連載

【日々の味付け帖 vol.46】丁寧な暮らしよ、さようなら。阪下千恵さん愛用の調味料たち

料理と向き合い生活している食のプロに、料理に欠かせないお気に入りの調味料を訊く連載企画。今回ご紹介するのは、自身の共働き、子育て経験を生かした再現性の高いレシピが人気の料理研究家・阪下千恵さんの愛用品です。

Today's Foodie

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阪下千恵/料理研究家・栄養士

外食大手企業、無農薬・有機野菜・無添加食品などの宅配会社を経て独立。現在は、書籍、雑誌、企業販促用レシピの開発、HP、テレビ等の料理レシピ作成、食育関連講習会など幅広く手がける。自身の共働き、子育て経験を生かした再現性の高いレシピが人気で、お弁当からおもてなし、料理の基本、ダイエット本まで著書多数。大田区久が原の自宅にて、1回から参加できる少人数料理教室主催。

ベースがあって、趣味が成り立つ。

ベースがあって、趣味が成り立つ。

Photo by macaroni

東京・大田区のとある駅に降り立ったのは、初夏の昼下がり。傾き出した日差しを浴び、まぶしそうに顔をしかめて歩く人々とすれ違いながら、住宅地の奥へ奥へと歩を進めること数分。料理研究家・阪下千恵さんが住む一軒家が見えてきます。

「こんにちは!」と開口一番、太陽にも負けないピカピカの笑顔で出迎えてくれた阪下さん。リビングへと案内してくれた彼女は、いつも使っているという調味料をひとつ手に取り、自宅に揃えているアイテムに共通するテーマを語ってくれました。

「高級品?希少性?いえいえ、我が家にある調味料はすべて、近所のスーパーで購入したもの。手軽に買える品だけです。手に入りやすい調味料があってこそ、自分がつくるレシピの再現性が高まると思っています。

今はそういう考えですが、わたしにも調味料にこだわっていた時期がありました。でも一個数千円するような高価なものって、どこかクセがあったり、近場で手に入らなかったり、毎日の調理に取り入れにくいんですよね。ほしいときにすぐ手に入る。一周回ってここに答えを見出しました」

その一方で、「ただし、料理は普通に楽しみたいので、日常の延長線上で使っている調味料はありますよ」とも阪下さん。日常の延長線上、この言葉を理解するには、もう少しだけお話を聞いてみた方がよさそうです。

「ベースは手に入りやすい調味料にありますが、それだけだとつまらない。だから趣味として、プラスαのアイテムを買うんです。たとえば、スパイス。種類もたくさんあって、ボトルもかわいいですし、見ているだけで楽しいんですよね。もちろん調理の際の実用性は大前提」

そうやって料理が作業にならないよう、つくることのワクワクも大切にする阪下さんは、日々のちょっとしたストレスを嫌います。「だから、お徳用には飛びつかないんです」とポツリ。言葉の意味を訊ねてみると、思わず目からうろこが剥がれ落ちるような答えが返ってきました。

「取り出しやすくてしまいやすい。これが収納の本来あるべき姿です。お徳用ってボトルのサイズが通常よりも大きいでしょ?つまり、わたしの考える収納に向かないんですよね」

今回ご紹介するのは、そんな阪下さんが料理のベースとしている調味料と、料理でワクワクするための趣味の調味料。では早速、阪下家の調味料棚の中を覗いてみることにしましょう。

1.【塩】伯方塩業株式会社「伯方の塩」

1.【塩】伯方塩業株式会社「伯方の塩」

Photo by macaroni

「天然塩の中でも「伯方の塩」は、リーズナブルであれこれ使いやすいんです。アサリの砂抜き、肉の下味付け、マリネの味付けなど幅広く活用しています。マイルドな塩味で、料理もおいしくなる気がします。ちなみに、結晶状の岩塩もふだんの料理で使っていて、オーブン焼きやサラダなど、塩の食感を味わいたい料理に使うようにしています」

ITEM

伯方塩業株式会社「伯方の塩」

内容量:500g

¥191〜 ※2018年5月26日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

2.【砂糖】カップ印マーケット「中ザラ糖」

2.【砂糖】カップ印マーケット「中ザラ糖」

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「特に煮物なんかは、中ザラ糖を使うとグッとコク深くなるので愛用しています。筑前煮、手羽先と大根の煮物には欠かせないですね。お菓子づくりでも使っています。粒が大きく溶けきるまでに時間がかかるので、カステラっぽいザリザリとした食感を出したいときに便利。ちなみにお砂糖は、上白糖、グラニュー糖、黒砂糖などを用途によって使い分けていますよ」

3.【酢】ミツカン「純米酢 金封」

3.【酢】ミツカン「純米酢 金封」

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「我が家のお酢はなんにでも使える純米酢。穀物酢との使い分けも検討していましたが、お寿司などにも使える汎用性を見込んで、こちらを使うことにしました。純米酢は醸造アルコールを使っていないので、これらを使ったお酢や酒にある特有のツンしたにおいも気になりません。原料がシンプルなのも安心できますね。洋風のマリネなど少しマイルドな酸味がほしいときには、白ワインビネガーを使っています」

ITEM

ミツカン「純米酢 金封」

内容量:500ml

¥334〜 ※2018年5月28日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

4.【オリーブオイル】日清オイリオ「ボスコ・エキストラバージン」

4.【オリーブオイル】日清オイリオ「ボスコ・エキストラバージン」

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「イタリアンの炒め物はもちろん、そのままサラダにかけてもおいしい。うちではよくマリネやカプレーゼをつくるんですが、そのときには欠かせない調味料ですね。

