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【日々の味付け帖 vol.29】日々に寄り添う。角田真秀さん愛用の調味料たち

さまざまな食のプロにお気に入りを聞く連載企画。今回は、夫婦フードユニット「すみや」の角田真秀さん愛用の調味料をご紹介します。身近で手に入る調味料を好んで使っているというおふたり。早速、角田家の調味料棚を覗いてみることにしましょう。

2018年5月18日 更新

Today's Foodie

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Photo by 三木麻奈

角田真秀/料理研究家

東京・九段下で飲食店を営む父母のもとに育ち、販売業、カフェ勤務、実家での修業を経て、フードユニット「すみや」を夫とともにスタート。ケータリングや企業向けのレシピ監修、料理教室の講師などを手がけながら、雑誌や書籍で活躍中。簡単で力強く、それでいて酢や柑橘果汁を巧みに使ってさわやかに仕上げた料理が、幅広い層から支持を得ている。著書に『フライパンひとつで作る炒めもの、さっと煮、蒸し焼き』(主婦と生活社)、『基本調味料だけで作る毎日の献立とおかず』(マイナビ出版)。

余白を残すということ。

余白を残すということ。

Photo by macaroni

季節外れの大雨が降りしきる4月某日。macaroni編集部が訪れたのは、東京・国立の閑静な住宅地に居を構える、ある夫婦フードユニットのご自宅でした。

つい最近越してきたばかりだというお宅にお邪魔すると、ご主人が「じゃ、コーヒー、淹れますね!」と早速のおもてなし。ミルを手にとって豆を手挽きし、ハリオのドリッパーの中にセットしてお湯を注ぎはじめます。その間、奥さんとの世間話に花が咲きますが、口を開けば、自分のことよりもご主人のことばかり。「彼、最近駅近のクラフトビールを出すビアレストランに転職したんですよ。昔は、味のないポパイ焼きが得意だったんですけどね(笑)」と、褒めているのかけなしているのか、どうにも捉えどころがありません。

そうこうしているうちに「お待たせしました!お砂糖とミルクはいりますか?」と、ふわっとした笑みを浮かべながら、コーヒーを出してくれるご主人。それに対して奥さんが放ったひと言を聞いて、おふたりの仲の良さに合点がいきました。

「引っ越したばかりなんだからお家にないでしょ!お店で覚えたての言葉をすぐに使わないの(笑)」。

ケータリングや企業向けのレシピ監修で、各所から引っ張りだこのフードユニット「すみや」の角田真秀さん・和彦さん。まるで夫婦漫才を見ているような仲睦まじい様子のおふたりが提案する料理は、どこか温もりの感じられる家庭的な料理ばかり。新居の調味料棚を拝見していても、身近なお店だけでそろいそうな品々が並んでいました。

「手に入りやすい調味料を選んでいる分、同じジャンルのものを数種類もっているようにしてます。醤油の味をひとつとっても、メーカーさんによって味が微妙に異なるので、ブレンドすると深みが出るんですよ(真秀さん)」

おふたりの料理のテーマを明かしてくれた真秀さんは、さらにこう付け加えます。

「とはいえ、絶対に複数種類使わなきゃいけないってわけではありません。わたしたちが提案するレシピも、最低限の調味料だけを記載していますから。気持ちや時間に余裕があるときに試してほしい。その余白は残しています(真秀さん)」
「まさに、その通り(ニコニコ)(和彦さん)」

“これがないと料理が成立しない”というストレスを嫌うおふたり。今回は、近所のスーパーで手に入るような等身大の調味料たち10点をご紹介します。レシピ考案を担当する真秀さんに、その魅力を語っていただきました。

1.【醤油】井上醤油店「井上古式じょうゆ」

1.【醤油】井上醤油店「井上古式じょうゆ」

Photo by macaroni

「調味料選びで気をつけているのは、ストレスなく手に入ること。最近引っ越したばかりなんですが、家から一番近いスーパーにも井上醤油店さんの古式じょうゆが置いてあって、ひと安心したところです。

お醤油って、主張が強い調味料のひとつだと思うんですが、こちらのお醤油はまろやかな味わいで毛羽立った醤油感がほとんどない。だから、どんなお料理にもなじんでくれるんです。初心者の方や味付けに自信がない方でも扱いやすい、やさしいお醤油です」

