ライター : 伊藤 千亜紀

フードアナリスト

そばは1種類じゃない!?

そばは、パスタやうどんに比べて栄養価が高いうえにヘルシー。炭水化物の中ではダイエットに向いている食材として注目を集めています。そのままでもおいしいのですが、天ぷらや油揚げ、甘辛く煮た肉など、合わせる具材のバリエーションが豊富なのも魅力のひとつです。
そんなそばですが、じつはいろいろと種類があるのをご存じでしたか?今回は知っているようで知らないそばの種類について、詳しく調べてみました。

そばの種類、いくつ知ってる?

そばと似ているうどんは、作られている地域や製法(太さ・こし)によって名前がそれぞれついています。香川県の讃岐うどん、それから長崎県五島列島の五島うどんなどが有名ですよね。
うどんと同じく、そばにも違いによっていくつか名前がつけられています。「そばに違いなんてあるの?」と疑問に感じる人は、これまで食べてきたものを記憶をたどって思い出してみてください。うどんのような白いそばや、黒色に近いものまでいろいろあったはず。
更科そばや田舎そばといった代表的なものから、韃靼そばという変わったものまで紹介していきます。今までなんとなくメニューを頼んでいた人も、違いを知ればきっと冒険してみたくなるはずです。

更科(さらしな)そば

「更科そば」はひと言で表すと「白いそば」で、江戸を中心に広まっていきました。そば独特の風味が抑えられており、上品で食べやすい味わいが特徴です。
そもそもそば粉には「一番粉」「二番粉」「三番粉」の3種類あり、更科そばには一番粉が使われます。この粉はそばの実の中心部から作られ、たんぱく質が少ない代わりにでんぷんが多いそう。そのため食べるとほんのり甘さが感じられるんですね。

田舎(いなか)そば

別名で山家そばともいわれる「田舎そば」は、先ほど紹介した更科そばの対極に位置づけられます。白っぽくて細麺の更科そばはとっても精巧な味ですが、田舎そばは黒くどっしりしており素朴な味なんですよ。
そばの香ばしさが強く感じられる田舎そば。食べ方としては、汁をあまりつけずにそば本来の味わいを楽しむのがおすすめ。
勘違いしてしまう人が多いのですが、田舎そばとはそば粉が十割使われているという意味ではないんですよ。実は十割だけでなく、つなぎが使われたニ八もあります。また、他のそば粉の比率もあるので覚えておきましょうね!

十割(じゅうわり)そば

「十割そば」とはずばり、つなぎを使わずそば粉だけで作ったそばのことです。そばはつながりにくいため、小麦粉や山芋などを「つなぎ」として加えるのが一般的。つなぎを入れずそば粉を十割使っているのを強調するためか、十割そばといわれるそうです。
つなぎを使っていない十割そばは、更科そばや田舎そばに比べると固くて噛みごたえがあります。またそばに特有の味わいはもっとも強く感じられ、香ばしさがたまりません。大人な味わいのそばと言えるでしょう。機会があれば、一度は挑戦してみたいですね。

なんといっても十割そばの魅力は香りの良さ!

ほのかで繊細なそばの香りを楽しむには十割そばが一番。香りのよさは十割そばの大きな特徴です。十割そばの材料は、そば粉と水のみ。シンプルだからこそ、素材の旨みと風味を強く感じられますよ。
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