ライター : 渡辺 りほ

管理栄養士

監修者 : 竹内 弘久

杏林大学医学部付属病院 外科医

スポーツドリンクとお酒の気になる関係

お酒を飲んだあとや、飲みすぎた翌日に喉が無性に乾く……という経験がある方は多いのでは?飲酒後は脱水状態になりやすいため、意識して水分補給をすることが大切です。

しかし、その際にどんな飲み物を摂るべきかご存知ですか?脱水対策に役立つというイメージから、スポーツドリンクや経口補水液を選ぶという方もいるでしょう。

はたしてお酒を飲んだあとにスポーツドリンクを摂るのが適切なのかどうか、アルコールが身体に与える影響も含めて、詳しく説明します。(※1,2)

お酒を飲んだときの私たちの身体は……?

そもそもお酒を飲んだあと、喉が渇くのはなぜでしょうか。原因のひとつに、アルコールには利尿作用があることが挙げられます。とくにビールにはアルコールに加えてカリウムなどが含まれているため、飲んだ量以上に身体から水分が失われます。

また、アルコール代謝により生成される「アセトアルデヒド」を体内で分解するときにも水が必要です。脱水状態で体内にアセトアルデヒドが残っていると、二日酔いになるおそれがあります。(※1,3,4)

水分補給としてスポーツドリンクの摂取は適切?

脱水による二日酔いにならないようにするためには、飲酒後に水分をしっかり摂ることが大切です。また、飲酒時は水分だけでなく、ミネラルも同時に身体から失われます。スポーツドリンクにはナトリウムやカリウムなどのミネラルが含まれているため、脱水対策に役立ちますよ。

飲酒後にすべてのスポーツドリンクを飲んで問題ないとは言い切れませんが、「ポカリスエット」においては、お酒を飲んだあとの脱水対策について役立つ可能性があることを、製造・販売メーカーが、ホームページ上で明文化しています。(※4,5,6,7)

水分補給としての経口補水液の摂取は……?

スポーツドリンクと似ている経口補水液ですが、ミネラルの濃度がスポーツドリンクより高いという特徴があります。脱水状態のときに飲むと、体液の状態を早く元に戻すことが期待できます。飲酒後に脱水気味だと感じたら、経口補水液を飲んでもかまいません。

ただし、経口補水液は、健康な場合の水分補給には必要ありません。経口補水液による水分補給の注意点としては、ナトリウムが多く含まれているため、血圧が高い方は摂ってよいかどうか主治医に相談してくださいね。(※2,7)

そのほかに気をつけたい飲み物

コンビニや自動販売機で手に入りやすい、お茶やエナジードリンクですが、飲酒後に取り入れる際は注意が必要です。利尿作用があるカフェインが含まれているため、体内の水分が排出され、水分補給にならないおそれが。

なお、カフェインの感受性には個人差があります。カフェイン入りの飲み物を摂ったらトイレが近くなった……という経験がある方もいるのではないでしょうか。

その場合は、お酒を飲んだあとの過剰なお茶、エナジードリンクなどの摂取は控えましょう。(※8,9)

飲んだあとの正しい水分補給の仕方はコレ!

お酒を飲んだあとに喉の渇きを感じたら、常温の水もしくは白湯で水分補給をしましょう。睡眠中に脱水が進む場合もあるため、寝る前に水分を摂っておくのがおすすめです。また、前記に注意して、経口補水液やポカリスエットで代用してもかまいません。

さらには、お酒を飲んでいる最中にも脱水対策を意識できると理想的です。お酒を飲む合間にチェイサーとして水を飲んだり、ミネラルが豊富なきゅうりや枝豆をおつまみ(適度な少量)として食べたりしましょう。(※4,6,7,10)
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