ライター : mau_naka

調理師 / 漢方コーディネーター / 発酵食品マイスター

粗熱の意味・読み方

粗熱とは、「加熱料理した直後の食材が含んでいる熱」「火からおろしてすぐの、手では触れない程の熱さ」のことを指します。読み方は「粗熱」(あらねつ)です。

粗熱のとり方

粗熱をとるとは、完全に冷まさず、指でさわってやや温かく感じる程度まで冷ますことを指します。ただ熱をとるだけではなく、あとの調理工程のための準備となりますよ。

パンやケーキなどは粗熱をとることできめを細かくし、食感と味をよく仕上げます。また、生クリームやチョコレートなどでデコレーションするときに、パンやケーキの生地が熱いままだと溶けてしまうので、粗熱をとる意味もありますよ。

急いで粗熱をとりたい場合は、鍋やフライパンの底を氷を入れた冷水につけたり、濡らした布巾の上に置くのがおすすめ。カレーやシチューなどは、木べらなどで混ぜながら冷ますと効率よく粗熱がとれます。

余熱で火が通ってしまうのを避けたいものは、ザルやボウルにあげて、うちわであおぐのも効果的です。また、ケーキやパンは型から出して網の上で冷ましましょう。

粗熱をとるメリット

粗熱をとるのと、とらない場合とでは、さまざまな違いが出てきますよ。続いては、粗熱をとる意味についてご紹介します。

皮が剥きやすくなる

里芋やじゃがいもは、粗熱をとることで簡単に皮が剥けます。例えば里芋は買って来てすぐに、包丁やピーラーなどで皮を剥くこともできますが、ゆでて粗熱をとったあとは手で簡単に皮が剥けます。

また、じゃがいもは電子レンジや熱湯で芯まで加熱したあと、粗熱をとりましょう簡単に皮を剥くことができますよ

味や香りが残りやすくなる

風味を損なわないように粗熱をとってから味付けをする場合もあります。じゃがいも料理や、青菜のお浸しは、熱すぎるところに味付けをしても染み込まないので、粗熱をとったあとに調味するほうがよいです。

また、スパイスは熱を加えることで香りを立たせますが、熱を加えすぎると空気中に香りが飛んでしまいます。

ガラムマサラやパウダースパイスなど、種類によっては粗熱をとってから加えるほうが、より風味を残した仕上がりとなるものがありますよ。

水滴をつけないため

粗熱をとるのは、調理した食材を湿気から守る目的もあります。

加熱したあと、粗熱をとらないまま、熱いうちにフタをしたり容器に移してフタをしてしまうと、容器内に湯気がこもり、水滴ができます。

余分な水分が料理に入って本来の味を損なうだけでなく、食材にカビが生えたり、早く傷んでしまう原因にもなります。せっかくのおいしい料理をダメにしてしまわないためにも、粗熱をとることは大切です。

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