連載

【日々の味付け帖 vol.26】残すべき味を次の世代へ。蓮池陽子さん愛用の調味料たち。

さまざまな食のプロに愛用品を聞く連載企画。今回は、アウトドアシーンを得意とする料理人兼フードデザイナー、蓮池陽子さんの調味料をご紹介します。料理家として生産者に協力する機会が多いという蓮池さんがお気に入りにしている味わいとは?

Today's Foodie

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蓮池陽子/料理家、フードデザイナー

東京・雑司が谷出身。ビストロ勤務の後、料理教室で料理・製菓講師を務める。その後アウトドアで山菜や貝などを採取をする中で、おいしい物の背景には“美しい自然”や“沢山の物語”があることに開眼。現在は「食の物語を紡ぐしごと」をコンセプトにケータリング・料理教室、フードコーディネート、メニュー開発、執筆などを行っている。

残していきたいと思った味

調理をする蓮池陽子さん。これから何ができるのでしょう。

Photo by macaroni

「良い食材を残す。これも料理家の仕事だと思うんです」

そんな言葉で端緒を開いてお話を聞かせてくれたのは、特にアウトドアシーンで目覚ましい活躍を続ける料理家兼フードデザイナー、蓮池陽子さん。

効率重視のものづくりを進める大メーカーが躍進する一方で、昔ながらの製法でつくられた品質の良い食材が注目を浴びる現在。蓮池さんは、そんな時代に取り残されないよう工夫と苦労を重ねている生産者の悩みを聞き、その原因と解決法を一緒に考えています。

「何を使っていて、どんな状態で生産されているかわかれば、どのように調理すればその良さが最大限引き出し、味わえるかなど、最終的に生産者の役に立つアイデアを出せる。それは、自然とかかわり続ける中で、おいしいものができるメカニズムを理解したわたしの強みだと思っています。買うという応援の仕方もあるとは思いますし、それもしていますが、生産の現場を改善するという手助けは、料理家の中ではわたしがやるべき仕事かなって」

今回は、そんな蓮池さんが作り手の考えや想いに共感し、自分でも愛用するようになったという調味料をご紹介。それぞれの魅力と特徴、おいしく味わう方法を詳しく教えてもらいました。

1.【酢】戸塚醸造店「心の酢」

戸塚醸造店の「心の酢」。蓮池さんのお店「蓮池商店」でも人気の高い品なんだとか。

Photo by macaroni

「わたしがセレクトした日本各地の調味料や乾物を編集・発信する『蓮池商店』(https://www.store-hasuike.com/)を、昨年からこのアトリエでやっているんですが、塚醸造店の心の酢はとても人気のある品です。

他のお酢のようにろ過していないぶん、旨みと香りがたっぷり残っていて、わたしも大好き。お酢の味そのものを味わいたい酢の物のような料理や、お料理の味を引き締めたい時の隠し味にぴったり。レンコンやナスのアク抜きも、少量でしっかりと抜けるので重宝しています。
3年ほど前には工場にもお邪魔し、作り手の熱い想いに触れてますますファンになりました。現在のご主人はもとはというと銀行マンで、廃業を考えていたこの工場の担当になり、先代から相談を受けるうちにお酢の魅力に取り憑かれ、跡を継ぐことになったそうです。

そういうドラマを知ると、より大切に味わいたいと思いますね」

ITEM

戸塚醸造店「心の酢」

内容量:500ml

¥753〜 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

2.【醤油】ミツル醤油醸造元「生成り 再仕込み」

福岡県糸島市のミツル醤油醸造元が販売しているお醤油、「生成り 再仕込み」。

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「福岡県糸島市のミツル醤油さんが丁寧に仕込んでいるこの醤油は、手作りの麹で木桶に仕込む自社醸造という昔ながらの方法でつくられていて、とても手間がかかるそうなんです。そのため、昭和40年には一旦製造をやめたらしいのですが、現在の4代目・慶典さんが見事復活させました。わたしとしては、そのストーリーにもほれ込んでいます。

塩味は控えめですが、どっしりとした旨みがあり、少量でも十分満足できる味わいです。まぐろのお刺身や小松菜のおひたし、いんげんの和え物など、シンプルな料理によく合いますよ」

ITEM

ミツル醤油醸造元「生成り 再仕込み」

内容量:100ml

¥842 ※2018年4月25日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

3.【味噌】中村醸造「まるゆき味噌」

中村醸造の「まるゆき」。味噌マニアを自称する蓮池さんも大ファンだというお味噌。

Photo by macaroni

「中村醸造のまるゆきは、お湯で溶くだけでお味噌汁として成立するほど旨みの豊かなお味噌です。このお味噌でつくった即席味噌汁を飲むと、味噌のイメージが変わったとおっしゃる方がとても多いんですよ。
実はわたし、全国味噌連合に所属しているほどお味噌愛が強いんです。中村醸造さんは味噌好き仲間に見学を勧められた蔵のひとつだったんですが、職人さんと話しているだけで、ここのお味噌がおいしくないわけがないと確信しました。

おいしい味噌をつくるには、素材と正面から向き合い、聞こえない声と対話し続けなければなりません。それができる方というのは、真摯な姿勢が人柄に表れるものなんです」

4.【味噌】五味醤油「甲州やまごみそ」

五味醤油の「甲州やまごみそ」は、米麹と麦麹を合わせてつくられるユニークな味噌。

Photo by macaroni

「米麹と麦麹をあわせた甲州やまごみそも大好きな味噌のひとつです。関東や東北の味噌によく見られるさっぱりとした味わいをベースに、九州味噌の甘みを足しているという印象。まろやかだけれどクドさはないというこの風味は、甲州みそにしか出せないものだと思います。

この味噌といりこだしを合わせてお味噌汁をつくると格別においしいんですよ。旨みが何層にも重なっているように感じられるくらい深い味わいを楽しめます」

5.【みりん】角谷文治郎商店「三州三河みりん」

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macaroni編集部

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