ライター : 堀田 らいむ

webライター

うまい棒の利益ってあるの?

たくさんの種類が出ているうまい棒。子供のころから、その安さから子供でも手が届くお菓子として、不動の人気を誇っていますね。1979年の発売当初から10円という値段を保ちながら、豊富な種類で子供から大人までを楽しませてくれている国民的お菓子うまい棒。ですが、この安さ、うまい棒は本当に利益が出ているのでしょうか?

→2022年4月から12円に値上げされました。販売元のメーカー「やおきん」は、2022年1月27日公式Twitterより、値上げのお知らせをツイート。原材料、運送費などの高騰が理由だそうです。

値上げしたとはいえ、それでも安いですよね。この記事では、うまい棒の原価やあの形の秘密までを解明しながら、うまい棒の利益が出ているのかご紹介していきたいと思います。

驚くべき真実もあり、うまい棒が人気を落とさずにロングセラーとなっている理由も大いに理解していくことができることでしょう。

うまい棒の原価は?

そもそもうまい棒は、12円で利益が出るのでしょうか?利益を計るときに重要なのが「原価」です。原材料含め、1本のうまい棒を作るのにいくらの原価がかかっているのかご存知でしょうか?

実は1本のうまい棒を作るのに7円ほどと言われています。一見ほとんどが原価のように見えますが、しっかりと3割の利益を出しているのです。単価が低いので利益幅がわかりにくいですが、利益はしっかりと出ていると言えるのです。

原材料に関しては決して妥協することなくよいものを使用しており、ほかのところで企業努力の末、コストを原価以外のところでカットすることに成功しているため、この原価率で利益をしっかりと出していくことができていると言えるのです。

たこ焼きが一番高い

うまい棒には多くの種類が存在しています。その中でも原価が高いものから低いものまで幅広くあります。

ちなみにそんなうまい棒たちの中で一番原価が高いとされているのは、「たこ焼き味」のうまい棒です。たこ焼き味のうまい棒は二度漬けをしており二度にわたり味をつけているため、味がしっかりとしており、外側はカリッと香ばしく中のコーンがふんわりやわらかい食感に仕上がっているのです。

たこ焼き味のうまい棒は1本の原価が9円と言われており、利益率も1割と低くなっているのですが、これにはからくりがあります。結局ほかのうまい棒と抱き合わせで購入されることが多いため、最終的にうまい棒全体の利益は上がっているというわけなのです。

なぜそんなに安いの?

うまい棒がなぜあんなに安く販売していけているかと言うと、そこに企業の努力と想いがあります。 うまい棒は1979年に誕生しており、当時は第二次オイルショックで安価なお菓子がどんどん世の中から姿を消している時代でもありました。そんな中、子供たちがお菓子を買うことができなくなり、子供を喜ばせたいという想いからうまい棒は10円で誕生したのです。 うまい棒があの安さを保ち続けるため、原油価格の高騰などが起こるとうまい棒の穴のサイズや長さを調整して値段を保っているのです。これによって子供が安い値段でお菓子を購入できるようになっているのです。

自社工場をもたないことも関係している

うまい棒が安い値段を保ち続けられる裏側に、自社工場を保有していないことが大きく関わってきます。

自社工場を保有せずに、商品はすべて契約工場に企画を持ち込んで生産しているため、工場の維持費や人件費がかからないため、現在の値段で商品として成り立っているのです。

仮に自社工場を持っていた場合には、現在の値段を保ち続けることは極めて困難となります。うまい棒の製造元である「やおきん」の企業努力が見られるところでもあるのです。

あの穴のひみつ

ちなみに、うまい棒と言ったら真ん中に穴が開いていることも特徴のひとつです。 あの穴の秘密は、真ん中に穴を開ける形状にすることで、運送する際に割れたり折れたりすることがないようにするための構造でもあるのです。しかし、原油価格高騰などうまい棒の値段が上がりそうになった場合には、うまい棒の内容量を減らすために、穴の大きさが少し大きくなってもいるのですよ。
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