ライター : 小澤真理

コピーライター

お料理の基本「さしすせそ」

料理の基本といわれる「さしすせそ」。みなさんは、「さしすせそ」について説明できますか?調味料の頭文字を取っている、ということはなんとなく知っているけれど、具体的に何なのかは知らないと言う方もいるのではないでしょうか。

この「さしすせそ」は、和食を味付けをするときに入れる調味料の順番を覚えるための語呂合わせなのです。「さしすせそ」それぞれの意味と使い方についてご説明します。

お料理の「さしすせそ」とは

「さしすせそ」の意味

それではまず、「さしすせそ」が具体的に何の調味料を指すのか見てみましょう。 「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」そのまま酢、「せ」醤油(せうゆ)のせ、「そ」は味噌のそになります。「そ」意外は各調味料の頭文字を取っているので、覚えやすいのではないでしょうか。「し」は「醤油」ではなく「塩」なので、間違わないようにしてくださいね。

「さしすせそ」の順番

  1. 「さしすせそ」は調味料の順番を覚えるための語呂合わせ。
  2. さ(=砂糖)→し(=塩)→す(=酢)、せ(=醤油)、そ(=味噌)の順番で味付けする。

砂糖を一番初めに入れた方がいいの?

「さしすせそ」の順番を守ろうとすると、砂糖が一番先に使う調味料になるわけですが、砂糖を一番はじめに入れなかったら、おいしくならないのでしょうか?順番の意味や、順番を変えた場合についてお話しします。

塩よりも砂糖が先の理由

砂糖をほかの調味料よりも先に入れるのには理由があります。甘味は、なかなか食材に浸透しにくいため、ほかの調味料よりも先に入れて味をつけるのが理由です。また、塩や醤油のような塩分のある調味料を先に入れてしまうと、そのあとに入れる甘味が食材に染み込みにくくなってしまいます

次に、2番目に塩を入れる理由について。塩は浸透圧が高く食材から水分を引き出す力があるため、味付けの始めの方で入れる方が好ましいとされているのです。塩のあとに入れるとされる酢は、ほかの味が食材に染みるのを防いでしまう働きがあります。また、酢は早い段階で入れて加熱しすぎてしまうとせっかくの酸味が飛んでしまうため、なるべく味付けは後半におこなう方がよいのです。

そして、味に加えて風味付けの目的もある醤油や味噌は、長時間火にかけると風味が損なわれてしまうため、料理の仕上げの際に入れるのがよいとされています。このように「さしすせそ」は、それぞれの調味料の特徴を生かした順番になっているのですね。

順番通りじゃなくても大丈夫

「さしすせそ」の順番の意味を説明しましたが、この順番は基本としてあり、もちろん説明したように意味もあります。しかし、この順番を守らないと、料理がまずくなってしまうというわけではありません。

料理によっては、塩分で下味を付けたあとに煮込むものもあるため、料理やそれぞれの味付けの目的に合わせて順番を変えてよいでしょう。

先に酢を入れて魚の臭み取り除くといった、順序通りではないこともあります。また、あとから味の調整ができるよう、最初に入れる砂糖や塩は少なめして、徐々に味を濃くしたり仕上げに微調整したりして、味を調えるのもよいですよ。

「お酒」・「みりん」の順番

料理酒やみりんは、和食には欠かせない調味料ですが、「さしすせそ」のなかにはありません。お酒やみりんを料理に加えたいときは、どのタイミングで加えるのがよいのでしょう。

お酒やみりんには、臭み消しや食材の味付けをしやすくする作用があります。「さしすせそ」の一番最初にくる砂糖よりも先に入れることで、甘味も染みこみやすくなるでしょう。

ちなみに本みりんとよく似た調味料で「みりん風調味料」というものがあります。みりん風調味料と本みりんの違いは、アルコール成分量と糖分量の差です。みりん風調味料はアルコール成分がほぼ入っておらず、本みりんより糖分が多いという特徴があります。

そのため、照りや艶を出すのには向いているけれど、臭い消しなどには向きません。本みりんは最初に入れるほうがよいですが、みりん風調味料は仕上げに入れるのがベターです。
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