美しき中央アジアのパン「ノン」が日本で買える!? その魅力に迫る

カザフスタン・ウズベキスタン・キルギスなどの中央アジアで愛されるパン「ノン」。それが春日部の「Silkroad Bakery SHER」で食べられます。その美しい見た目とやわらかな口当たりに虜になる人が多いそうですよ。

中央アジア出身の店主が本場のレシピで作る中央アジアのパン「ノン」とは

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“中央アジア”と聞いて思い浮かべるのは雄大な自然やシルクロードなどだろうか。世界中のグルメが集まる東京でも、なかなか中央アジアの食文化に触れる機会は少ない。その中央アジアで“食卓になくてはならない”と言われるのが「ノン(non)」と呼ばれるパンだ。
その「ノン」を販売する店『Silkroad Bakery SHER(シルクロード ベーカリー シェル)』が、2018年7月に埼玉県春日部市にオープンした。中央アジアのパン「ノン」とはどんなパンなのだろうか。さっそく紹介していこう。
『シルクロード ベーカリー シェル』は、東武野田線(東武アーバンパークライン)豊春駅から徒歩10分、住宅街の中にこぢんまりと建っている。コンテナを利用した店は3~4人入るといっぱいなるほどの大きさだ。

営業するのは水曜日と日曜日の週2回のみ、10時にオープン。朝から珍しい中央アジアのパンを求めて多くの人が訪れるという。
店主のサトゥバルディエフ・シェルゾッドさんはキルギス共和国育ちのウズベク人。日本人の奥様、香織さんとの結婚を機に日本で暮らすようになった。シェルゾッドさんの実家は、キルギスで祖父の代から続く「ノン」職人の家系。来日後、横浜の『ベッカライ徳多朗』や『ビゴの店』などのベーカリーで修業しつつ、いつか本場の「ノン」を紹介したいと考えていた。

「ノン」作りで欠かせないのが、タンディール(地域によってはタンドール、タンドゥール)と呼ばれる窯だ。その独特な風味は、オーブンでは出せないのだそう。最初は日本で手に入る材料を使って、窯を手作りしたという。手製の窯で「ノン」を焼いてみたところ大成功。祖国で食べていたものと同じ味のものができあがった。
さっそく、日本在住のキルギスやウズベキスタンなど中央アジア出身の友人たちに食べてもらったところ、「まさしく故郷の味」と大好評。ぜひ売ってほしいと注文が相次いただめ、インド料理で使われているタンドール窯を購入し、本格的に「ノン」作りに取り組みはじめた。

その後、日本でトップシェアを占める日本製タンドール窯を導入して、さらに生産量をアップし、2016年よりネット通販をスタートした。やがて、日本のメディアにも取り上げられるなどして、日本人からも多くの注文が来るようになり、満を持して、自宅の敷地内に店をオープンするに至った。

これが無ければ始まらない! 中央アジアの食卓に欠かせないパン「ノン」

「ノン」と日本のパンの一番大きな違いは、発酵時間の長さだ。日本ではしっかり時間をかけて生地を発酵させ、ふんわりとふくらんで焼き上がるパンが好まれるが、中央アジアのパン「ノン」は発酵時間が短いため、あまりふくらまず、ずっしりと重い。おかずと一緒に主食として食べるため、お腹いっぱいになる食べごたえのあるパンが好まれるのだ。

レシピは各地域によってさまざまに異なる。『シルクロード ベーカリー シェル』では、店主の実家のレシピをベースにし、日本産「はるゆたか」やフランスパン用「リスドォル」など3種類の小麦粉をブレンドするなどして、日本の気候や日本人の好みに合うように工夫している。日本のパン事情も良く知っているシェルゾッドさんならではの工夫だ。
発酵した生地を丸く円盤状に成形すると、縁を厚くし、火通りを良くするために真ん中をへこませる。このへこんだ部分に独特な模様をつけるのが「ノン」の特徴だ。模様は、「チェキチ」(写真上)という大きなハンコのような器具を使ってつけられる。現地では、
オリジナルの「チェキチ」を作り、そこに電話番号などを入れ、どの店で作ったかわかるようにするそうだ。
成形されたノンは、インド料理のナンを焼くようにタンドール窯の内側に貼り付けて焼いていく。窯の中で高温の炭火で一気に焼かれたノンは、外側のこんがりとした芳ばしい風味と、中の柔らかい口当たりがたまらない。
ノンにまぶしてある一見黒ゴマにみえるものは、ブラッククミンと呼ばれるスパイス。現地ではニゲラとも呼ばれ、イスラム圏では「死以外のあらゆる病気に効果がある」として知られている。噛むと苦みとともに清涼感もあるこのスパイスは「ノン」には欠かせないものだ。

おすすめの食べ方は、少し温めて、サワークリームやマスカルポーネを塗り、ハチミツやジャムを付けることだそう。厚みのある縁に切れ目を入れてサンドイッチにしたり、少し硬くなってきたら、スープに浸したりしていただく。シンプルなパンのため、日本の食卓でも活躍しそうだ。

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