ライター : ☆ゴン

中国発祥の食べ物「ピータン」とは?

中華料理に登場する「ピータン(皮蛋)」。黒い卵として知られていますが、はじめて見たときはびっくりした人も多いのではないでしょうか。黒くて少し透明がかったコーヒーゼリーのような外側、グレーに近い黄身、そして独特の匂いが特徴。

ピータンは苦手だという人も結構いて、好き嫌いがはっきり分かれます。 しかし、食べ方によってはおいしい珍味なのです。そんなピータンの正体から黒い理由、由来、歴史、作り方、食べ方までをまとめて解説。あわせて、ピータンと同じ卵で作るいろんな珍味を紹介します。

ピータンとは何?

ピータンとは、塩や草木灰、水、土を混ぜた泥でアヒルの卵を包み、発酵させた中国の食品です。うずら卵で作る場合もあり、いまはアヒルの卵の代わりに、鶏卵で作ることが多いようです。

ピータンの特徴

一番の特徴はやはり見た目ですね。黒い(厳密には茶色)ゼリー状の部分が白身で、中心のグレー色の部分が黄身に該当。白身の表面にアミノ酸の結晶によって、松葉や菊の花のような紋様がつくことがあります。

松葉の紋様から「松花皮蛋(しょうかピータン)」、菊の花紋様は「菊花皮蛋」と呼ばれることも。これらの紋様がついたピータンは、ときに高級品として扱われることがあるそうです。英語では100年たった古い卵という意味で、センチュリーエッグ(century egg)と呼ばれます。

そんなピータンは、中国や台湾ではスーパーで購入できる一般的な食品。発酵食品なので保存が効き、使いやすい食材として普及しています。 日本の納豆やくさやの干物といったところでしょうか。日本では中華食材を扱うお店だけでなく、最近ではスーパーでも見かけるようになりました。

どんな味?

ピータンはアンモニア臭があるため、くさいから嫌いという人が多いのも確か。味覚の面では、全体的にコクと旨味のある味わいで、ほのかに塩味がついています。中の黄身が硬いものと、とろりとやわらかいものの2種類に大別。

食べ慣れたらやみつきになる味であることは間違いありません。匂いが苦手な人は、殻をむいてしばらく放置するか冷蔵庫で冷やすと、くさみが薄くなるそうですよ。

どうやって作られているの?

すでに紹介したように、塩や草木灰、水、土を混ぜた泥でアヒルの卵を包みます。さらにもみがらをまぶして、土中やかめの中で1ヶ月以上貯蔵するのです。地域やメーカーによっては、炭酸ナトリウム、消石灰などを使用することもあるとのこと。

時間経過とともに、泥の中のアルカリ成分が徐々に内部に浸透して、卵のたんぱく質が変成し黒い色になるといわれています。

食べられるようになった理由と歴史

ピータン発祥の歴史については、唐の時代や明の時代など諸説あり、本当のところは定かではありません。

また明の時代に、アヒルの卵を灰の中に置き忘れてしまい、2ヶ月後に発見された卵が熟成していた。という説がまことしやかに語られていますが、あくまで俗説に過ぎないようで、由来や時代背景などは不明のままです。

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