ライター : 満畑ペチカ

調理師ライター

酸化を防ぐ!オリーブオイルの正しい保存方法

オリーブの果実を絞って作るオリーブオイルは、オメガ9系脂肪酸の「オレイン酸」が豊富な油です。オレイン酸は酸化に強い物質。加えて、オリーブオイルは抗酸化力が高く、油の大敵である『酸化』が起こりにくい特徴があります。

しかし、酸化しにくいオリーブオイルとはいえ、保存方法が不適切であれば酸化してしまうもの。本記事ではオリーブオイルの酸化を防ぎ、風味を保っておいしいまま保存する方法を紹介します。(※1)

オリーブオイルを保存するときのポイント

  1. 直射日光が当たらない場所で保存する
  2. 高すぎず低すぎない温度で保存する
  3. 空気に触れないよう密封する
  4. 開封後はできるだけ早く使い切る

直射日光が当たらない場所で保存する

オリーブオイルは光に当たるだけでも酸化してしまいます。その理由は、オリーブオイルの色を作っている成分。実はオリーブオイルの緑色や黄色はクロロフィル(葉緑素)によるもので、日光が当たると光合成が起こり、活性酸素が発生してオイルが酸化してしまうんです。

そのためオリーブオイルの保存場所は、開封の前後に関わらず暗所がおすすめ。商品を選ぶときも、ボトルが遮光タイプのものを選ぶようにしましょう。

高温にならない場所で保存する

オリーブオイルは温度変化に敏感なオイル。特に温度が高い場所で保存すると、急激に酸化が進みます。保管温度は30度以下を目安にしましょう。30度を超えると酸化の速度が急激に上がるため、室内で日中温かくなる場所、電子レンジやオーブンの下などは避けて保存してください。

夏場に気温が上がる場合は、一時的に冷蔵庫の野菜室で保存しても良いでしょう。高温よりも低温のほうが、油への酸化ダメージを抑えられます。

空気に触れないよう密封された状態で保存する

オリーブオイルが酸化する一番の原因は、空気中の酸素と言っても過言ではありません。オリーブオイルと酸素の接触を防ぐためには、ガラス製の容器を使って保存しましょう。ペットボトルやプラスチック、焼き物などは空気を通しやすいのでNGです。別の容器へ移し替える場合は、数日から1週間ほどで使い切れる分だけを移すようにしましょう。

また容器は立てた状態での保存がベスト。横にすると、ボトル内でオイルが空気と触れる面積が増え、酸化が進みやすくなるので注意してください。

開封後はできるだけ早く使い切る

オリーブオイルの酸化を進める「光・温度・空気」。これらを防いだとしても、開封後は隙間から入り込む空気や季節による温度の変化で、どうしても酸化が進んでしまいます。そのためオリーブオイルを使うときは、1〜2ヶ月で使い切れる量を購入するのがおすすめです。

開封後はオイルが酸化する前に、できるだけ早く使い切りましょう。

冷蔵庫に入れると固まることがあるので注意

一般的に30度以下の冷暗所で保存するのが理想的なオリーブオイルですが、かといって冷蔵庫での保存がベストというわけでもありません。オリーブオイルは、10度以下の場所で長時間保存すると、油脂の一部が冷え固まってしまうんです。

固まったオリーブオイルは、室温でゆっくりと溶かせば、酸化を進めることなく使用できます。しかし湯せんで温めて溶かしてしまうと、酸化が進む場合があるため注意が必要です。

またオリーブオイルの冷凍保存は可能ですが、しないほうがベター。特にエキストラバージンオリーブオイルの場合、成分が劣化するため、辛みや爽やかさが落ちてしまいます。さらに冷凍すると体積が変わるため、そのまま保存すると容器が割れてしまう危険もあるのです。

止むを得ない場合をのぞき、オリーブオイルは冷凍保存せずに食べ切りましょう。
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