ライター : 林まどか

管理栄養士/WEBライター

監修者 : 谷口 ももよ

薬膳料理研究家

葛湯とは?

「葛湯」とは、葛粉から作ったとろみのある温かい飲み物です。葛粉の原料である葛は日本全国に生息するマメ科の多年草。葛は捨てる所がないとされ、古くより日本人の生活に深く関わりのある植物です。

なかでも、葛根は初期風邪の薬「葛根湯」の主薬にも使われており、日本では古くから家庭の常備薬のような存在でした。

そんな葛根を砕いて何度も水にさらして作られたのが葛粉で、とろみのある性質から和菓子や胡麻豆腐の材料に使われます。その葛粉を水で溶き、甘みを加えたものが葛湯。水で溶いた葛粉を、練りながら加熱することでとろみが生まれ、白色から透明に変わるのが特徴です。(※1)

葛粉とは

葛粉は、クズという植物から作られます。クズの根を砕いてデンプン質を取り出して作ったもので、根を細かく切断して水に浸しておくと、下のほうにデンプンが溜まっていきます。このあと、何度も水を入れ替え沈殿を繰り返す工程を経て、デンプンから不純物を取り除いて乾燥させます。

繰り返すことで、純白のデンプンがとれるのです。葛粉が大変高価なのは、このように多くの手間がかかっているからなんですね。

葛粉は冷えにくく、冷えると固まる性質を利用して和菓子や洋菓子のとろみ付けの材料として使われています。葛のデンプンのみで作られた「本葛」は生産量が少ないため、とても貴重で高価。価格が安い葛粉には、葛以外にじゃがいもやさつまいものデンプンが使用されています。

葛湯のカロリー・栄養成分

葛湯は製法によって含まれている糖分が異なりますが、だいたい1杯150ccで53kcalです。

葛湯の主な成分は炭水化物ですが、葛の根にはイソフラボンの誘導体である「ダイゼイン」「ダイズイン」などといった栄養成分が含まれています。

また、料理のとろみ付けには片栗粉がよく使われますが、海外セレブも実践するマクロビオティックの世界では血行を促す作用のある葛粉が一般的です。そのため、冷えが気になる方にも葛湯はおすすめです。(※2,3,4)

葛湯の作り方

葛湯の材料(1杯・150cc分)

  1. 葛粉……15g
  2. 水……150cc
  3. 砂糖、はちみつなど……適量

葛湯の作り方

  1. 葛湯を飲む器にお湯を入れて、温めておきます。
  2. ボウルに葛粉を入れて水で溶かし、鍋に入れます。
  3. 弱火にかけ、木べらなどで練りながらゆっくりと加熱していきます。
  4. とろみが出て色が透明になってきたら、砂糖やはちみつを加えます。
  5. 温めておいた器のお湯を捨てて、葛湯を注ぎましょう。

葛湯の作り方

  1. 葛湯を飲む器に熱湯を入れて、温めておきます。
  2. よく温めた器に葛粉を入れ、大さじ1杯のぬるま湯でよく溶きます。
  3. 沸騰したお湯を注ぎ入れ、スプーンで手早くよくかき混ぜます。
  4. 透明になったら、砂糖やはちみつを加えます。

ポイント

透明でとろみのついた葛湯に仕上げるためには葛粉にしっかり熱を加えることがポイント。そのため、葛湯を作る器をしっかりと温めることや沸騰している熱湯を使うことが重要です。

もし、葛湯が透明に仕上がらなかったら、小鍋に移して混ぜながら加熱しなおすか、電子レンジで10秒ずつ様子を見ながら加熱していくとよいでしょう。

葛粉の保存方法

葛湯を作るのに必要な葛粉は、短期間では使い切れませんよね。一度開けたらしっかり封を閉じて、高温多湿を避けた涼しい場所で保存しましょう。
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