ITEM

井上醤油店「井上古式じょうゆ」

内容量:900ml

¥970〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

2.【醤油】土の香工房「けやき生醤油」

2.【醤油】土の香工房「けやき生醤油」

Photo by macaroni

「『けやき生醤油』は、薄口醤油の中で一番のお気に入り!初めて口にしたとき、そのおいしさに感動したのを覚えています。製造過程で火入れをしていないため、口に含むとふくよかな大豆の香りがしっかりと感じられます。後味もすっきりとしていて、お気に入り」

※ 3.【酢】内堀醸造「本造り米酢」

※ 3.【酢】内堀醸造「本造り米酢」

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「わたし、お酢の味が大好きで、煮物や炒め物なんかにもたくさん使います。そのおかげか、お酢の扱いがだんだん上達しているようで、お仕事で一緒になる方にも『お酢の使い方が上手』って言われるんです(笑)。

これまでいろんなお酢を試してきましたが、内堀醸造さんの米酢が一番のお気に入りですね。伝統的な製法で丁寧につくっているにもかかわらず、お手頃な値段で手に入りますし、ツンとしたお酢独特のクセもおさえられている。デイリー使いにぴったりな品です」

ITEM

内堀醸造「本造り米酢」

内容量:900ml

¥626〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

4.【酢】内堀醸造「臨醐山黒酢」

4.【酢】内堀醸造「臨醐山黒酢」

Photo by macaroni

「黒酢も内堀醸造さんのものを愛用しています。米酢よりも甘みとコクがしっかりあり、その分酸味はやわらか。もちろん単体で使うこともありますが、お醤油同様米酢などとブレンドして加えることが多いでしょうか。黒酢独特のクセも和らぎ、グッと扱いやすくなります。たとえばトマトのマリネに使ったり、ゆで卵を漬け込んだり。酸味がよいアクセントになって、メリハリの効いた味わいになります。

暑さが続く日やちょっと疲れたなというときは、積極的に酸っぱいおかずを食べるようにしています」

ITEM

内堀醸造「臨醐山黒酢」

内容量:360ml

¥437〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

5.【レモン果汁】無茶々園「れもん」

5.【レモン果汁】無茶々園「れもん」

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「お酢の酸味も大好きですが、レモンの酸味も大好き。お肉、お野菜、お魚、香草なんかをさっと炒めた『レモンしょうゆ炒め』をよくつくります。ケータリングでも特に登場回数が多いですね。

レモン果汁選びは、お醤油のような和風調味料とのなじみやすさがポイントだと思います。その点、無茶々園さんの商品は、お醤油との相性がとっても良いんです。愛媛県産のレモンが使われていて、酸味にどこかやさしさを感じます。

海外産のレモン果汁も好きですが、抜けるような酸味なので、どちらかというとお料理よりも飲み物向き。お料理には国産のレモン果汁を使うようにしています」

6.【オリーブオイル】ビオ プラネット「オリーブオイルマイルド」

6.【オリーブオイル】ビオ プラネット「オリーブオイルマイルド」

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「こういうお仕事をしていると、ありがたいことにオリーブオイルをよくいただきます。ひと口にオリーブオイルといっても香りや用途はほんとうに様々。その中でも、ビオプラネットのオリーブオイルは、使いやすく重宝しています。

軽くてなめらかなオイルで香りも飛びにくく、炒め物をするときに大活躍。主張が強すぎないので、食材の個性を消すことなく、お料理全体の味をまとめてくれます」

ITEM

ビオ プラネット「オリーブオイルマイルド」

内容量:500ml

¥1,836〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

7.【オリーブオイル】アンファー「オーガニックオリーブオイル」

7.【オリーブオイル】アンファー「オーガニックオリーブオイル」

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「男性用シャンプーで有名なアンファーさんから販売されているオリーブオイル。イタリア産のオリーブを使っていて、とっても香り高い。マリネやサラダに回しかけるだけで、あっという間に華やかな味わいにランクアップします」

