ライター : kinako

チューチューアイスって知ってる?

半分にぽきっと割ってふたりで分けたり、半分に割らずにそのままひとりで食べきったり、懐かしいと感じる人も多い「チューチューアイス」。カラフルな色合いを見ているだけでも楽しいですよね。
けれども周りの人に、「チューチューアイス知ってる?」とい聞くと、「そうだね」と返事をしてくれる人はどれくらいいるでしょうか。じつは「チューチューアイス」は標準語ではないのです。
「ポキッと折ってチューチュー吸う冷菓」という認識は一致しているのに、呼び名がちがう「チューチューアイス」。全国ではさまざまな名前で呼ばれています。

チューチューアイスの正体は

語源は前田産業の「チューペット」が有力

誰もが知っているのに、いろいろな呼び名がある「チューチューアイス」。多くのメーカーが販売している人気商品ですが、「チューチューアイス」の語源となったのは、前田産業の「チューペット」のようです。
1975年に誕生した「チューペット」は、氷菓ではなく、清涼飲料水として販売されていました。清涼飲料水なのにアイスとして食べられるようになったのは、1950年に清涼飲料水に物品税が課税されるという話があり、駄菓子屋が「チューペット」を凍らせ、アイスキャンデーとして販売したことに始まります。結局、物品税は導入されませんでしたが、アイスキャンデーとして広く伝わることになりました。
さらに、「チューペット」のくびれの部分をポキッと割って食べる方法も、消費者が始めたことのようです。生産者、前田産業の意図しないところで、「チューペット」は全国に広がっていきました
残念ながら2009年9月に販売が終了してしまいましたが「チューチューアイス」の「チューペット」という呼び名は現在も残っています。

「チューチューアイス」は類似品が多い

前田産業の「チューペット」は関東、東海、関西地区でしか販売されていませんでしたが、テレビコマーシャルが流れたこともあり、「チューペット」の名は全国的に知名度が高くなったようです。
「棒アイス」、「チューペット」が人気になるにつれ、類似品も多く販売されるようになりました。「チューペット」販売終了あとも、さまざまな形と味の「チューチューアイス」が販売されています。「チューペット」のように、ソーセージをふたつつなげたような形のものから、くびれのない棒タイプ、くるくるとねじってある形などがあります。味もおなじみの果汁入り、ソーダ味のほか、シークヮーサーやサトウキビ味も!果汁100%で砂糖不使用、無添加といった商品も販売されています。

「チューチューアイス」は方言?正式名称はなに?

呼び名で出身地がわかる、という話があるほど、さまざまな呼び名がある「チューチューアイス」。全国的に「チューペット」と呼ばれることが多く、「チューペット」はどこに行っても通用する標準語となっているようです。
「チューペット」の呼び名の次に多いのが、「チューチュー」「チューチュー棒」。アルプス製菓でつくられた「チューチューアイス」の製品名が「チューチュー」、ということも関係しているようですが、この呼び名は関東や中部地方で多くつかわれており、関西や九州の一部でも知られているようです。
「チューペット」と「チューチュー」、どちらも名前のあたまにチューがついています。製品が各地に広がるにつれ、さまざまな呼び名に変化していったのかもしれません。

呼び名が多い中部地方

全国各地でさまざまな呼ばれ方をしている「チューチューアイス」ですが、いろいろな名前で呼んでいるのが中部地方です。
▼愛知での主な呼び名
 「チューチュー」  「チューチュー棒」  「ポッキン」  「ポッキンアイス」  「棒ジュース」  「チュッチュ」  「チュッチュ棒」  「パッキンアイス」  「棒アイス」  「コンコンジュース」
似たような呼び名ですが、ちょっとずつちがいがあります。
▼岐阜での主な呼び名
 「チューチュー」  「チューチュー棒」  「カンカン棒」  「ポキニコ」
「カンカン」といのは岐阜の方言で、「硬い」をいう意味を持っているとのこと。「ポキニコは」、ポキっと折って2個になることからきているようです。
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