ライター : Sheage(シェアージュ)

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この記事は、私らしく、もっと輝く。 - ライフスタイルマガジン「Sheage」の提供でお送りします。

スウェーデンと日本で学んだ染めや織りを活かしたテキスタイル

自ら草木染めした糸で織った織物やプリント生地の小物などを展開している「kochi hantverk(コチハントベルク)」。

ブランケットやストール、ハンカチなどには、思わず手を触れたくなるような柔らかさや温かみが感じられます。どんな方が、どんな想いで作っているのでしょう?

作り手は、神奈川県に暮らす畑中咲子さん。幼いころは手芸好きなお母様に連れられ生地屋さんに訪れたり、作ってもらった洋服を着たりと、布が身近にある生活を送っていました。

自分でもミサンガを編んだり、絵を描いたり、なにかを作るのが好きだったそう。ところが中学校の家庭科の授業でミシンに苦手意識をもってしまい、手芸からは遠ざかってしまったのだとか。

それでもまた針や糸に触れるようになったのは、20代で体調を崩してしまったことがきっかけでした。

雑誌で自分の持っているものに刺繍をする記事が目に留まり、参考にしてやってみると、楽しくて夢中になり元気を取り戻すことができたのです。そこから、自らの手で布を扱う仕事ができたらと思うようになっていきます。
そんなときに知り合った絵の先生から、染めや織りについて教えてもらって興味を持ち、京都のテキスタイルスクールで織りの基礎について学びます。

その後、地元・神奈川の教室に通い、スウェーデンの伝統的な織りについても学んで、現地でテキスタイルを勉強したいと思うように。

その後数年間は国内で織りの教室や草木染めの講座を受けてから、実際にスウェーデンへ。

いくつかの手工芸学校のサマーコースを受講し、職業訓練校のテキスタイル科に3ヵ月短期留学します。さらに2年間、手工芸学校のテキスタイル科で出会った先生のもとで織りをメインに、プリントなども学びました。

今では日本とスウェーデンで積み重ねてきたことを活かし、さまざまなテキスタイルを制作しています。

自然のように、やさしさや温かみが感じられるものを目指して

ブランド名のkochiは、東から吹いてくる春風「東風(こち)」で、hantverk(ハントベルク)はスウェーデン語で「手仕事」や「手工芸」を意味します。

東風という言葉からもイメージできるように、モチーフとなっているのは自然です。

幼少期はものづくり以外に外で遊ぶことも大好きだったという畑中さん。友達と船にみたてた葉を川に流して競争したり、野山を探検したりした記憶が今でも心に残っているそう。

また、刺繍を始めたころ、風で木々が揺れている自然の音などに心地良さを感じ、大切な何かを思い出せた気がした、とも語ります。

「そのとき、何かを作れるようになったら、自然のようにやさしさや温かさを伝えるものにしたいと感じました。

織りもプリントも、手に取ってくださった方の日々の生活が少しでも和やかになるものにしたいと思っています」(畑中さん)

裏表で色の違いを楽しめるひなぎくのブランケット

ここからは、私が最初に目にして心惹かれた2種類のブランケットをご紹介します。

ひとつ目は、丸いひなぎくの花が野に咲く様子が表現され「ひなぎくのブランケット brown×red」。北欧らしい、大胆ながらもやさしい模様が特徴です。

カーキブラウンは「エンジュ」という木のつぼみで、レッドは「インドアカネ」という植物で染めたものです。

それらの糸と生成りの糸を二重の層になるように織り機に張り、手作業で織っていくそう。1日に織れる長さはわずかで、糸の染めから織り上がりまで約2ヵ月かけて作られます。

表は生成の花とピンク色のクロスが並んでいますが、クロスも小さな花のように見えてかわいいですね。

裏面はチェックの模様のなかにブラウンの花が並ぶ配色。畑中さんはブラウンの花を「あんパンみたい」とも言うように、裏表の印象の違いを楽しむことができます。
表面と裏面の横糸を織る際に、両端を掛け合わせて閉じてあるため、あたためられた空気を逃しにくくなっているそう。見た目も、手触りもほっと温かです。

シングルベッドの足元に敷くのにちょうどよい大きさで、ひざ掛けにすると足首までしっかり覆われるサイズ。

一回り小さなひざ掛けサイズで、栗と刈安(カリヤス)というイネ科の植物で染めた糸のスモールブランケットもあります(現在Soldoutですが、受注制作可能)。

留学先の思い出の風景を描いたブランケット

外国の村を高い丘の上から見下ろしたような「のどかな村のブランケット(受注制作)」。畑中さんが学生時代を過ごしたスウェーデン南部の島にある村、Vickleby(ヴィックレビー)の風景が描かれています。

上でご紹介したひなぎくのブランケットと同じエンジュのつぼみで染めた、肌触りの良いウールの糸を二重織りにしています。その質感からも、村のゆったりとしたのどかな空気が伝わってくるようです。
教会や家々、ライラックなどの茂みなど、ポイントがたくさんあるなかでも、アップルガーデンにいるアヒルには特別なエピソードが。

畑中さんが手工芸学校に入学する前、その学校のサマーコースに参加したときの課題のモチーフに選んだアヒルがモデルです。

畑中さんは当時からこのアヒルに、「この学校に入りたい」という胸の内を明かしていました。在学中は、このアヒルは目が悪くなって人を威嚇するようになってしまい、遠くから眺めるだけの関係に。

それでも卒業間近のある日、近寄ってもそばにいてくれた機会があり、「ありがとう」と伝えることができたそう。

そんな背景を知ると、より愛着をもって大切に使い続けられそうですね。

写真右のように、教会の脇にイニシャルを織ってもらうことも可能なので、自分だけの特別なアイテムとして名入れをお願いするのもおすすめです。

春にもぴったりのプリント生地のアイテムも

kochi hantverkには、素敵なプリントのアイテムもあります。

こちらは長年経験を積んだ職人さんに作ってもらった型を使い、畑中さんが手染めしているもの。

花を描いたハンカチやクロス、自然のなかに動物が潜むテキスタイルのバッグなどは、春の温かな空気にも似合いそう。

ご紹介したアイテムは、オンラインショップのiichiにて購入することができます。またInstagramには、作業の工程やこれまで学んだこと、日々感じたことなどが綴られていて、制作にかける想いが強く伝わってきます。

手作業で丁寧に作られるテキスタイルの背景に触れてみたい方はぜひ、そちらもチェックしてみてください。
writer / ゆりか photo / kochi hantverk
取材協力
kochi hantverk(コチハントベルク)
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