ライター : Raico

製菓衛生師 / スイーツ&フードアナリスト / フードライター

「コンポート」とは?

コンポートとは、果物を丸ごとまたはカットして薄い砂糖水や水で煮て作る、ヨーロッパの伝統的な保存方法です。コンポートにすることで果物本来のフレッシュさは活かしつつ、軽やかな甘味や酸味が楽しめます。甘味の少ない果物でも、コンポートにするとおいしく食べることが可能です。

コンポートの語源

compote(コンポート)の語源は、混ぜ合わせるという意味の「composte」というフランス語からきており、「ともに」という意味の「com」と、「置く」という意味の「pote」を組み合わせてできた言葉です。コンポートは果物と砂糖を一緒に煮込んで作ることから、そう呼ばれます。

またフランス語のコンポートには、「煮込む」という意味のほか、「煮崩れるまで火を通したもの」という意味も。そのためコンポートには果物の形を崩さないタイプと、形が崩れるまで煮るタイプがあります。

コンポートの使い方

コンポートは糖度が低いため、そのまま食べるほかヨーグルトやアイスクリームに添えて食べられます。ケーキやタルトといった、お菓子作りの材料に使うことも。また料理の付け合わせやドレッシング、ソースにも使われ、りんごや野菜のコンポートは肉料理に添えられることもあります。

コンポートの日持ち

素材感が残るコンポートは、砂糖の量が少なく道度が低いため、長期間保存するのには向いていません。シロップごと保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、4~5日以内に食べ切るようにしましょう。

コンポートとジャムの違いは砂糖の割合

ジャムとの違いは、煮るときに使う砂糖の量と、保存できる期間。大量の砂糖を使って煮詰めたジャムは比較的に長期保存が可能。一方、コンポートは薄い砂糖水で煮るだけなので、長期保存より数週間程度の甘味として楽しむ調理法なのです。

また、コンポートはジャムとくらべて素材の味をいかした味わいです。よりお菓子に季節感を与えてくれるのがコンポートと言えるでしょう。

「野菜や肉の煮込み料理」の意味で使われることも

ちなみにお肉をワイン煮にしたり、野菜をコンソメ煮にする事も「コンポート」という場合があります。ただ、フランス料理のなかでしか使われない言葉なので、一般的には “砂糖煮” の意味で使われることが多いです。

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