ライター : ☆ゴン

ローリエはローレル?

ハーブやスパイスは、煮込み料理に欠かせない調味料のひとつです。具体的にどんな効果があるのかよくわからなくても、それらを入れることで風味や旨味が増すことは誰もがご存じのはず。なかでもローリエは、いろんな料理に活躍するうえ、ハーブティーにもなる優れものです。

煮込み料理のレシピを探しているとき、ローリエだけでなく、ローレルという名のハーブを見たことがありませんか。どちらも似たような発音で、似たような使い方をしていますよね。これは同じものなのでしょうか?それともまったく別のスパイス?

この記事では、「ローリエ」と「ローレル」はなにがどう違うのかを、少し掘り下げて検証してみました。ちょっとした豆知識としてご覧になってください。

ふたつのハーブは同じもの

ローリエとローレル、月桂樹

ローリエとローレルは、じつは同じハーブで呼び方が違うだけ。ローリエ(laurier)はフランス語、ローレル(laurel)は英語またはスペイン語表記です。名の由来は、ラテン語の「誉める(laudare)」だとされます。ではなぜ、誉めるという言葉が元になったのでしょうか?

話はそれますが、ローリエとローレルは日本語で月桂樹のこと。ハーブやスパイスの世界では、とくに月桂樹の葉を指します。月桂樹は、古代から地中海沿岸で栽培されてきたクスノキ科の常緑高木。ギリシャ神話に登場する、芸術の神「アポロン」の聖樹として有名です。

そのため古代ギリシャ時代には、文化芸術に優れた者の栄誉を称え、月桂樹で作った月桂冠を贈ったのだとか。そこから月桂樹に誉めるという名がつけられるのです。いまでもノーベル賞受賞者には月桂冠が贈られます。ちなみに、オリンピックの勝者に贈られるのはオリーブの木の冠です。

ローリエは香りが命

ローリエの特徴は、なんといってもその香りです。ほのかに甘く、すっきりとさわやかな香りが持ち味。その正体は、葉に含まれる精油成分です。主成分であるシオネールをはじめ、オイゲノール やメチルオイゲノール 、ゲラニオールなどが含まれています。

若葉のほうが精油成分が多いため、市販品は若葉を乾燥させたものがほとんど。生の葉でも使えますが、アクや苦味、青くささがあるので、やはり乾燥させたものがおすすめです。古くなると香りが少なくなるため、できるだけ新しい葉を使ってください。(※1)

ローリエの効果や役割

市販のローリエには、乾燥させた葉とパウダータイプがあります。乾燥葉を使うときは、切れ目を入れたり葉を折ったりすると、香り成分が染みだしやすいです。パウダータイプはそのまま肉にまぶして焼いたり、魚にまぶしてマリネしたりと、いろんな使い方ができて便利。

ローリエには香りづけだけではなく、肉や魚などのくさみを消す効果があります。そのためポトフやシチューなどの煮込み料理だけでなく、ひき肉の炒め物や肉入りの野菜炒めにもおすすめ。葉は長く加熱すると苦味が出るので、煮込む場合は早めに取り出すようにしましょう。

ほかのスパイスと組み合わせることも多い

ローリエを料理に使うと、漢方薬のようなにおいがするので苦手、という人も多いはず。そんな人には、ローリエをほかのハーブやスパイスと組み合わせることをおすすめします。

ブレンドすることで、それぞれの香りと風味が相まって薬くささが薄くなる、「ブレンド効果」が期待できるからです。ここでは有名なブレンドスパイスを2種類紹介します。

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