ライター : macaroni 編集部

粳(うるち)米とは?

うるち米とは、普段口にすることが多いコシヒカリやあきたこまちなど、一般的なお米のことです。

日本のお米は大分類として、「うるち米」と「もち米」の2つに分けられます。精米か玄米か、白米か赤米かを分ける以前の大きな分類の話です。コシヒカリやあきたこまちはお米の銘柄を指しますが、「うるち米の一種である」と言うこともできます。

米袋の成分表には「名称:精米」としか書かれていないものもありますが、これは「うるち」が省略可能なため。一般のお米の名称欄が「精米」の場合、正しくは「うるち精米」という意味になります。

うるち米の語源

うるち米の語源には諸説ありますが、サンスクリット語が由来となったという説が有力です。

米の原産国のひとつはインドだといわれていますが、インド最古の古典には、稲のことがサンスクリット語で「vrihi(ウリヒ)」と書かれています。それが日本に伝わり「うるち米」の語源になったという説です。

「ウリヒ」と「うるち」を並べてみると、言葉の響きが似ていることがわかります。そのことから、サンスクリット語の「ウリヒ」が語源となった説が有力だと考えられているんですね。(※1,2)

「うるち米」と「もち米」の違い

もち米とは、餅や赤飯、おこわなどに使われるお米の種類のことです。まず見た目の違いを比べてみると、うるち米が半透明なのに対し、もち米は白くて不透明なのが特徴的。また、うるち米に比べてもち米のほうが丸みを帯びた形をしています。

しかし、2つのもっとも大きな違いは「含まれているデンプンの成分割合」にあります。(※3,5)

うるち米ともち米。デンプン成分の違い

デンプンには、「アミロペクチン」と「アミロース」の2種類が存在し、アミロペクチンは炊くと粘りを出すはたらきを持つのが特徴。アミロペクチンの含有量が多いほどもちもちとした食感に炊きあがり、アミロースの含有量が多いほどパラパラとした食感に炊きあがります。

うるち米に含まれるデンプンの割合は、約80%がアミロペクチンで、残りの約20%がアミロース。一方のもち米は約100%がアミクロペクチンで、アミロースはほとんど含まれていません。

そのため、もち米を炊くと強い粘りを持ったごはんに炊き上がり、うるち米は適度に粘りがある、ふっくらとしたごはんに炊きあがるんです。(※3,4)

「うるち米」と「白米」の違い

もうひとつ、お米の分類でややこしいのが「うるち米」と「白米」の違いです。

白米とは精米したお米のことを指します。一方、精米していないお米は「玄米」と呼ばれ、稲のもみから、もみ殻だけを除去したものを指します。

うるち米と白米の違いは「分類の仕方」にあります。うるち米は「お米の種類に関する分類名」であり、白米は「精米段階に関する分類名」であるということです。

したがって、精米したうるち米は白米ですし、精米していないうるち米は玄米、ということになります。同じように、もち米も精米したら白米のもち米となりますし、精米していないものは玄米のもち米ということになりますよ。(※1)

うるち米を加工した粉が「上新粉」

和菓子作りに使われることが多い上新粉や白玉粉、もち粉。これらは見た目が似ていて、どんな違いがあるかわかりにくいですよね。実はこの3つ、いずれもお米が原料なんです。

上新粉は、うるち米を精白(お米を磨いて白くすること)して洗ってから乾燥させ、そのあとに細かい粉にしたもの

上新粉はうるち米由来のため、粘りがなくて歯切れがよく、コシと歯応えのある食感が特徴です。上新粉は主に串団子や草餅、柏餅やういろう、かるかんなどに使われます。

一方の白玉粉、もち粉は、どちらももち米を原料としています。そのためもどちらも、もちもちとした食感が特徴的ですよ。
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