ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

こんな症状感じてませんか?

季節の変わり目で、寝つきが悪い、イライラやストレスを感じている、仕事に対するやる気がでてこない……といった精神的な症状を感じていませんか?これらは、脳内ではたらく神経伝達物質の一種である「セロトニン」の不足により、引き起こされることがあります。そのため、セロトニンを増やすことで、対策できるかもしれません。

ただし、セロトニンを増やす工夫をしたからといって、精神的な症状が完全に緩和されるとは言い切れません。症状がひどい場合は、かかりつけの病院に相談してくださいね。(※1)

幸せホルモンの「セロトニン」ってなに?

前述した通り、セロトニンは脳内の神経伝達物質のひとつです。ノルアドレナリンやドーパミンといったほかの神経伝達物質の情報を制御し、精神を安定させるはたらきがあります。やる気や幸福感に関わることから、幸せホルモンと呼ばれていますよ。

セロトニンが不足すると、神経伝達物質の制御が不安定になり、攻撃的になったり、不安を感じたりといった精神的な症状を引き起こすおそれがあります。(※1,2)

コンビニでも買える!セロトニンを増やすための食べ物

セロトニンを増やすためには、セロトニンの合成に不可欠なトリプトファンビタミンB6炭水化物(糖質)を含む食品を摂取することが大切です。特にトリプトファンは、体内で合成されない必須アミノ酸に分類されるので、食事から補給しなければいけません。

セロトニンを生成するのに重要な、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物を含む手軽に入手できる食品を紹介します。(※3,4)

バナナ

バナナには、セロトニンを体内で合成するときに必要なビタミンB6が豊富に含まれています。100gあたりの含有量は、0.38mgです。ビタミンB6は水に溶ける性質があるため、ゆでると含有量が減ってしまいます。しかし、バナナは生のまま食べられるので、効率よくビタミンB6を摂れますよ。

さらに、バナナはセロトニンの合成に関わるトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の栄養素をすべて含んでいるので、特におすすめです。おやつやデザートといった間食に食べるほか、食事の準備に時間をかけられない朝食に取り入れてみましょう。(※1,4,5,6)

赤身の魚

セロトニンの合成に必要なビタミンB6は、まぐろやかつおといった赤身の魚に多く含まれています。100gあたりの含有量は、まぐろで0.85mg、かつおで0.76mgです。

赤身の魚には、ビタミンB6に加えて、セロトニンの材料となるトリプトファンも豊富です。かつお100g(刺身7切れ)あたりのトリプトファン含有量は320mg。トリプトファンは体内で合成できないため、赤身の魚を日々の食事に上手に取り入れましょう。(※1,3,7,8,9,10)

乳製品

牛乳やチーズといった乳製品には、トリプトファンが豊富に含まれているため、セロトニンを増やすのに役立ちますよ。プロセスチーズ1切れ(20g)あたりのトリプトファン含有量は60mgです。

実は、トリプトファンは、牛乳から発見された必須アミノ酸。トリプトファンが脳に運ばれるとセロトニンが生成されるため、脳内のトリプトファンの濃度が高まることで、セロトニンが増えると考えられています。(※10,11,12)
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