ライター : りこぴん

鎌倉時代から続く老舗

こちらのお店の起源は、なんと鎌倉時代末期までさかのぼります。なんと、「かん袋」という店名はあの豊臣秀吉が名付けたのだそう。歴史を感じますね。また、メニューが2種類しかないのも特徴のひとつ。その2種類のメニューを求めて行列が絶えないというのですから、一体どんなお店で、どんなものが食べられるのか気になりますよね。

歴史あるお店「かん袋」

味のあるお店

角地にそってお店が建っているこちらのお店。古い建物がお店の歴史を物語っています。「かん袋」と書かれた看板の文字が色あせているのも、味があって素敵ですね。 混雑時、こちらの周りは多くの人が行列を作って賑わっています。 駐車場も昨年リニューアルされ、きれいで広い駐車場が準備されました。大道筋から入れるようになり、便利になりましたよ。

落ち着いた店内

店内はとてもシンプルです。どこか懐かしい、田舎の祖父母の家に遊びに来たお盆のワンシーンのような、そんな落ち着いた雰囲気を醸し出しています。 ショーケースの中には壺に入ったくるみ餅や、箱に入ったくるみ餅などお土産用の商品がずらりと並んでいますので、ぜひ見てみてください。 この店内は普段はいつも人で賑わっていますが、それでもこの落ち着いた雰囲気が崩れることはありません。
そして、店内からはつぼ庭を眺めることができます。とても丁寧に手入れされており、風情があって素敵です。

これがかん袋の「くるみ餅」

くるみ餅

「くるみ餅」と聞くと、木の実の「胡桃」をペースト状にしたものを、お餅の上からかけたものを想像する方が多いのではないでしょうか。 実はこちらの「くるみ餅」は「包み餅」。青大豆で作られた餡で白玉を「包んだ(くるんだ)」ものであることから、「くるみ餅」という名前になったのだそうです。胡桃をつかっているわけではないんですよ。
純白のお餅の、絶妙なもちもちとした歯応えと柔らかさ、そしてその喉ごし。しっかりとしたコシもあります。ずんだ餅とはまた違う、艶のある緑色をした餡のなめらかさ、しかししつこさはなく爽やかな味わいです。 後味もとてもよく、餡のとろみや甘さ、何もかもすべてがちょうどよいバランスになっています。食べ飽きることなく何個でも食べ続けられてしまいそうです。

暑い日には「氷くるみ餅」を

氷くるみ餅

夏の暑い日には、こちらの「氷くるみ餅」を頼むことをおすすめします。これは、先ほどのくるみ餅に氷がのったものなんです。こちらの氷はふわふわシャリシャリのどちらの食感も楽しめる何とも不思議なかき氷。頭がキーンとならないので、とても食べやすいんです。 門外不出の秘伝の緑色の餡が、何とも絶妙に氷と混ざり合います。甘すぎずさっぱりとしているので、甘いものがあまり得意ではない人にもとても人気があるんですよ。

食べられるのは直接足を運んだ方だけ

こちらのお店のくるみ餅を食べたいという人はたくさんいらっしゃると思いますが、残念ながらこちらのお店は直接足を運ぶ以外、口にすることができません。 以前は通販もおこなっていたそうですが、味が落ちるということでやめてしまったそうです。「お召し上がりはその場ですぐ、最高の状態のときに」という店主の願いがあらわれています。くるみ餅は生菓子ですので、時間が経つごとに味が変わってしまうのですね。 こういった話を聞くと、ますます食べてみたくなりますよね。お土産用のくるみ餅も、お召し上がりはその日のうちにということです。
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