愛され続けて20年。表参道「ローブリュー」でバスクの田舎料理を味わい尽くす

フランス郷土料理のなかでも、最近注目されているのが「バスク地方料理」。そんな美食の街バスクの田舎料理を味わい尽くせるお店が、表参道にある「ローブリュー」。今回はそんな「ローブリュー」の、土地の特産品を使った前菜、スープ、煮込み料理をご紹介します。

2019年12月12日 更新
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世界有数の美食の国フランス。そのルーツはローカルな郷土料理にあった

フランス料理といえば高級料理ばかり連想しがちだが、実は代表的なフランス料理のメニューは地方の郷土料理から発展したものがほとんどで、郷土料理の存在なしにフランス料理を語ることはできない。

そんなフランス郷土料理の中でも最近注目度がとくに高いのが「バスク地方料理」。
コンビニスイーツにも登場するほど有名になったバスクチーズケーキをはじめ、流行感度の高いビストロなどでは「バスク風〇〇」といったメニューを出しているところも少なくない。
そのバスク地方の郷土料理を本場のレシピで味わえるということで話題なのが、東京・表参道から骨董通り方面に歩いた場所にある『ローブリュー』。通りを入ったマンションの奥に目立たないようにある、隠れ家感満載のロケーションだ。

バスク地方のシンボルマークを生かした現地のビストロのような店内

お店のドアを開ける前に目に飛び込むのが、お店のロゴにもなっている四つの羽を組み合わせたようなマーク。
「これはバスク地方のシンボル的なもので、火、大地、空気、水を表しています。その4つが交わることは、“永遠・愛・平和”の象徴とされており、バスク地方の人たちはこのマークに愛着を持っています。また、バスク地方の4つの主要な地域も表しているそうです」とオーナーシェフの櫻井信一郎さんは説明してくれる。
他にもバスク現地で仕入れた小物がいっぱいの店内は、テーブルクロスやカーテンにもバスク地方の布地が使われている。
そして振り返るとドアの取っ手が豚の足! バスク地方の郷土料理で多用されている豚肉加工品をイメージし、オーダーした品だそうだ。

地元の定食屋にあるような家庭料理風メニューがズラリ

こちらで頂けるのは、バスク地方現地の定食屋にあるような、家庭料理風のメニューがメイン。櫻井シェフいわく「海も山もあり、四季もある。

そして気候も温暖で気質も明るい。そして料理を食べてみると、ガツンとうまみがあり、しかも連日食べても飽きない。これはすごいと思い、現地で修業をすることにしました」と言う。
今回はバスク地方現地の家庭料理が味わえる、『ローブリュー』おすすめのバスク郷土料理を紹介していこう

バスク地方料理の特徴は?

バスク地方はピレネー山脈とビスケー湾に面し、フランスとスペインの両国にまたがる位置にある。そのためフランスの中でも文化や人種、言葉も特殊で、スペインの食文化の影響も強く、フランス本流とは少し違った個性が特徴といえる。
また、昔から畜産業が産業の中心だったこともあり、現在もサラミや生ハム、ソーセージといった豚肉加工品を使った料理が多く、フランス料理にしては塩が強めのしっかり味で、エスプレット(写真下)という現地産の唐辛子やニンニクを多用している点も特徴だ。
地元で採れたものを大切にする気質もあり、特産品であるピーマンやトマトは多くの料理に使われている。ちなみにバスク地方はヨーロッパで初めてチョコレートが入った地域で、マカロンの発祥の地。マカロンはパリスタイルの華やかなものではなく、ごつごつした素朴な見た目のものだそうだ。

【主な郷土料理】
マルミタコ(カツオやマグロなど魚類とじゃがいもの煮込み)、イカの墨煮、チャコリ(地元産の白ワイン)、シードラ(リンゴ酒)、オッソー・イラティ(羊のチーズ)、ガトーバスク(タルトのような焼き菓子)、バスクチーズケーキ(焦げ目が特徴的な素朴なチーズケーキ)など

「いわゆる“フランス料理”のイメージとは違い、地方の郷土料理はどれも素朴でシンプルな味わいの料理が多い。バスク地方でも家庭で食べられているのは煮込み料理など、日本でいう肉じゃがのような料理が主。だからこそ飽きずに毎日食べられるのかもしれません」(櫻井シェフ)。

外国人のファンも多い! 『ローブリュー』で食べられるバスク郷土料理とは?

