満腹刑事の食べ歩き捜査線。伊東編その2

【「逃亡料理人ワタナベ」コラボ企画】 捜査の基本は、とにかく足。捜査のプロが、美食の捜査線を歩きまわり、最前線で食べまくる。今回は静岡県伊東市にある、メニューのない店「創作料理 あうん」へ訪問。ワタナベがいるとの情報が入ったから行ったのであって、料理が目的ではないと言っておこう。

2019年9月26日 更新
前回に引き続き、静岡県伊東市を捜査中だ。
またとんでもない名店たちが隠れていたぞ。
以下、詳細は捜査資料を確認してくれ!

メニューはないけど、どれもうまい「創作料理 あうん」

金目鯛の炊き込みご飯

Photo by 逃亡料理人ワタナベ

金目鯛の炊き込みご飯

俺の名前は出口あやか。警視庁築地署の刑事だ。趣味はおいしいグルメを求めて食べ歩くこと。妻殺しの容疑者、天才料理人ワタナベを追って日本全国を捜査中だ。

前回に引き続き、静岡県伊東市を捜査中だ。またしても、とんでもない名店たちが隠れていたぞ。以下、詳細は捜査資料を確認してくれ!
創作料理あうんの外観

創作料理 あうん

料理人のワタナベという容疑者を追い詰めたが、あと一歩のところで、ワタナベの料理を食べ損ね……いや、捕まえ損ねてしまった。そのワタナベが潜んでいたのが、ここ「創作料理 あうん」。伊東で芸妓をやっている美人の娘さんを持つ女将が切り盛りしている店だ。

なんと、この店にはメニューがない。どんなものが食べたいか?お腹の空き具合は?お客さんのご予算は?などを聞いて料理を提供するのだという。なんとも興味深い……。

ダブル貝汁の破壊力「アワビとサザエのキーマカレー」

ワタナベが味見をしている

Photo by 逃亡料理人ワタナベ

ワタナベを取り逃がした翌日、再度、事情聴取のために「あうん」を訪れた。
たいした情報は手に入れられなかったが、まかない用に作ったというカレーを女将からご馳走になった。
それがなんと「アワビとサザエのキーマカレー」だ。
耳を疑った。俺は大のカレー好きで、これまで数々のシーフードカレーを食してきた。アワビを使ったカレーも食べたことはある。しかし、アワビとサザエを使ったキーマカレーなど食べたことがない。ただし、勘違いしてもらっては困る。高級食材=美味などという図式は、この俺には通用しないのだ。カレー好きとしては、アワビという高級食材を使ったからといって、誤魔化されはしない。

女将が皿によそったキーマカレーを目の前に置く。ご対面だ。ああ、スパイスが鼻腔をくすぐる。カレー好きにはたまらない香り。白飯へたっぷりとかけられたキーマのルウには、ゴロゴロと角切りにされたアワビとサザエがふんだんに使用されている。香りも見た目も悪くない。さて、実食といこうか。

ルウ多めに白飯ごとスプーンですくい、口に運ぶ。
おい、なんだこれ? 暴力的にうまいぞ。絶品だ。正直、想像のナナメ上をいく。しなやかな弾力はありながらも柔らかく噛み切れるアワビと、反対にコリコリとしたサザエが折り重なって、どちらか単独では生み出せない食感で楽しませてくれる。アワビ、サザエ、アワビ、サザエ、噛めば噛むほど、味が染み出してくる。通常のキーマカレーよりやや汁気が多めなのも計算なのか、白飯にしっかり絡み、これがまたたまらない。ブレンドされたスパイスもさながら、なんといってもソースに溶け込んでいるアワビとサザエの出汁が、濃厚な旨みを生み出している。ホタテなどとはまた違ったダブル貝汁の旨み。高級食材がなんだかんだと言ったが、アワビ、いい仕事をするじゃないか! 思わず女将におかわりをお願いしてしまった。
だが、食べるのに夢中になりすぎて、写真を撮るのを失念してしまった。申し訳ない。
刺身3点盛り

Photo by 逃亡料理人ワタナベ

刺身3点盛り

店を後にし、近所で「あうん」について聞き込みしてみると、やはり何を食べてもうまいと評判の店だった。海の幸はもちろん、肉料理や、鹿の刺身なんかもあるらしい。

アワビとサザエのキーマカレーは仕込みが必要だそう。もし希望があれば、予約時に相談してみると良いだろう。食材には旬があるため、食べられない場合もある。その場合は、ご容赦いただきたい。
■店名:創作料理 あうん
■住所:静岡県伊東市松川町5-21
■営業時間:18:00~深夜
■定休日:日曜日

金目鯛の沖津干し「長平鮮魚店」

長平鮮魚店の外観

長平鮮魚店

ワタナベが料理した金目鯛の炊き込みご飯。その金目鯛は、ここ長平で手に入れたようだ。長平は、伊東港の市場で早朝仕入れた旬の魚を手早くおろし、軒先で天日干ししたこだわりの干物を提供する専門店。

とある雑誌の『日本一のお取り寄せ』企画で、グランプリを受賞したこともある名店だ。
金目鯛の沖津干しあぶり

Photo by 逃亡料理人ワタナベ

金目鯛の沖津干しあぶり

パリパリの鱗が旨さの秘密

ワタナベが料理に使用したのは、肉厚な金目鯛の沖津干し。沖津干しとは、鱗(うろこ)を取らずに、水で洗った魚に塩を擦り込んで干す方法。

沖津干しのおいしさは、その鱗にある。鱗からじっくり焼くことで、パリパリと香ばしくクリスピーな食感を生み出す。旨みたっぷりの脂がのったふっくらした身とのハーモニーは、べらぼうにうまいのだ。

炊きたての白飯のおかずにすれば、箸が止まらない。冷えた日本酒の肴としてキュッと一杯というのもたまらない。ああ、想像するだけで、身もだえしてしまう。
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