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ジャムやバターをつけずに食べたパン、どんな味がしますか?香ばしい?甘い?そんな小麦そのものの味わいを表す言葉が、アメリカの研究で見つかったのです!その名も「でんぷん味」。でんぷんの味とは一体……?気になる最新の研究についてご紹介します。

6つ目の味覚「でんぷん味」が見つかる!

「小麦そのもの甘味が感じられる〜!」

ちょっといいパン屋さんで買ってきたパンを頬張って、こんな感想をつぶやいたことはありませんか?また、新潟などの米どころで食べた炊きたての白ご飯が、おかずもいらないくらいおいしく感じた!という経験。主食である白ご飯やパンそのもののおいしさ、味わいを表現する言葉は今まで少なかったですよね。

アメリカの最新の研究で、新たな味覚「でんぷん味」が見つかったというのです!お米や小麦の味を表現するのは難しいですが、これからは「このでんぷん味がたまらないな〜!」と言えるようになるかもしれないのです。今回は最新の研究から「でんぷん味」についてご紹介します。

分解される前の「でんぷん味」を認知!

「でんぷん味」についての研究結果を発表したのは、アメリカのオレゴン州立大学准教授のJuyun Limさん。食品科学、技術学の研究者です。これまで認められていた甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の基本味のほかに、人間は炭水化物の味も知覚できるというのです。

これまで、パスタやパン、ジャガイモ、米などの炭水化物の味は甘味に由来するものだと思われていました。炭水化物を摂り入れると、体内で糖に分解されますよね。確かに「小麦そのものの甘味」と表現することは多いです。しかし、舌の上に食材を乗せた時点では、まだ糖に分解されていないはず

22人の被験者を対象に行われた実験は、以下の内容でした。

1. 炭水化物量の異なるさまざまな食べ物の味を描写させる
2. 一時的に甘味が知覚できなくなる物質を摂取させる
3. 再び、炭水化物量の異なるさまざまな食べ物の味を描写させる

甘味をブロックした状態でも、被験者たちは食べ物それぞれの味の違いを描写することができたのです!味覚に頼らなくても、炭水化物の味の違いを感じ分けることができるということ。この時に感じた味を、「甘味」ではなく「でんぷん味」ではないかと考えたのです。

「でんぷん味」はどんな味?

人間は、糖に分解される前の状態の「でんぷん味」を知覚できるということがわかりました。しかし、「でんぷん味」とはどのような味なのでしょうか?イギリスの科学雑誌「ニューサイエンティスト(New Scientist)」に掲載されたLim氏のコメントを紹介します。

「アジア人に言わせるとそれは白米のよう。白人はパンやパスタにたとえた。まるで小麦粉を頬張っているような感じと言えるかもしれない」

小麦粉を頬張る……。なかなかピンとこない表現ですね。運動会の競技・飴食い競走に参加したことはありますか?お盆ほどの大きさの箱の中に小麦粉がたっぷり敷き詰められていて、その中に散りばめられた飴を、手を使わずに口だけで拾ってゴールまで走るというものでした。顔じゅう小麦粉まみれになって、鼻から口から小麦粉を吸い込んだ苦い思い出がよみがえります。

「でんぷん味」そのものはそれだけで「おいしい!」と感じられるものではなさそうですね。そのほかの基本味、甘味や酸味、塩味、苦味、うま味が複雑に絡み合っておいしさが生まれるようです。

「でんぷん味」が基本味に入るのはいつ?

「でんぷん味」が基本味の仲間入りを果たすためには、次の条件をクリアしなければなりません。

・「でんぷん味」を知覚して味の情報として受け取る「受容体」の特定
・識別可能で、広く受け入れられる味の定義に到達すること
・「でんぷん味」による何かしら有益な心理的反応の発見

どのようにして「でんぷん味」が味の情報として脳へ伝わるのか、誰にでも伝わりやすい「でんぷん味」の説明、「でんぷん味」を摂り入れることで心理的なよい変化があるか。これらが研究されて、明らかになるまでは基本味に入ることは難しそうです。しかし、「でんぷん味」の存在が認められた記念すべき研究と言えますね。

うま味(UMAMI)の登場は2000年代

基本味の中でも一番歴史が浅いのは「うま味(UMAMI)」。基本味に入ったのは、2000年になってからのことです。19世紀以前は「うま味」の存在が科学的に立証されていなかったのですが、現在では「うま味」を持つ食材があることや、舌には「うま味」を感じ取る能力があるとわかっています。

私たち日本人は、長い歴史の中で昆布や鰹を「だし」として活用してきたため「うま味が強い」「うま味が足りない」という感覚は経験的に知っていました。しかし、世界的には
「酸味や甘味が絶妙に調和して生まれる味わい」程度にしか認められていなかったのです。

2000年、舌の味蕾(みらい)と呼ばれる、食べ物の味を感じ取る器官の中に、グルタミン酸受容体が発見されました。グルタミン酸受容体は、「うま味」の正体であるグルタミン酸を知覚し、脳へ届けるための情報に変換する器官です。

「うま味」は、現在では「UMAMI」として世界中で知られるようになりました。今年、日本でも「UMAMI」を生かした「ウマミバーガー(UMAMI BURGER)」がオープンします。「でんぷん味」も、世界で認められるといいですね。

▼ウマミバーガー(UMAMI BURGER)についてはこちらの記事もチェック!

味覚が6つになる日も近い?

パンにジャムやバターを塗ったり、白ご飯にふりかけやご飯のお供をのせるのもいいですが、何もつけずに素材そのものの味わいを噛み締めてみたくなる研究結果ですね。いつか、「濃厚なでんぷん味を感じられるパン」も発売されるようになるかも。科学のさらなる進歩に期待しながら、白ご飯やパンをじっくり味わってみてはいかがですか?

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