連載

【連載】和田明日香の「子供とゆるベジ! 」〜 ゴーヤの苦味は、未来の味?〜

食育インストラクター・和田明日香さんが、子供の好き嫌い解消のヒントを教えてくれるこの連載。料理の大先輩・平野レミさんを義母にもち、働く女性として、また3児の母として、自分らしい生き方を模索する毎日から見つけた、とっておきのアイデアをお届け。

2018年12月12日 更新

Profile

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和田明日香/食育インストラクター、モデル

1987年4月17日生まれ。東京都出身。3児の母。7年前、キャベツとレタスの違いもわからないまま、料理愛好家・平野レミの次男と結婚。コツコツ修行を重ね、食育インストラクターの資格を取得。各メディアでのレシピ紹介、企業へのレシピ提供など、料理家として活動中のほか、情報番組のコメンテーターや、コラム執筆、CM出演など、幅広く活躍する。

あれ?今日は……

あれ?今日は……

Photo by macaroni

ゴーヤが「おいしいかも」と思えたのは、いくつのときだったでしょうか。いや、正直今だって、心の底からおいしいとは思えていないかもしれません。(ゴーヤ農家の方、ごめんなさい、でも最後まで読んでいただけたら幸いです)。
ゴーヤは、ゴーヤはですね、どう考えたって苦いのです。わかっております、その苦味がおいしいんだってこと。「その苦味がいいんじゃない〜」と言っていた大人の顔をたくさん知っています。でも、苦いものは苦い。
ただ、夏の夜のふとしたときに、「あれ?今日はゴーヤチャンプルーを注文したい気分だぞ?」という瞬間が訪れることを、私は知っています。

これぞ大人味

これぞ大人味

Photo by macaroni

私の家の近くには、沖縄料理屋さんがあります。お座敷もあって、アットホームな雰囲気。子どももウェルカムとのことなので家族でたまに行くのですが、暑い時期になると自然と足を運ぶ機会が多くなります。
いつも最初に頼むサラダには、もずくや海ぶどう、スパム、シークヮーサーといった沖縄食材が盛り込まれていて、そのなかには生のゴーヤも。薄切りで何欠片か、とはいえ、やっぱり存在感抜群です。「なんかかじった〜!苦っ!」と、顔を歪ませる子どもたちに「ああ、それがゴーヤだよ」と大人の余裕を見せつつ、わたしもひと口。苦っ!
ゴーヤチャンプルーを頼んでも、子どもたちは積極的に食べてはくれないだろうと思うのですが、それでも頼まずにはいられなくなるから不思議。きっと、そのときには、口のなかに残るゴーヤの苦みが、オリオンビールと混ざって、クセになりそうな渋い余韻を広げているからだと思うのです。「これが大人の味か……!」と。
これぞ大人味

Photo by macaroni

そのお店のゴーヤチャンプルーは、わりと濃いめの味付けで、ゴーヤの火の通り加減がちょうどよく、特に生のゴーヤに洗礼を受けたあとだと、驚くほど食べやすい。とはいえ、子どもたちは、スパムや島豆腐ばかりを器用につまんで食べますが、まあ、今はそれで良いのです。いつかオリオンビールを飲めるようになったとき、新しい味に出合うのも楽しいじゃないですか。ゴーヤは、とっておきにふさわしい野菜だと思うのです。

いつか出合う、とっておき

一方、子どもたちでも楽しめるのが、白ゴーヤ。これは本当に、名前にゴーヤとついてしまっているから損をしていて(というとゴーヤに失礼ですが……)、苦味がほとんどありません!1cmぐらいの輪切りにして、炭酸水、小麦粉、青海苔、塩を混ぜた衣にくぐらせ、カラッと揚げれば、「なにこれおせんべい!?」と子どもたちの手がニョキニョキ伸びてきます。これ実はゴーヤなんだよ、と言っても、信じてもらえないかも。
いつか出合う、とっておき

Photo by 和田明日香

今年の夏も、ゴーヤチャンプルーを食べました。やっぱり苦かったです。いつか子どもたちと、これをつまみにオリオンビールを飲む日が来るのかなあ。早くその日が来てほしいような、今がもう少し続いてほしいような。夏が終わるたび、子どもたちと思いっきり遊べる夏はあと何回だろう、と胸がぎゅうっと締め付けられます。
子どもたちが「とっておきの味」に出合うその日を思いながらいただく、ゴーヤ(と、オリオンビール)。食べて味わうことで、気持ちが引き起こされるのは、本当に素敵な体験です。ゴーヤの苦さには、そんな特別な力があるのかも。

来月取り上げる野菜は「しいたけ」。次回をお楽しみに!

文・構成/和田明日香、編集/山川俊行(macaroni編集部)、スタイリング/橋本彩( macaroni編集部)

書籍情報

ITEM

子どもは相棒 悩まない子育て

単行本:176ページ 出版社:ぴあ(2018/7/10)

¥1,296〜 ※2018年8月31日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。
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和田明日香

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