ライター : 島本美由紀

旅する料理研究家

パクチーブームが止まらない!

このところパクチーブームがますます勢いを増しています。 パクチーが存分に味わえるパクチー専門店の相次ぐオープンに加え、パクチーを使ったドレッシングやスープ、インスタント麺にポテトチップスなど、パクチー好きにはたまらない魅力的な商品の数々が販売されるようになりました。 この先も、パクチーブームは止まらない。そんな予感がします。 東南アジア料理を得意とする料理研究家・島本美由紀が、そんなパクチーの魅力をたっぷり伝えていきたいと思います!

そもそもパクチーって何?

パクチーとは、セリ科の1年草のこと。ハーブ・香辛野菜として、世界各地で栽培されている食材のひとつです。 日本ではパクチーという名前が一般的ですが、国によって名前が異なり、アメリカでは「コリアンダー」、中国では「香菜(シャンツァイ)」などとも呼ばれており、私たちに馴染みのある「パクチー」という名前はタイ語です。 日本でもパクチーではなく、コリアンダーや香菜という名前で売られていることがあります。

好き嫌いが分かれる食材

パクチーはその独特な香りから、好きな人は大好きだけど、嫌いな人はとにかくダメ!といった、好き嫌いがはっきりしている食材です。 パクチーが苦手な人にとっては、カメムシのにおいがすると感じるようですが、それもそのはず。実は、コリアンダーの語源は、古代ギリシャ語でカメムシを意味する「koriannon」。その独特な香りが、カメムシのにおいに似ていることが語源となっているのです。 そのため、日本でも別名「カメムシ草」と呼ばれているんですよ。

世界中でメジャーな食材のひとつ

パクチーの歴史は古く、地中海原産のため古代ギリシャはもちろん、古代エジプトや古代ローマでも、古くから薬草として重宝されてきました。いまでは東南アジアの料理、中華料理、インド料理、メキシコ料理など、食用として世界中で使われるように。 日本では近年までパクチーを家庭料理に使うことがなかったので、海外旅行やエスニックレストランでパクチーの存在を知った人も多いようですが、実は昔から意外なところで使われていたのです。 それは、私たちの大好きなカレー。カレーのスパイスには、コリアンダーシード(パクチーの種子)が使われており、日本でもずっと以前からおなじみの食材だったんですよ。

とってもすごい!パクチーの栄養と効能

パクチーは近年、きれいになれる食材として女性から絶大な支持を集めています。 その秘密は、パクチーに含まれている豊富なビタミンと栄養価なんです。

美肌の秘密は豊富なビタミン

パクチーには、ビタミンB1、B2、C、 Eと、体内でビタミンAに変わる、β(ベータ)カロテンが豊富に含まれています。免疫力を高め、体を疲れにくくし、肌をきれいにしてくれる栄養素です。つまり、パクチーは食べるだけでどんどんきれいになれちゃう魔法のような食材なのです。 ただし、ビタミン類は加熱すると栄養価が低くなってしまうので、調理には注意が必要。例えば、パクチーに含まれているビタミンCは水溶性なので、加熱すると水に流れ出てしまいます。美容のためにパクチー摂取を考えるなら、加熱せずに生で食べることが一番です! まずは、いろいろな料理にトッピングをして、その独特の香りを楽しみながら味わってみてください。
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