連載

【日々の味付け帖 vol.22】毎日の調味料は「さしすせそだけ」でOK。山脇りこさん愛用の調味料たち

さまざまな食のプロに、お気に入りの調味料をうかがう連載企画。今回は、代官山「リコズキッチン」主宰の料理家・山脇りこさん愛用のアイテムをご紹介します。「味付け」の原理原則をロジカルに分解した山脇さんが見出す調味の視点は、必見の内容です。

Today's Foodie

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山脇りこ/料理家

旬を大切にしたシンプルな家庭料理に、海外生活や大好きな旅で得たモダンなエッセンスを加えて、“作る楽しみ”とともに提案している。旅好きで、世界各地、日本各地で 「作って食べる旅」をしている。ライフワークとして続けている「だしの教室」は、ル・コルドンブルー(東京)や、農林水産省のワークショップとしても開催。また、調味料マニアで日本の伝統的な製法を守る蔵を回り、調味料の教室も行っている。

グルマン世界料理本大賞2014でグランプリ受賞。『かけこみおだし塾』(講談社/日本図書館協会選定図書)『明日から、料理上手』(小学館)、『1週間のつくりおき』『いとしの自家製』(ぴあ)『今日の晩ごはんと、明日のおべんとう』(家の光協会)など著書多数。3分クッキング(NTV)や、あさイチ(NHK総合)をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌などでも活躍している。

職人生命をかけて作られたもの。

職人生命をかけて作られたもの。

Photo by macaroni

長崎県の観光旅館に生まれ育ち、小さい頃から板前さんが厨房に立つ姿を間近に見てきたという料理家の山脇りこさん。その環境からか、和食を支える調味料の大切さを強く感じているといいます。

「いわゆる、さしすせその基本調味料にこだわってみるだけで、日々の料理はガラッと変わります。腕前は変わらなくても(笑)、うそみたいに、グッとおいしくなりますよ」

山脇さんは1瓶、1000円の醤油を手にして、その意図をこう説明します。

「正直、ちょっと高いんじゃない?って思いますよね?でもこの醤油は、国産の大豆と小麦を使い、その地にしかない汲上げ水を使い、150年を超える木桶に仕込み、職人が毎日手を入れて、長い年月をかけて作っています。昔ながらの伝統的な方法で、木桶で仕込まれている醤油は、実は全体の1%を切っています。

蔵の中に住む菌と木桶に住む菌は、それぞれの醤油屋で違いますから、大豆、小麦、塩、水というシンプルな材料で作っていても、醤油屋ごとに味が違う。もともとは、この違いこそが、個性ある郷土料理を支えていたんですね。味見をしたら、誰にでも違いがわかります。

自分の好きな味をみつけて使うようになると、ただの冷奴もごちそうになると思うんです。それに、高いと言ってもキャミソール1枚くらい。1枚やめて、おいしい醤油買おうよ、っていつも言っています」

調味料の向こうにある職人の心意気を味わっている。そう思うと、作ることも食べることもより一層楽しくなるもの。

今回ご紹介するお気に入りの調味料は、山脇さんが作っている現場を回って、材料や、昔ながらの丁寧な作業を見て、選んだものたちです。どんなところが気に入っているのか、早速、山脇さんの調味料棚をのぞいてみることにしましょう。

1.【砂糖】ゆがふ沖縄「波照間島産 かちわり純黒糖」

1.【砂糖】ゆがふ沖縄「波照間島産 かちわり純黒糖」

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普段の料理で砂糖を使う時は主に黒砂糖を使っています。わたしは波照間産か、西表産のものを選んでいます。一味瞭然、というか、食べたら、うわ、おいしい!と思うはずです。かちわり、粉、と両方あると便利です。かちわりは、アイスピックなどで好みの大きさに。新しいものほどおいしいです。2月頃からしばらくは新ものがあるので、探してみてください。

ぶりの照り焼きや筑前炊き、角煮などに使うと、甘みだけではなくコクも加わります。精製された砂糖よりミネラル分も豊富です。どうしても、茶色の色が出ますので、色をつけたくない時は白砂糖を。プリンやパンケーキにも、コーヒーに華やかな香りをプラスしたいときにもおすすめです。

2.【塩】ソルト・ファーム「通詞島の釜炊き塩」

2.【塩】ソルト・ファーム「通詞島の釜炊き塩」

Photo by macaroni

塩は今、全国各地にがんばって作っている方が多くいらっしゃいます。旅のときに買ってみていろいろ試してみたらいいと思います。この天草の塩は、以前、天草を旅して、通詞島※で製造元の「ソルト・ファームを見学させていただき、そこで感動して以来愛用しています。きりっとした塩で、その中に甘みもあり、苦みのバランスも絶妙。料理を選ばない使い勝手のいい塩です。梅干しを漬けるときも、この塩を使っています。

これ以外にも、壱岐の藻塩と輪島の塩、フランスのゲラントと英国のマルドンを常備しています。たくさん味見して、好きな塩を2、3種類用意していると、トマトに塩だけの一皿も、表情が変わって楽しくなります。
※熊本県天草北部に位置する島。

ITEM

ソルト・ファーム「通詞島の釜炊き塩」

内容量:400g

¥1280〜 ※2018年3月14日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

3.【酢】九重雜賀「吟醸酢」

3.【酢】九重雜賀「吟醸酢」

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「九重雜賀」さんの和歌山の蔵には、これまで何度もお邪魔しています。何度うかがっても、ずらっと並ぶ木桶に感動します。こちらは、純米吟醸酒の酒粕でつくられた粕酢です(赤酢とも言います)。雜賀さんは、粕酢の原料となる酒粕をつくるために、日本酒もつくりはじめたという珍しい蔵。その原料となる米もご親族でつくられています。

酒粕を2年近く寝かせた後、木桶に仕込み、時間をかけて発酵させる=静置発酵でつくっています。この時間が、ただ酸っぱいのではなく、深い旨みのある酢をつくっていると思います。世の中には1日でつくってしまう即成酢が多いんです。静置発酵かどうか?はちょっと気にして味見してみたらいいかなと思います。

酢は苦手、っていう方にプレゼントしたら、これで酢のもの大好きになった!と言われました。オリーブオイルやごま油を加えてドレッシングにしてもおいしいです。原料として作り始めたという日本酒も、とってもおいしいですよ。

ITEM

九重雜賀「吟醸酢」

内容量:300ml

¥1240〜 ※2018年3月14日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

4.【醤油】ヤマロク醤油「鶴醤」

4.【醤油】ヤマロク醤油「鶴醤」

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「ヤマロク醤油」さんの醤油の味を知ってしまった今、もう他の商品には戻れない気がする、ってくらい、本当においしい。料理ももちろんですが、かけ醤油として特におすすめです。この醤油は、醤油で醤油を仕込む、「再仕込醤油」で、4年かけてつくられています。色、味、香りともに濃厚。まぐろや、ぶり、ステーキにもすごく合います。

小豆島の5代続く蔵で、150年を超える木桶で、仕込まれています。ヤマロクさんは木桶へのこだわりが特に強い蔵で、100年後のために新桶をご自分でつくられてもいます。醤油ってこんなに違いがあるものなんだ、とはっきりわかるので、こだわりの醤油を使ってみよう、という方の はじめの1本として、特におすすめしたいです。

ITEM

ヤマロク醤油「鶴醤」

内容量:500ml

¥2775 ※2018年3月14日時点
価格は表示された日付のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、Amazon.co.jpおよびrakuten.co.jpで正確かつ最新の情報をご確認ください。

5.【ソース】リーペリン「ウスターソース」

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macaroni編集部

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