「地獄蒸し」って何?温泉でおなじみ、大分県・別府の名物料理を徹底追求

「地獄蒸し」ってご存知ですか?地獄と聞くと何やら怖いものを想像し、大王が鍋をかき混ぜているんじゃ……。いいえ、違うんです。地獄蒸しとは、天然の温泉の蒸気で蒸すヘルシー料理のこと。ここでは地獄蒸しの魅力やおいしさをご紹介していきます。

別府名物「地獄蒸し」とは?

街中に立ちこめる、白い湯けむりが印象的な別府温泉。高温の源泉による沸騰泉や噴気のことを「地獄」と呼びます。別府八湯のひとつである鉄輪温泉は、1番歴史が残る温泉です。

古くから湯治場として栄え、滞在する宿泊客は素泊まり宿(貸間)にある地獄釜で温泉の噴気を利用し、自炊を行っています。これがすなわち地獄蒸しのことですが、その歴史のはじまりは遠く江戸時代にまでさかのぼります。

鉄輪温泉内の鶴見地区に点在する、各温泉の特徴をつづった「鶴見七湯廼記(つるみしちとうのき)」という書物があります。その中に、今井地獄で地獄蒸しをする村人の絵と、「この地獄ではいつも里人の食物を蒸している」という言葉が記されているんです。

温泉の蒸気が出ている場所を少し掘り、わらのむしろを敷いた上に芋や米などを並べて蒸すワイルドな製法のことを、「地獄蒸し料理」と呼ぶようです。

地獄釜とは?

地獄釜の特徴と使い方

「地獄釜」とは、温泉からあふれ出る蒸気熱を利用して、高温で調理をする釜のことを言います。地獄蒸し料理ができる旅館やお食事処には拭きあげる蒸気のうえに、コンクリート製のかまどが設置されていて、この地獄釜を使った料理が鉄輪温泉の名物となっています。

地獄釜にかぶせられた木の蓋を開けると、ざるや鍋を置けるくぼみがあり、下から噴き上げる100℃近くの高温の蒸気で蒸す仕組みとなっています。目安として、生たまごは約6分、サツマイモは約30分で蒸しあがるんだそう。もし加熱しすぎたとしても、焦げることなく芯まで火が通るので安心です。

地獄蒸しプリンってどんなプリン?

名物の「地獄蒸しプリン」は、地獄蒸し料理と同じく温泉の蒸気で蒸しあげるプリン。別府温泉のご当地スイーツとして有名です。旅館やカフェなどでも温泉の蒸気を使って作られたものがありますが、いちばん有名なのは別府八湯のひとつ、明礬(みょうばん)温泉にある「岡本屋売店」の地獄蒸しプリンです。

新鮮なたまごと牛乳、生クリームを使って温泉の蒸気で蒸したプリンは、少し硬めなどこか懐かしさを感じさせる食感が特徴です。

昭和63年に考案されて以降、地元の人はもちろん観光客に長年愛されています。岡本屋のある明礬温泉の泉質は明礬硫黄泉。殺菌効果の高い硫黄成分を多く含んでいて、この温泉の蒸気で蒸されるプリンは防腐剤を使わず無添加で作ることができます。

プリンのおいしさはもちろんですが、注目したいのがカラメルソースのおいしさ。苦みがしっかりと効いたカラメルの味に、はじめて食べる人は驚くかもしれません。しかし、この苦みの効いたカラメルソースが、シンプルで素朴な味わいのプリンとぴったりマッチ。極上のおいしさです。

カスタードのほか、バナナ、おいも、抹茶キャラメル、コーヒー、季節商品のいちごと、充実のラインナップ。ちなみに、お値段は260円からとなっています。店内ではプリンのほかにアイスやパフェ、地獄蒸しの湯の花まんじゅうなどもいただけますよ。

地獄蒸しプリンはネットでも購入可能

別府まで足を運ばなくても、地獄蒸しプリンが食べられます。岡本屋のオンラインショップでは、プレーンのほか大分名物のかぼす、旅館オリジナルのポン酢や柚子こしょう、明礬温泉(みょうばん)の湯の花まで購入できるんですよ。湯の花を入れたお風呂で温泉気分を満喫し、湯上りに食べる地獄蒸しプリンは格別です!

いろいろな食材の地獄蒸し

素材本来の旨味が引き立つ「地獄蒸し」。おいしくいただける、さまざまな食材を使った地獄蒸しをご紹介します。ぜひ、チェックしておいてくださいね。

かぼちゃ

甘みが凝縮された、ホックホク食感がたまらないかぼちゃ。温泉の蒸気に含まれる塩分が、素材の甘味をより引き立ててくれます。甘みが強く、水分量が少ない品種がおすすめです。

豚肉

肩ロース、バラなどさまざまな部位を楽しめます。余分な脂が落ちている蒸ししゃぶは、とてもヘルシーです。もやしやきゃべつなど野菜を下に敷くと、お肉と一緒に食べられます。ポン酢やタレを付けていただいてください。ちなみに、最初のひと口は塩がおすすめ。素材の旨味を堪能できますよ。

ウインナー

子どもから大人まで大人気のウインナー。地獄蒸しにしてもGOOD。ブロッコリーやにんじんなど、彩り豊かな野菜を付け合わせにするとテーブルが華やぎます。たまご添えてワンプレート風にすれば、おしゃれな朝食に大変身。

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