里山サポリで収穫された野菜

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後ほど紹介する里山サポリで収穫された野菜料理。黄金色に輝くローストしたさつまいもに、緑や紫の鮮やかな葉もの野菜が添えられます。一見すると普通の野菜サラダに見えますが、ひとつ一つの野菜をじっくり味わうことのできるメニューです。

「野菜ってこんなにおいしかったの?」と、それぞれの野菜の味が際立ち、どれも力強い味わい。自然の恵みに思わず感謝したくなる、そんな食の原点を呼び覚ましてくれるような料理です。

いよいよメイン料理。十穀鍋

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御料理 茅乃舎を代表する、十穀鍋。地元の窯元とコラボしたという重厚感のある土鍋で登場です!

具材は、豚肉とたっぷりの水菜、しめじ、ネギ、ごぼう、にんじん、クコの実まで入っています。豚肉と水菜以外はしっかり火が入った状態でサーブされ、目の前で仕上げますよ。昆布とカツオだしの良い香りが一気に広がり、胸が高鳴ります。

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野菜やお肉の旨みが滲み出ただし、そのだしの味をまとった具材、十穀の食感、口に含むと重なり合う旨みと調和。いつまでも口に含んでいたくなります。毎日食べても食べ飽きない、体にやさしいとおいしいが叶うお鍋に感動です。

十穀鍋は、この味を求めて遠方からはるばる来店するお客さんがいるほど、御料理 茅乃舎の人気メニューです。そして、このだしの評判を受け茅乃舎のだしが商品化されました。今では多くのファンを持つ茅乃舎を代表するだしとして広く知れ渡っています。

地元農家さんとの連携。スローフードの取り組み

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御料理 茅乃舎で紹介した、里山サポリで野菜を作っているのが、久山町で農業を営む城戸勇也さんです。

実は、茅乃舎のあごだしのカスを肥料に使って野菜を育てています。城戸さんは元々イタリア料理店で働いており、7年前に農家へ転身。現在ではこだわりのイタリア野菜を100種類以上作っています。

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あごだしのカスを混ぜ込んだ肥料がこちら。だしの香りが畑中に充満します。畑に足を踏み入れてから、だしの香りが広がることにとても不思議な感覚でしたが、肥料の正体が分かると非常に納得しました。

あごだしのカスを入れることでアミノ酸が豊富な肥料となり、アクを抑え、野菜本来の甘みを引き立たせるのに効果的なんだそうです。

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ほかには米糠や卵の殻など自然由来のものを配合し、独自に開発した肥料を使って野菜を育てています。「土作りがとても大事」だとお話しする城戸さん。地元のものでおいしい土作りができないかと模索し、久原本家との取り組みが始まりました。

地元農家さんとの連携により、SDGsを目指した地球環境にやさしい循環が生まれました。だしのカスを利用して育てられた野菜が、再びおいしい料理となって私たちに感動や笑顔を与えてくれることも、なお食の循環として感慨深いものを感じます。

御料理 茅乃舎から食文化を発信

創業当時から福岡県の久山町に根差し、ふるさとの味と生産者の人たちを守り、おいしいものを徹底的に追求する姿勢は、茅乃舎のブランド作りの真髄と言えます。

こうした想いが商品に反映され、多くのお客さんから愛され、ファンを生み、感動を与え続ける理由だと実感することができました。また、食文化を後世に残し伝えていくことが、日本のみならず世界に向けて良い発信力となり、広がり続けることと思います。

普段茅乃舎のだしを使っている方もそうでない方も、機会があったらぜひ、だしが誕生した「御料理 茅乃舎」へ足を運ぶことをおすすめします。きっと今までにない茅乃舎との新たな出会いが待っているはずですよ。
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