ライター : Terry Naniwa

編集・企画・ライター

お米の新感覚スイーツ「ポンポンジャポン」

Photo by 西村仁見

ポンポンジャポンは創業文化2年(1805年)と200年を超える歴史を持つ老舗「あみだ池大黒」が生みだした新感覚スイーツです。あみだ池大黒は、大阪で昔懐かしい歴史あるお菓子「おこし」を作り続けているメーカーで、ポンポンジャポンはその進化系になります。

おこしといえば、お米を長方形の板状にした生姜味の伝統あるお菓子になりますが、地元大阪でも、年配の方に人気があるお菓子のイメージで、若い女性には縁の薄い存在でした。

そこで時代にマッチした新しいスイーツをとの思いで開発されたのが、このポンポンジャポンです。食べやすいひと口サイズで、フレーバーも豊富、発売直後から女性のハートを掴みブレイクしました。お米のお菓子・おこしから進化したカワイイスイーツといったところでしょうか。

ポンポンジャポンのおすすめのフレーバー2品

Photo by 西村仁見

ポンポンジャポンは常時12種類のフレーバーが用意されており、それに加えて季節限定フレーバーが、ハロウィン・クリスマス・バレンタインや春夏秋冬に合わせて登場します。ここでは、レギュラーフレーバーの中からおすすめの2品をご紹介します。

さくさくミルクちょこ

Photo by あみだ池大黒

540円(税込)
マイルドなミルクチョコ味で、さくさくと軽やかな食感とほどよい甘さが人気のフレーバーです。お米がベースのスイーツなのにチョコとのマッチングが絶妙で、食べ出したら止まらなくなってしまうおいしさです。

きゅんきゅんいちごミルク

Photo by あみだ池大黒

540円(税込)
ピンク色のひと粒を手に取った瞬間から、きゅんきゅんした初恋の思い出が頭に浮かんできそうな楽しいフレーバーです。こちらもお米とイチゴのペアリングが、こんなおいしさを生み出すなんて感激してしまいます。

熟練の技に感動!ポンポンジャポンはこうして作られます

Photo by 西村仁見

ポンポンジャポンのおいしさの秘密を探るため兵庫県西宮市にある本社工場にお伺いし製造工程を見学させていただきました。ちょうど最初にご紹介した「さくさくみるくチョコ」の製造が始まっていました。

衛生管理の行き届いた工場の一角で、職人さんがガス窯に水飴を入れると、加熱がスタートします。次にチョコフレーバーの素になる材料が注がれ撹拌されていきます。適温を保つのが重要とのことで、温度管理は欠かすことのできない作業になります。

Photo by 西村仁見

ポンポンジャポンのベースとなるお米のパフが、窯に投入されます。お米は地元兵庫の播州米を使用しているとのこと。チョコのソースとパフが混ざり、いよいよポンポンジャポンの生地ができあがってきます。

聞けば、その日の気温・湿度によって火加減や加熱時間の微妙な調整が毎回必要とのこと。加えて各フレーバーでその加減も異なるので、熟練の職人さんの経験と技術が何より貴重になってきます。すばらしい熟練の技があってこそ、ポンポンジャポンのおいしさがあるのですね。

Photo by 西村仁見

できあがったポンポンジャポンの生地が、大急ぎで次の行程に運ばれていきます。いよいよ仕上げの作業で、こちらも熟練の女性スタッフの皆さんが手際よく、ひと口サイズの粒に分けていきます。

冷めてしまうと固まるので、時間との勝負です。秒単位の早業で次々にひと粒に整えたポンポンジャポンがそろっていきます。最後に、型崩れがないかを検品して完了。その後、袋詰めの工程へと進み、いよいよ出荷となっていくのです。

熟練の技が、ひとつひとつの工程に詰まっているポンポンジャポン。小さなひと粒がもたらしてくれる感動のおいしさの原点がここにありました。

危機感が誕生のきっかけ?ポンポンジャポン開発秘話

Photo by 西村仁見

あみだ池大黒第七代社長 小林昌平(こばやし しょうへい)さん
この機会にポンポンジャポン誕生の経緯を当時の開発担当者でもある小林社長にお伺いしました。
ーー開発を思い立った理由をお聞かせください

小林昌平さん(以降、小林)2000年代に入り、おこしの売上が伸び悩みなんとか打開策をと模索していました。テナントで入っている商業施設からも対策を求めらている最中でした。そんなとき、私の妻がママ会のような友達との集まりの手土産に当社の商品ではなく他社のスイーツを用意したのにショックを受けました。これは早急に何とかしなくては、身内からも選ばれないものでは駄目だとの思いでスタートしました。

ーーおこしの進化系を目指されたのでしょうか?

小林 やはり200年以上もの歴史あるお菓子ですから、その伝統は活かしつつも時代にマッチした新しいスイーツが必要と考えました。ひと口サイズというアイデアは企画当初から持っていましたが、どんな味にするかについては1年以上の試行錯誤の繰り返しでした。初めはお米がベースなので、ご飯のお供のような味とのマッチングでしたが、妻をはじめ女性の意見は、洋菓子のようなフレーバーを求めているようで発想の転換が必要でした。

ーー例えば「さくさくミルクちょこ」だと、チョコとお米のマッチングは大変では?

小林 そうですね。ご飯の上に、チョコやイチゴをのせて食べる感覚ですから、この解決にはほんとに苦労しましたが、良い方法が見つかりましたし、その甲斐もあってフルーツからチョコや野菜まで豊富なフレーバーを生み出すことができました。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。

編集部のおすすめ