目につかない場所で食事や喫煙をするのがマナーとして定着。異教徒は断食をする必要はありませんが、公共の場所や、ムスリム(イスラム教徒)の前で飲食しないように通達がされます。飲食や喫煙を公共の場でした場合には、宗教警察に通報され連行されることもあります。

飲食店は、日没後に開店するところがほとんど。

ラマダン明けの祝祭「レバラン」

約一月間のラマダンが明けると、街中がお祝いムード一色に。地域によってはお店や役所が全て閉まり、親戚や知り合いを訪ね一緒にお祝いをします。

ラマダンを終えた人々は、モスクへ礼拝をしに行ったり、服を新調したり、大掃除をしたりと、日本のお正月の様子にも似ています。お中元やお歳暮のように、レバランのときに贈り物をし合う習慣もあるようです。

ヨルダンのレバランでは、デーツの餡を包んで焼きあげる「マァッムール」というお菓子がよく食べられ、インドネシアでは、鶏肉のココナツミルク煮や、「ドドル」と呼ばれる、もち米粉を使った甘いお菓子が定番。

日本でのラマダン

日本で暮らすイスラム教徒の人々は、どのようにラマダンを迎えているのでしょう。イスラム教徒の多いイスラム圏では、ラマダン中の勤務時間に配慮がありますが、日本の企業で働いている場合、そのような環境はまれです。

忙しい勤務環境にある、日本のイスラム教徒にとって、長時間空っぽの胃のままで活動するのは、辛い事も多いはず。日本の企業でも、なかには理解を示し、フレックス制を認めるところもあるようですが、ごくわずかです。

認めていても、取引先との会議や繁忙期との重なりによって、家族とのイフタールの時間に帰宅できないときもあり、その場合には、日没後に早めにデスクで食事をするといいます。出張にラマダンの時期がかぶった場合には、旅行と同じように免除の権利を使い、後日ラマダンを行います。

イスラム圏以外の先進国で働く人々にとって、ラマダンは、なかなか厳しい状況下での行事なんですね。

ラマダンは信仰心の厚さを知る機会に

世界人口の2割以上が信仰しているイスラム教ですが、その内容については知らないことがたくさんありました。日頃から身近に多くの食べ物があり、食べることに制限がまったくない環境にいると、一週間でもそれを禁じられる日々は、想像ができません。

生涯を通じて信仰を貫き、毎年ラマダンを過ごすイスラム教の人々の信仰心の深さに驚きました。機会があれば、ラマダンの時期をイスラム圏で過ごし、実際に体験してみたいものですね。

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