ライター : 稲吉永恵

野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ

幽庵焼きとは

「幽庵焼き(ゆうあんやき)」とは、「幽庵地」という漬けだれに食材を漬け込んでから焼く、和食の焼き物を指します。幽庵地は、しょうゆ、酒、みりんを同じ分量で合わせ、ゆずやかぼす、すだちなどの輪切りを加える漬けだれ。主に、甘鯛や生鮭、さわら、かつおなどの魚や鶏肉を漬けて焼く料理です。柑橘の風味がよく、冷めてもおいしい焼き物ですよ。

名前の由来

幽庵焼きとは、江戸時代の茶人「北村祐庵」が考案した調理法と言われています。北村祐庵のほかに、堅田幽庵、堅田祐安、北村幽庵と表記されることもあり、北村祐庵が考えた調理法であることから「幽庵焼き」と名付けられたようです。

「幽庵焼き」と「柚庵焼き」の違い

「幽庵焼き」のほかに、「柚庵焼き」とも記載されることがあります。調理法はまったく同じで、「柚庵焼き」に使う柑橘は、ゆず。ゆずの風味が際立ちさっぱりとした仕上がりです。いっぽうで「幽庵焼き」は、ゆずやかぼす、すだちなどの柑橘を使うとされ、ほとんど違いはありません。

幽庵地から。鮭の幽庵焼きの作り方

Photo by 稲吉永恵

調理時間 20
*漬け込む時間は含みません
ゆずのさわやかな風味が上品な鮭の幽庵焼き。一見むずかしそうですが、作り方はとても簡単です。レシピではゆずを使いますが、かぼすやすだちなどお好みの柑橘を使ってOKですよ。冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにも最適です。

材料(2〜3人分)

Photo by 稲吉永恵

  • 生鮭 3切れ
  • ゆず 1個
  • 大さじ1杯
  • a. しょうゆ 大さじ2杯
  • a. 酒 大さじ2杯
  • a. みりん 大さじ2杯

焼き方のポイント

  1. 焼くときは、魚の汁気をしっかり拭いてから焼き始めましょう。
  2. フライパンで焼く場合、焦げやすく、くっついてしまうため、クッキングシートやフライパン用アルミホイルを敷いてから焼いてみてください。
  3. 強火は焦げやすいので、弱火でじっくり焼くのがコツですよ。
  4. 魚焼きグリルで焼く場合、場所によって火の強さが違うことがあります。焦げやすい部分には、アルミホイルを被せるのがおすすめ。火の当たりを防ぐと、焦げずにきれいに焼き上がります。

幽庵地の作り方

1.幽庵地を作る

バットに入った調味料にゆずの果汁を搾っている様子

Photo by 稲吉永恵

生鮭を漬け込むバットに(a)を入れて混ぜ、ゆずの果汁(半分)を搾り入れます。残り半分のゆずは輪切りにしておきます。

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