ライター : ☆ゴン

ハッシュドビーフとハヤシライスの違い

料理名特徴
ハッシュドビーフデミグラスソースがベース
ハヤシライストマトソースがベース
ビーフストロガノフデミグラスソースにサワークリームを合わせる
ハッシュドビーフとハヤシライスの違いは、と聞かれたら答えられますか?なんとなく知っているようで知らない、ふたつの料理の違いを解説します。あわせて、よく似ているビーフストロガノフのことも紹介。この記事を見たら、あなたもきっと洋食通になれるはずですよ。

ハッシュドビーフとは

Photo by macaroni

ハッシュ(hash)とは英語で薄切り、または細かく切るという意味です。そういうことから、ハッシュドビーフ(hashed beef)を直訳すると「薄切りされた牛肉」。

日本では薄切りした牛肉や玉ねぎなどを、デミグラスソースで煮込んで、ライスにかける料理のことを指します。日本ではといっても、外国にこのような料理があるわけではなく、日本で独自に発展した和製洋食です。

明治時代にはすでに日本にあったとされ、それを外国人シェフや居留外国人が、そう呼んでいたのかもしれません。一方、ごはんにかけたハッシュドビーフライスが、ハヤシライスの語源だとする説もあります。

ハヤシライスとは

Photo by macaroni

ハッシュドビーフが、デミグラスソースをベースにするのに対して、ハヤシライスはトマトソースで煮込むもの。そのため、ソースに違いがあると言う人もいます。

しかしこれは、大手食品メーカーが販売しているルーが、トマト風味なだけのこと。昔ながらの洋食店ではいまでも、デミグラスソースのハヤシライスを提供しています。これらのことから、どちらも同じ料理と考えるほうが自然ではないでしょうか。

人の名前が由来だとする説がある

ハヤシライスは、人の名前が由来とする説がふたつあります。ひとつは上野精養軒にいた、林さんというシェフが作ったメニューだとする説です。もうひとつは丸善ジュンク堂書店の創始者、早矢仕有的氏が考案したとする説で、どちらも元祖を主張。

すでに紹介した、ハッシュドビーフライスがなまったものという説もあり、本当のところは定かではありません。ちなみに食品メーカーでは、ふたつの料理の違いに明確な答えはないと、公式HPで表明しています。

ビーフストロガノフとは

Photo by macaroni

ハッシュドビーフやハヤシライスによく似た料理に、ビーフストロガノフがあります。見た目だけでなく、味も似ていると思ったことのある人が多いはず。それもそのはずで、こちらも牛肉や野菜の薄切りを、デミグラスソースで煮込んで作ります。

明確な違いは、最後の仕上げにサワークリームをかけることです。生クリームをかけるお店もありますが、サワークリームを使うのが本来のレシピ。この料理が生まれた年代や、発祥についても諸説ありますが、ロシアの牛肉料理であることは間違いありません。

ハヤシライスの歴史を知るだけで味わいも違う

ハッシュドビーフとハヤシライスの違い、ビーフストロガノフについて簡単に紹介しました。どうやらふたつの料理の違いには、はっきりした答えはなく、むしろ同じ料理だとする意見が多いようです。

料理の発祥や由来を知るだけでも、味わいやおいしさが変わってくるもの。そんなことに想いをはせながら、ハヤシライスをじっくり味わってみてください。
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