ITEM

アンファー「オーガニックオリーブオイル」

内容量:270g

¥1,950〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

8.【マスタード】ドゥルイ「オーガニック粒マスタード」

8.【マスタード】ドゥルイ「オーガニック粒マスタード」

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「フランス製のマスタードなんですが、材料は有機からし種・有機りんご酢・塩の3つだけ。その潔さに惚れました(笑)。ほかのマスタードと比べて酸味がやわらかく、お子さんの舌にも合うと思います。

よくつくるお料理のひとつに『マスタードミルク煮』というものがあるんですが、これにドゥルイは欠かせない。ミルクと一緒に加熱するとコク深い味に仕上がるんです。レバーペーストやチーズなんかを添えたバケットに、さっと塗って召し上がってもおいしいですよ」

ITEM

ドゥルイ「オーガニック粒マスタード」

内容量:200g

¥712〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

9.【スパイス】ゾネントア「フラワースパイス」

9.【スパイス】ゾネントア「フラワースパイス」

Photo by macaroni

「いつものお料理にスパイスはあまり使わないんですが、さっとふりかけるだけの使いやすいものはいくつか持っています。キュートな商品名の、ゾネントアの『フラワースパイス』をはじめ、『守護天使(コリアンダーブレンド)』、『オールザベスト(ベリーブレンド)』、『チアリー(ガーリックブレンド)』(写真左から)は、特にお気に入り。

コリアンダーブレンドとチアリーは、焼いたお肉やオムレツなんかにひと振りすると、一気にスパイシーな彩りのある味わいに。ピンク色のオールザベストは、デザートにおすすめですね。オリーブオイルをかけたアイスクリームに添えると、あっという間におもてなしデザートに早変わり。スーパーの特売でお安く買ったバニラアイスでも、一気に高級感のある上品な味にグレードアップしますよ」

ITEM

ゾネントア「フラワースパイス」

内容量:30g、フラワースパイス

¥1,296〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

10.【塩】ナチュラータ「プレミアムスモークソルト」

10.【塩】ナチュラータ「プレミアムスモークソルト」

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「このお塩、ひと口舐めたらびっくりするはず。スペイン産の海塩をブナやモミの木でじっくりスモークしてあって、口に含むと芳醇な薫香が広がります。カリッと焼いたチキンやボイルしたお野菜にパラリとかけると、本当においしく仕上がるんです。ちなみに夫は、このお塩をゆで卵につけるという何とも贅沢な食べ方がお気に入りのようです(笑)」

ITEM

ナチュラータ「プレミアムスモークソルト」

内容量:100g

¥1,771〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

等身大であること。

等身大であること。

Photo by macaroni

仕事柄、子供からお年寄りまでさまざまな年代に料理をつくる機会が多いという「すみや」のおふたり。料理研究家をはじめて日が浅いと話す真秀さんは、スパイス使いは不慣れな分、自分でも覚えやすい基本の調味料の使い方を極めているといいます。
「同じものをずっと買うっていうのも大変だから、自分にとって同じ感覚で使えるものを3つぐらい決めてるんです。今回ご紹介した醤油やオリーブオイルなどもそうですね」

「そうだよね、かずちゃん?」と、ふいに振られた問いかけに、洗い物の手を止め、多少どぎまぎしつつ誠実に答えようとしてくれる和彦さん。が、その反応はちょっと間の抜けたもの。

「そうですね……でも僕、ずっと同じことを楽しめるんですけどね(笑)」

曇天が嘘のように晴れ渡り、やらかな日差しが降り注ぐダイニング。和彦さんの無垢な照れ笑いが、いつまでもその場を浸していました。
取材/板井海奈(macaroni編集部)、文・構成・写真/山川俊行(macaroni編集部)

書籍情報

単行本(ソフトカバー):96ページ
出版社:主婦と生活社 (2018/3/16)

『フライパンひとつで作る炒めもの、煮もの、蒸し焼き』 単行本(ソフトカバー):96ページ
出版社:主婦と生活社 (2018/3/16)

単行本(ソフトカバー):96ページ
出版社:主婦と生活社 (2018/3/16)

『片手鍋ひとつで作る炒め煮、マリネ、スープ』 単行本(ソフトカバー):96ページ
出版社:主婦と生活社 (2018/3/16)

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