ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

生ビールとは

ビールの分類方法もいろいろありますが、そのうちのひとつに、生ビールと生ビールでないもの、という分類があります。その違いは製造方法。生ビールとは、加熱処理(パストリゼーション)をせずに作られるビールのことです。居酒屋やバーなどで提供されるビールが生!と思いがちですが、缶や瓶、樽に入っているものも、ほとんどが生ビールなんですよ。

製造方法で変わるビールの種類

どのビールも主原料に大麦、ホップ、水が使われていますが、製造方法によって、生ビール、ビールに分けられます。

生ビールの製造方法

1. 麦芽に温水を混ぜたものを一定時間置く
(〜麦芽の持つ酵素が働きもろみに変化する〜)
2. ろ過したもろみにホップを加え、煮沸し麦汁を作る
3. 麦汁に酵母を加え、一週間ほど置き発酵させる
4. アルコールと炭酸ガスに分解されたビールをさらに熟成させる
5. ろ過したあと、容器に注入

1960年代頃までは発酵をストップさせ、酵母を取り除くために加熱処理が必要でしたが、その後製造技術が向上。熱処理の代わりにろ過するだけで、おいしい生ビールを味わえるようになったのです。

生ビールとそのほかのビールの見分け方

加熱処理されたビールも、生ビールと同じように陳列販売されています。生ビールとそのほかのビールを見分ける方法は、缶や瓶に「熱処理していない」「非熱処理」の記載があるかないか。この表示がなければ「生」「ドラフト」と表記してはいけないことになっているのです。

ちなみに「ドラフト」も生ビールと同じ意味。生ビールを樽から汲む、ということで使われていますが、これは日本独自の言い方なので、覚えておきましょう。

おいしい生ビールの特徴

鮮度

「生」とうたっているだけに、生ビールをおいしく味わうためには鮮度も重要。缶や瓶の生ビールを購入する際は、できるだけ鮮度がよい、賞味期限が長いものを選びましょう。商品回転率が高いお店での購入がおすすめです。また、ビールの販売数が多い居酒屋、バーなども回転率が高いため、新鮮なビールを味わえる可能性が高まります。
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