ライター : 長曽我部 真未

管理栄養士

ダイエット中の昼ごはん、どうしてる?

「ダイエットをしなくちゃ……!」

と思ったら、まず考えつくのが食事制限ではないでしょうか。もっとも手っ取り早いのが、食事を抜くこと。食べなければ分かりやすく減量できますが、果たしてそれはいいダイエット法なのでしょうか?

この記事では、ダイエット中の食事のなかでも昼ごはんに重点を置いて解説します。

昼ごはんを抜くメリットとデメリット

メリット・食後の眠気を感じにくくなる
デメリット・食べ過ぎにつながる場合がある
・急激に上昇する血糖値を下げるために、インスリンが作用し糖質を脂肪として蓄積してしまう
(※1,2,3,4)

メリット

昼ごはんを食べたあとに、猛烈な睡魔が襲ってきた経験はありませんか? よくある現象かもしれませんが、実は食後に眠くなる原因はまだ解明されていません。

ひとつの説として、血糖値の下降が一因と言われています。食事でブドウ糖を摂取すると上昇する血糖値。それに応じてインスリンが大量に分泌され、血糖値が急激に下がることで頭がぼーっとして眠くなるという説です。

もうひとつは、オレキシンという物質が関係しているという説があります。オレキシンを分泌する神経は、血糖値が低いときに活動してオレキシンを分泌し、覚醒モードに。血糖値が高いと神経活動を停止し、オレキシンが分泌されず、睡眠モードに入ることがわかっています。

さらに消化管の動きが促進されると、自律神経の副交感神経が優位になり、リラックスモードに。そのため眠気が生じるという説もあります。

昼ごはんを抜くことで血糖値が上昇せず、消化管の動きが促進されないため、眠気を感じないのがメリットです。(※1)

デメリット

ダイエットの観点からは、昼ごはんを抜くとデメリットがいくつかあります。

昼ごはんを食べないと朝と夜しか食べない状態になり、場合によっては食事時間が12時間以上空いてしまうことも。食事時間が空きすぎると体が飢餓状態となり、食べ過ぎにつながる場合があります。

食事を抜いて、次の食事の際に空腹状態で糖質主体のものを食べると、一気に上昇するのが血糖値です。上がった血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには、血糖値を下げる際に糖質を脂肪として蓄積させる作用があり、脂肪を溜めこんでしまうことに……。

ダイエット中でも、3食きちんと摂取するのが大切です。(※2,3,4)

ダイエット中に食べる昼ごはんのポイント

ポイント

  1. 昼ごはんは一食740kcalを目安に食べる
  2. 朝食の3時間後に食べる
  3. 栄養バランスを意識する
  4. 野菜のおかずから食べる

昼ごはんは一食740kcalを目安に食べる

一日に摂取するエネルギー量を朝・昼・夜で分けたとき、理想的なバランスは3:4:3とされています。

例えば身体活動レベルが「ふつう」の30代女性の場合、一日に必要なエネルギー量は2,050kcal。昼ごはんの摂取カロリーの目安は約820kcalとなります。

ダイエットをして、1ヶ月で1kgの体脂肪を落としたい場合、約7,200kcalの消費が必要です。一日あたりでは、約240kcalの摂取を抑える、または消費するということになります。

一日あたり約240kcalを食事からの摂取で抑える場合、三食に分けると一食約80kcal抑えなければなりません。身体活動レベルが「ふつう」の30代女性が昼ごはんを80kcal抑えるとすると約740kcal。これは1ヶ月で1kgの体脂肪を落とす場合ですので、どのくらいの期間でどの程度の減量を目指すのかを設定し、一日に摂取すべきエネルギー量を計算しましょう。

極端な食事制限はリバウンドにつながったり、体調を崩したりすることも……。食事は無理のない範囲でコントロールし、適度な運動を取り入れて消費するカロリーを増やすことがダイエットの成功につながりますよ。(※2,5,6,7)
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