『ローブリュー』ではフランスの“家庭料理”に焦点を当て、フランス各地の郷土料理も頂けるが、やはりメインはバスク地方の郷土料理。今回は土地の特産品を使った前菜、スープ、煮込み料理を紹介してもらった。
▲田舎風パテ
家庭の余りものを使った料理だったというパテは豚肉のさまざまな部位と、ニンニク、タマネギ、ポルト酒、アルマニャック(ブランデー)、塩・こしょう、キャトルエピスというスパイスを使ったしっかりした味わい。

なるほど、これがバスク地方の「味のはっきりした、塩がややきいた味」か、と納得するテイストだ。食べごたえはあるが、ガトーバスクにも使われるさくらんぼのピクルスとバスク地方のミニピーマンの酢漬けと一緒に食べると、こってり感と酸味のバランスがよく、食感にアクセントがつき、あっという間に一切れ食べられそうな感覚!

ちなみに、日本国内ではパテにマスタードを添えるところが多いが、バスク現地ではどんと一皿に盛られたピクルスをお供に食べるのがベーシックスタイルだそう。
▲ガルビュール
自家製の生ハムと野菜のスープ。シンプルで、まさに家庭料理というようなほっとする味。しかし作り方を聞くとなかなか複雑。

まず生ハムでスープをとり、そこに鴨の脂を加え、根菜や豆類、じゃがいもなどを加えて柔らかくなるまでじっくり火を入れる。そして塩こしょうとバスク地方の唐辛子(エスプレット)のパウダーを振って完成させる。
「これはバスク地方の“豚汁的存在”かな。具だくさんでお腹にたまるし、身体を温めてくれる。子どもから大人まで好まれる、みんなの定番料理ですね」と櫻井シェフ。なるほどその言葉そのままの優しい食後感。どんな料理とも合いそうなシンプルな味わいが魅力だ。
▲ピペラード
グラタン皿に焼いたピーマン入りのトマト煮をしき、カリッと焼いたヴァントレッシュ(自家製の豚肉加工品)を添え、揚げ卵をのせた食べごたえのある料理は、各家庭で煮込みの具や卵の調理方法が違うという、まさにバスク地方の母の味。

だいたい作り方は同じだが、卵が目玉焼きだったり、アツアツではなく冷やして食べたり、ヴァントレッシュの代わりに生ハムがのっていたりと、それぞれ個性があるそう。
ところで、このヴァントレッシュは『ローブリュー』の自家製。塩漬けにした豚バラ肉を香味野菜やハーブ、唐辛子やパプリカパウダーをすり込んで巻いたものだそうだ。

「うちのメイン食材はバスク地方らしく豚肉なので、加工品もできるだけ自家製で作っています。香りもよく、豚バラ肉が苦手な方も食べやすいと思いますよ」(櫻井シェフ)。
▲チャコリ(写真左)/パチャラン(同・右)
料理と合わせたいのが、バスク地方で愛飲されている微発泡の白ワイン「チャコリ」。実はスペイン産のこちらのワイン、バスク地方で多く消費されており、文化の交わりを感じる1本だ。
横に置いてあるグラスは現地でも使われている「チャコリ専用」のグラス。食前酒または食後酒として人気なのが、西洋すももを使ったリキュール「パチャラン」。現地では梅酒のような飲み方をされており、食事の締めにぴったりの爽やかさだ。

郷土料理こそフランス食文化の本質である

おしゃれなエリアというイメージの表参道で、こだわりのフランス郷土料理を出す『ローブリュー』。シェフ自身が気に入り、今も食べ飽きない味だからということで、目指すスタイルは「郷土料理ビストロ」だという。

この地で20年近く愛される郷土料理ビストロ『ローブリュー』で、バスク郷土料理の文化と味に触れてみるのはいかがだろうか?

【メニュー】
田舎風パテ 1,600円
ガルビュール 1,200円
ピペラード 2,000円
ガトーバスク 800円
他、豚肉料理や魚料理、煮込み料理など日替わりで用意
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税・サービス料別です
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