ライター : 岩崎リョーカ

人はどうして奢るのでしょう?

誰かと食事に行った際、お会計時に相手の人に食事代を奢ってもらうという場面に遭遇したことがある方は、たくさんいらっしゃることでしょう。ファーストフードや居酒屋、少し敷居の高いレストランの場合でも奢る人は奢ります。 もしくはコンサートやライブハウスなどのチケット代金、またはテーマパークの入場料でも、誰かが誰かの代金を奢るといったことは、社会人として日々人と関わるなかでごく自然に起こりうることです。特に男性が女性に奢るパターンが多いですね。
そして奢ってもらう側も"奢ってもらって当然!"と感じる人。"次はお返ししよう"と思ったり、場合によってはその後の関係が奢ってもらうことをきっかけに良好に発展することもあれば、逆になんとなくぎこちないものになることだってあるでしょう。 そんなときに特に奢る人の心理とはどのような状態なのでしょうか?さまざまな仮説のパターンから少し見ていきたいと思います。

男性が女性に奢るのはどんなとき?

下心から

例えば、まだ異性としての交際が始まっていない男女のデートの際に男性が女性に食事代を奢る時は、下心があっての場合が非常に多いと思います。その男女の親しさの度合いにもよるでしょうが、冷静に考えてみて、もしあなたが男性で気になっていた女性を食事に誘って承諾してくれたらどうでしょうか?
一緒に食事をして、楽しく過ごして、最後のお会計の時には今後も一緒に付き合いたい、親しく交際して恋人同士になりたい、関係を続けたい……もう少し本能的なところだと肉体関係を持ちたい!などと感じるなら、食事代は自ら払っておこうと思いませんか?男女がお互いの繋がりを築いてゆくうえで非常に自然なコミュニケーションの手段だといえます。

自己顕示欲から

社会的地位がすでに確立されていたり、心理的な意味合いで常に人の上に立ちたいというプライドや自己顕示欲によって食事を奢る人もいます。
例えば、職場の上司や目上の方と一緒に食事をした場合、多くの男性上司は部下の女性に代金を奢るでしょう。もしくは恋人同士の場合でも、女性との関係はお兄ちゃんと妹のような関係で、相手の女性を自分より小さくてかわいらしい存在とみなして"それくらい任せておいて"とひとり伝票をレジに持っていく男性もいるでしょう。
特にリーマンショック以降、会社勤めの立場の人は減給、リストラなどと不景気な話題も多く恋人とのデートの費用を割り勘にする男性も多いなか、こういったタイプの男気のある男性は頼り甲斐のある人に見えるかもしれませんね。

古風なしきたりから

細かいことを気にせず、頭から一緒に食事に行ったら女性に財布を開かせるのはNGと考えている考えている男性も多いですね。理由はとくにないけれど自分の父親や親せきのおじさんがそうしていたから、もしくは職場の上司や学校の先輩からそんな風に教わって気づけば女性とデートやそれ以外の場面でも一緒に食事をすれば食事代金を奢る男性は少なくないのです。
今でこそ社会で自立して経済力を持つ女性も増えましたが、少し前の世代では女性は結婚すれば家庭に収まって経済的な事はすべて男性が請け負うのが一般的でしたから私たちのDNAが自然とそうさせているのかもしれませんね。
経済社会になってからもですし、もっと以前の私たち人類が狩猟民族だった頃から男性が外に狩りに出て捕ってきた獲物を女性に食べさせていたわけです。本能的な心理なのでしょう。

好意から

これはいかがでしょうか。先ほど述べた下心と類似しているかもしれませんが、確かに自分の好意を示すために女性に飲食代金を奢る場合も多々あることでしょう。
しかし、下心と好意ではどう違うのでしょうか?おもに下心とは、その裏側に性的な匂いを含んでいるように考えます。下心で食事代をごちそうする場合に、男性は相手の女性とその後の具体的な肉体関係をイメージしている場合が多いでしょう。 しかし好意はどうでしょうか。もちろん好意から発展して、その奢る心理が下心になる場合もあるかもしれません。
ただし、好意の場合は下心と比較すれば相手の女性に対する尊敬の気持ちが強いと思います。男性が相手の女性と具体的な関係を期待する前に、女性のことを尊敬しているからこそ食事代金は私が奢りましょうという極めて崇高な意思表示ですね。
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