macaroniカメラマンが教える「シズル感」溢れる写真の撮り方

食べ物の写真を撮る人なら一度は聞いたことのある「シズル感」ということば。ひと口に「シズル」と言っても、お肉やソースだけではないんです。そんなシズル感溢れる写真の撮り方を、macaroniカメラマンたちに教わりました。夜中に見るときは自己責任でお願いしますね。

2020年3月31日 更新

ライター : yuyuknight

占い師

北海道在住の占い師。食道楽が高じて記事書くようになりました。(笑)手作りパンにハマっています。

料理をよりおいしそうに見せる「シズル感」

ツヤツヤの照りと香ばしい焼き目が食欲をそそる、牛タンの薄切り肉……これから始まるおいしい時間を想像させる、臨場感に満ちたこの一枚はまさに「シズル感」がある画像です!あれ?でも実際、「シズル感」ってどういう意味なんだろう?

疑問に思ったら即解決!詳しくご説明していきます。後半では、macaroni編集部で日々フード撮影と向き合うカメラマンたちに、シズル撮影の極意を教わりました。実例を交えながら、シズル感の出し方を学んでみてくださいね。

シズル感とは?

「シズル感」の意味とは?

「シズル感」はもともと、広告業界から広まった言葉。

広義では「購買意欲をそそる商品の魅力や特徴、またはセールスポイント」、狭義ではジューシーさやできたて感など匂いや音が伝わりそうな、思わず食欲が刺激される臨場感がある演出」です。「演出」であるため、写真や動画に限らず、目の前で焼かれている実演販売や、音や匂いも含まれるところがポイント。

InstagramなどSNSで使われてる「シズル感」は、狭義の意味で使われることが多く、さまざまなユーザーがそれぞれ自分が思う「シズル感」を演出して写真や動画を投稿しています。

「シズル感」の語源

「シズル感」の「シズル」は英単語のsizzle、「肉がジュージュー焼ける音や、肉汁が滴るような状態」からきています。

この言葉が広がったのは、経営コンサルタント エルマー・ホイラーの著書 『ステーキを売るな、シズルを売れ(Don't Sell The Steak-Sell The Sizzle)』という本がきっかけです。日本の広告会社のクリエイターたちが使い始め、広く一般に知られることとなりました。

ここから転じて現在では、お肉に限らず匂いや音といった臨場感の伝わるビジュアルのことを差して「シズル感がある」という表現を使います。

macaroniカメラマンが教える!シズルカットの撮り方

SNSで発信を欠かさない人たちにとって、一番気になるのは“シズルカット”の撮り方なはず。そんなシズルカットのコツを、macaroniカメラマン さねやんに聞いてみました!

見るだけでお腹がなるようなカットから、食べたときの記憶がふっとよみがえるような一枚まで、フード撮影のコツを6つご覧ください。

光の向きを意識して、伝えたいものを切り取って

Photo by macaroni編集部 さねやん

『食べ物のディティールがよく見えるように、また、ドラマチックな画になるように逆光メインで撮影。露出を開放気味にすることで、ふわっとした雰囲気で女性らしくなり、見た人の視線が一点に集中する効果を狙っています。』

Photo by macaroni編集部 さねやん

『いつでも「何を伝えたいか」ということを意識するのが大きなポイント。

このときは桜の木の下で感じる春のうららかさや、お弁当を作る楽しさ、お弁当を開けた人が喜ぶ瞬間を想像して撮りました。』
▼こちらの企画で撮影しました!

ツヤ感ある食べ物には照明を当てるのもアリ!

Photo by macaroni編集部 さねやん

『うな重のおいしさといえば、コクのあるこってりとした脂と、たれが染み込んだふっくらとしたごはん。自然光で撮影するのが手っ取り早くて好きですが、このときばかりはツヤッツヤにしたかったのでLEDのライトを併用して、コントラストの高いパキッとした写真に仕上げました。

その分手前が暗くなりがちなので、手元からレフ板でおこして全体の明るさを調整。とろけるような舌触りが伝わるように念じて撮りました。』

被写体の向きを変えてみる

Photo by macaroni編集部 さねやん

『こちらも逆光を活かした写真。京都の和菓子屋さんで一目惚れして購入した桜のゼリーなのですが、キラキラ感を最大限引き出そう、と思いながら撮影しました。

基本的にめんどくさがりなので(笑)、毎回なるべくレタッチしないでも成立するように食べ物の寿命が持つ限りカメラの前で粘ります。お皿を回転させてゼリーの角度を調整しながら、思った場所にキラキラが来るように、でも桜はちゃんと見えるように工夫しました。』

構図とバランスで臨場感を演出

Photo by macaroni編集部 さねやん

『ごくたまに、私が作ったお菓子を編集ディレクターとコラボして作品撮影をしています。

ただ置いてきれいに撮るのもひとつのテクニックですが、はっと目に留まるフードの写真って「きれい」よりも「おいしそう」な写真のはず。食べかけのケーキだけど、バランスよく崩して、バランスよく配置することで、見た人が今まさに本当に食べているかのような感覚に陥る構図やシーンに設定しています。』

渾身の一枚には、何度もシャッターを切る

Photo by macaroni編集部 さねやん

『2019年にmacaroniも出店したイベント「世田谷パンまつり」のとき、ブックレットの表紙を飾った写真です。盟友でもあるディレクターと作り上げた渾身の一枚。

「いますぐパン食べたい!」「パン買って帰ろう!」そんな気持ちが掻き立てられるように、パンの焼き方、焼き具合、蜂蜜のかかり方、バターの形や溶け具合など写ってるものすべてを計算して撮影しました。理想の形になるまで何度もトライ。撮影後はリアルパンまつりになったのは言うまでもありません。』

シズル感ある写真で、ごはんの思い出も切り取って

たくさんあるmacaroniフォトのなかから、シズルカットに絞ってお届けしました。

おいしいものが大好きな筆者としては、紹介できないのが悔やまれる写真がいくつも……。シズル感に溢れる写真を見返すと、食べたときの記憶やその場の空気が思い起こされます。皆さんもぜひ写真を通して食の楽しさを見つけてみてくださいね。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出は控えましょう。食料品等の買い物の際は、人との距離を十分に空け、感染予防を心がけてください。
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