連載

【わたしの食器棚 vol. 55】枠にとらわれない料理の受け皿。南風食堂が愛用する食器たち。

料理と向き合い生活している食のプロに、食卓づくりに欠かせないお気に入りの食器を訊く連載企画。今回は、メディアでの活躍も多い料理ユニット「南風食堂」の三原寛子さんに、ふだんの食事や撮影に欠かせないという愛用品をご紹介いただきました。

Today's Foodie

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南風食堂 三原寛子/料理研究家

「南風食堂」は小岩里佳と三原寛子による料理ユニット。食に関する企画提案や編集物の制作、アートプロジェクトでの作品制作展示、雑誌やWEBなどの料理紹介、商品開発や店舗のフードディレクションなどを行っている。近著は『乾物の本』((SPACE SHOWER BOOks)、 『ココナッツオイルの本』(SPACE SHOWER BOOKs)など。

自由な発想を受け止める器。

自由な発想を受け止める器。

Photo by macaroni

「好きなものを組み合わせて、おいしいものをつくる。それがわたしたちの料理です」

フットワーク軽く食にかかわるさまざまな取り組みに参加し、料理やレシピなどの作品を提供してきた料理ユニット「南風食堂」の三原寛子さん。彼女にとっての料理とは、ジャンルや慣習に左右されないものだといいます。
「参加者がもってきた野菜を使って即興で料理をするというイベントを続けているんですが、そこでは食材を見て頭に浮かんだアイデアをそのまま形にしています。思考を軽く、何も考えずに、手にした野菜に導かれるようにひたすら調理を続ける。千本ノック的にこの経験を続けるうちに、おいしいものをつくるどうすればいいか、頭ではなく体で理解できました。どこの国の料理とか、調味料の組み合わせとか、枠に縛られる必要はないんだなと思いました」と、あくまで自由な三原さん。そんな南風食堂にとって、使いやすい食器とは?

「頭に浮かんだイメージを自由に形にしたいので、受け皿として懐の深い食器を選ぶようにしています。食材の自然な色が映える色、質感、余白の大きさ。和も洋もエスニックもなんでも受け止められる……、そういう品が理想です」
どんな料理でも似合う。食器をつくる側からすればなかなかにハードルが高そうな南風食堂の理想ですが、それに応える器にはどういう要素が必要なのでしょう。三原さんの愛用品だという9点の食器から、その一端を探ってみたいと思います。

1.【茶碗】鈴木稔「スープボウル」

1.【茶碗】鈴木稔「スープボウル」

Photo by macaroni

「益子のイベント『土祭(ヒジサイ)』で鶴亀食堂というお店の調理を担当したのですが、そこで用意していただいた食器のすべてが益子の陶芸家、鈴木稔さんの作品でした。食材の色が映え、イキイキとして見える鈴木さんの器に魅了されていたところ、土祭が終わったあとに、いくつかをお譲りいただきました。以来、食事に、撮影にと日々大事に使っています。

こちらはスープボウルなのですが、わたしは主にお茶碗として使っています。ごはんをいっぱい食べたいときに便利なサイズで、手にもったときにしっくりとくる感触もいい。白米だけでなく玄米や炊き込みごはんを盛っても絵になります。もちろん、スープを注いで本来の使い方をしても見栄えはいいですよ。かぼちゃのスープ、紅芋のポタージュなどの色の強いスープも、ホワイトシチューのような色のないスープも両方似合う。とても使い勝手がよくて、いつも食卓にある器のひとつですね」

2.【皿】鈴木稔「丸平皿」

2.【皿】鈴木稔「丸平皿」

Photo by macaroni

「こちらも『土祭』のあとに鈴木さんからお譲りいただいたもの。鶴亀食堂は野外のお店だったのですが、そういう環境でこの土のような色がすごく映えました。料理を盛りつけながら、このお皿ならなにをのせても絵になるだろうと思いましたね。

それなりに大きな平皿なので、ごはんもおかずも、パンも全部のせて、ワンプレートにして食事することが多いです。このお皿に盛ると、カレーのミールス(※)もきれいに見えるんですよ」
※ミールス=南インドの食堂やレストランで出される定食のこと。

3.【皿】出西窯の皿

3.【皿】出西窯の皿

Photo by macaroni

「出西窯の器が好きで、たくさんもっています。このお皿は、ぽってりとしていながら、それでいて重たすぎはせず、バランスがすばらしい。和洋を問わず使えますし、野菜も肉も選びません。最近は特に麺ものの料理を盛りつけていただくことが多いです。たとえば汁なし中華そばとかパスタとか、すごく合うんです」

4.【皿】吉村和美「スープ皿」

4.【皿】吉村和美「スープ皿」

Photo by macaroni

「陶芸作家、吉村和美さんの作品です。いろいろな色があったのですが、迷って黄色にしました。

この黄色のスープ皿は、ビビッドだけど派手すぎず、品が良いと感じています。こういう色の器を使うと、食卓の上で良いアクセントになりますね。また、朝食をこれでいただくと、なんとなく朝から元気になれるんです」

5.【皿】田村一さんのお皿

5.【皿】田村一さんのお皿

Photo by macaroni

「陶芸作家の田村一さんの器の展示会で実際に料理を合わせ、食べることもできるという会があり、料理をつくったことがありました。そのときにわたしも自分用の器を買わせていただきました。

少し青みがかった白と、縁の薄いピンクがきれいで、気に入っています。このお皿も、盛り付ける料理を選ばない万能的な品のひとつですね。見た目が地味な料理も、このお皿にのせるとちょっと華やかに見えてくる。これからの季節なら、ナスやししとうの煮浸しなんか、すごく合うと思います」

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macaroni編集部

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