ライター : かやのゆみこ

イタリアソムリエ協会認定オリーブオイルソムリエ / 記者 / WEBライター

生後100日におこなう「お食い初め」

お食い初め(おくいぞめ)とは、赤ちゃんの生後100日頃におこなわれるお祝いの儀式。「一生食べるものに困らないように」との願いを込めて、ごはん(赤飯)と一汁三菜(お吸い物、焼き魚、煮物、香の物)のお祝い膳を用意します。

この時期の赤ちゃんは、まだ料理を食べることはできません。家族や身内から「養い親」役を決め、養い親が箸で料理を赤ちゃんの口に近づけて、食べさせる真似だけをします。

平安時代までさかのぼるといわれる、お食い初めの歴史。日本古来の習慣を受け継ぎ、赤ちゃんの生後100日という節目を心を込めてお祝いしたいものです。

養い親とは

長寿にあやかるという意味から、養い親は身内のなかで赤ちゃんと同性の最年長者が務めるのが一般的。祖父母に頼むケースが多いですが、父母が務めてももちろんOKです。

料理を食べさせる順番

お食い初めでは、料理を食べさせる順番があります。地域によっても違いはありますが、基本の流れは赤飯→お吸い物→赤飯→焼き魚→赤飯→お吸い物の順。この流れを3回繰り返します。

お食い初めで用意する料理と意味

お食い初めのお祝い膳には、尾頭付きの鯛、赤飯、煮物、お吸い物、香の物(こうのもの)をそろえるのが基本です。それぞれの料理に込められた意味をご紹介します。

尾頭付きの鯛

「めでたい」の語呂合わせから、鯛は古くから縁起がよい魚とされてきました。鯛の赤い色は邪気を祓うともいわれます。尾頭付きにする理由は、「首尾一貫(初めから終わりまで変わらず同じであること)」にちなみ、赤ちゃんの健やかな成長と長寿を願うためです。

赤飯

Photo by macaroni

お祝い事で振る舞われる料理に、赤飯は欠かせません。赤飯の赤い色は邪気を祓うとともに、魔よけの意味があるとされています。お食い初めに用意することで、赤ちゃんが病気や災難に遭うことなく、この先も健やかに成長してほしいという願いが込められているのです。

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