連載

日々の暮らしを北欧ライクに切り取り続ける@shewhoeatsさん

おしゃれなフード写真で人気のインスタグラマーをひとり取り上げ、その写真の魅力と撮影のポイントを考える連載企画。第4回の題材は、お菓子や朝食、旅先の風景などを素敵に切り撮った写真でフォロワーを魅了し続けている@shewhoeatsさんです。

2016年7月6日 更新

プロも顔負けのクオリティ

素敵な写真を撮るインスタグラマーは大勢いますが、個人的に、この方が一番好きかもしれません。Instagramをはじめて以来、なんと3,312枚(2016年7月1日現在)もの写真を投稿し、9万8,800人のフォロワーをもつ@shewhoeatsさん。

その作品は、どれをとってもプロ顔負けのクオリティ。色合い、光の入れ方、構図づくり、小物・食材選びなど、一つひとつの要素の中に、どこか北欧的なセンスが感じられます。

まずは、@shewhoeatsさんが撮ったおしゃれで素敵な作品から、数枚を抜粋してご覧いただくことにしましょう。

日々の感動と驚きの記録

@shewhoeatsさんが被写体として選ぶのは、たとえばお菓子やその日の朝食、家の近くの風景など。いつも身近にあって、でも実は日々変化しているいろいろを、少し手を加えてコーディネイトし、レンズで切り取っています。

雪が多く降った日に撮られた上の写真は、イチゴとアイスクリーム、スパークリングワインでつくったというシャンパンフロートを撮ったもの。おいしくできたことにテンションが上がって、雪を背景に撮るアイディアを思いつき、すぐにそれを実践した、という感じでしょうか。

画としてただできがいいというだけでなく、撮影に至るまでの物語にも興味を惹かれる、とても魅力的な一枚だと思います。
こちらはグルテンフリーのケーキとチョコチップクッキー、無農薬栽培のバラで飾られた食卓を撮った写真。

ほのかなバラの香りを楽しみながら、あたたかな紅茶をヘルシーな焼き菓子と共にいただくティータイム……。優雅で落ち着いた食卓の雰囲気が伝わってくるようです。

もちろん、テーブル上のものの配置は撮影のために整えたものでしょうが、スタイリングのレベルが高いのでとても自然に見えるんですね。少し意識して眺めてみれば、各被写体の見せ方、配置が理にかなったものだとわかります。
@shewhoeatsさんの写真にはパンが多く登場します。上の写真の被写体は、にんにく、ソーセージ、ブルーチーズを使ってつくったねじりパンだとか。暗い色のアイテムを周囲に入れることで、パンの焼き目の色の強さが強調され、独特な雰囲気が生まれています。

この写真をおしゃれに見せているポイントはいくつもありますが、特に、パンの並べ方と敷きものの縁のラインを合わせているのがいいですね。この線がそろっていることが、この画のおもしろさにつながっています。

旅の記録としてのフード写真

@shewhoeatsさんは旅好きで、この記事の作成について連絡をした際も海外へお出かけ中でした。旅行の間の日記をアップするように投稿されたフード写真には、見ているだけで旅先の空気が伝わるような、印象的なものがたくさんあります。
これは、出先で買い食いしたのかな?というパンの写真。現地の味にふれるのは旅の醍醐味ですね。ふたつのパンと、芝生と木漏れ日。これだけで旅先でのゆったりとした時間の流れが十分表現されています。
こちらはカフェでの1シーンでしょうか。フムス、ほうれん草、赤ピーマン、きゅうり、たまねぎ、パプリカ、ハルーミチーズを包んだゴマクレープがおいしそうです。お店ということもあり、あまり手をかけずに撮ったものだと思いますが、その場のアイディアで丸テーブルの縁の線を生かし、ユニークな画づくりを行っています。
ふだんの生活圏とは違う場所は、@shewhoeatsさんにとっても刺激が多いのか、自宅で撮られたものよりも撮り方が多彩です。この写真もそうですが、食べ物と一緒に風景もおさめたいという意識が感じられますね。

@shewhoeatsさんの写真の特徴

旅行先で撮影されたものを含め、どの作品もとても丁寧に撮られています。よりおいしそうに見えるよう見せ方をじっくりと考えた、隙のないスタイリング。そこには@shewhoeatsさんの落ち着いた人柄が表れているような気がします。

たとえば上画像、板目がしっかり水平になっていますが、こうしたディテールの一つひとつを大事にし、整えているのは、@shewhoeatsさんの写真の特徴といえるでしょう。
よりおいしそうに撮ろうという感覚は、上の写真がわかりやすいかもしれません。そのままの果実の中に半分に割ったもの、1/4に割ったものを混ぜて、みずみずしい果肉までしっかりと見せています。シズル感を意識しつつ、果肉をクローズアップするなどの見え透いた手法とは違うアプローチをしているのがいいですね。

熟して色づいた果肉の甘い香りまで漂ってきそうな一枚です。

スペースを空ける演出

@shewhoeatsさんは、画の中に被写体をつめこまず、あえてスペースを残す手法を使うことが多くあります。上の場合、被写体を全体の左に寄せ、右側は板目をそのまま見せていますね。この写真の抜けた感じ、見ていて心地よいと思わせる雰囲気は、適度な空きをつくった構図だからこそ生まれるものです。
ブラッドオレンジとスタウト(黒ビール)を使ったケーキを撮ったこちらの写真では、なにもないスペースをつくることで、画が重くなりすぎないようバランスを取っていますね。

ケーキの上と右側を切る入れ方などはなんとなくでやっているのでしょうが、とてもよい構図だと思います。
たっぷりと砂糖をまぶしたドーナツ。この“たっぷり”の表現として、お皿の外に広めのスペースを空け、そこにも砂糖をはみ出させる演出をしています。これがまんべんなくだと明らかにやりすぎなんですが、こういう力加減が@shewhoeatsさんはとても上手いですね。

素朴さと素材感

この記事の冒頭で、@shewhoeatsさんの写真はどこか北欧的なセンスを感じるとかきましたが、その理由のひとつがこれではないかと思います。

北欧由来のインテリアや雑貨の特徴は、素材を生かし、自然のモチーフを取り入れている点ですが、@shewhoeatsさんの作品には、それと同質のぬくもりを感じます。

理由はいくつもありますが、たとえば、飾り気のない素朴な料理を多く被写体としている点。また、華美なアイテムを排除し、カッティングボードやテーブルの木目、自然素材のキッチンファブリックの質感を生かしている点も注目したいところです。

加えて、やや青みがかった画の色合い、輪郭を強く浮き彫りにするハイコントラストな仕上げも、@shewhoeatsさんの写真を北欧ライクに見せている要因のひとつといえます。

特集

SPECIAL CONTENTS

WRITER

uematutoshio

カテゴリー

CATEGORY

ランキング

RANKING

毎日更新!SNSで逃さずチェックしよう