すごく高いわけでもなく、スーパーで手軽に購入できるのも愛用の理由。しっかりといい香りがついていて、フレッシュな風味が楽しめます。その割にすごくクセがあるわけでないので、子供でも気にせず食べられますよ」

5.【オイル】日清「アマニ油」

5.【オイル】日清「アマニ油」

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「自家製ドレッシングをつくるときによく使っています。風味にクセがないので、いろいろな料理に使いやすい。

オイルは使っているうちに酸化が進み、開封したての良い香りが失われていきます。でもこちらなら、ボトルの形状が酸化防止に特化しているので、フレッシュな状態が長持ちするんですよね。そういう意味で、自宅の調味料の中でも、特にお醤油とオイルはあまり大きいサイズのボトルを買わないようにしていますね。空気に触れていれば、味や香りが徐々に劣化してくるので。できるだけ使い切れるサイズの方がいいと思っています」

ITEM

日清「アマニ油」

内容量:145g

¥825〜 ※2018年5月28日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

6.【その他】日清フーズ「クッキングフラワー 150g」

6.【その他】日清フーズ「クッキングフラワー 150g」

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「サラサラとした粉なのでだまになりにくく、とろみ出しにも便利。蓋を開ければそのままふりかけられるようになっているので、お弁当、フライなどちょっと料理に使いたいときには重宝します。詰め替え用もあるので経済的。鶏の照り焼きや豚肉のロール、フライなど日常使いに欠かせないアイテムです」

ITEM

日清フーズ「クッキングフラワー 150g」

内容量:150g

¥212〜 ※2018年5月28日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

7.【醤油】キッコーマン「丸大豆醤油」

7.【醤油】キッコーマン「丸大豆醤油」

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「どこのスーパーでも売っていますし、値段もお手ごろ。味も安定しているので気に入っています。製法にこだわっているメーカーの醤油はおいしいですが、風味のクセが強いものも多く、使うことで醤油の味がたちすぎてしまう場合もあります。国産大豆使用のキッコーマン『丸大豆醤油』は、どんな料理の味もバランスよく仕上げてくれます」

ITEM

キッコーマン「丸大豆醤油」

内容量:750g

¥409〜 ※2018年5月28日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

8.【味噌】マルモ青木味噌醤油醸造場「信州名産 善光寺平赤 1kg」

8.【味噌】マルモ青木味噌醤油醸造場「信州名産 善光寺平赤 1kg」

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「長野出身なので、小さい頃から食べ慣れている信州味噌が好きですね。特にこのお味噌は、祖母が実家で手づくりしていたものに味が似ていて気に入っています。味噌汁はもちろん、お肉やお魚の味噌焼きにもぴったり。本当に信州味噌は万能ですね』

9.【その他】ナンファー「トムヤムペースト」

9.【その他】ナンファー「トムヤムペースト」

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「こちらを使えば、おうちで手軽にアジア料理をつくれます。ときどき無性に食べたくなるんですよね。でも、必要な調味料を一から揃えるとなると容易ではないので。ナンプラーやスイートチリソースも自宅に常備していますが、複雑な味を簡単に再現できる便利なアイテムたちです」

ITEM

ナンファー「トムヤムペースト」

内容量:227g

¥970 ※2018年5月28日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

無理をしないということ。

無理をしないということ。

Photo by macaroni

「わたしが目指しているのは、『脱・丁寧呪縛』なんです(笑)」

現実的すぎず、理想的すぎない。そのちょうどいい塩梅を模索する阪下さんは、世の中の潮流へ一石を投じます。

「一点豪華主義的にお金をかけて高い調味料を買うことには違和感を覚えます。もちろん高品質で安定した味なのは間違いないんですが、先ほど触れたように、毎日の料理には取り入れにくい品もたくさんあるので。だから、ベースの調味料は『安くて手軽に入るものでいいんだよ!』って声を大にして言いたい。

みんなの中に、いいものを使わないといけないという信仰的な想いがあると思うんです。俗にいう“丁寧な暮らし“って、センスがあってはじめて生活の中に組み込めるものなんだって、身をもって思い知らされました。わたしにはそういうセンスがなくて(笑)。だからある時から、ゼロベースで考えるようにしたんです。今の生活に合うものが何かをまず考えて、最初の一歩は使いやすい調味料から手を出してみる。ベースが固まれば、その文脈に楽しさというエッセンスを加える。そうすれば無理のない範囲で楽しく料理ができるようになる。わたしは、そう信じています」

無理をして手に入れる憧れの生活ではなく、ふだんの中に隠された小さな幸せに気づける生活。真に丁寧な暮らしを送るためには、幸せに気づくための“心のゆとり”が必要なのではないでしょうか。阪下さんの言葉には、豊かさを生むための“小さな時間”をつくるコツが隠されていそうです。
文・構成・写真/山川俊行(macaroni編集部)

書籍情報

ITEM

おいしすぎてほめられる! 料理のきほんlesson

単行本:207ページ 出版社:新星出版社(2017/2/27)

¥1296〜 ※2018年6月1日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

ITEM

作りおきのやせるお弁当389

単行本:207ページ 出版社:新星出版社 (2018/2/20)

¥1404〜 ※2018年6月1日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

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macaroni編集部

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