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お正月に欠かせない京野菜の「金時にんじん」。鮮やかな色合いが食卓を華やかにするという声がある一方で、あまり見かけないことや、少し値段が高いことから馴染みがない人も多いのではないでしょうか。しかし、実は栄養満点の野菜だったのです。

金時にんじんとは

どの家庭の食卓にもあたりまえに登場するにんじんですが、意外なことに、にんじんの発祥地はアフガニスタンとされています。そのあと東西に分かれ、イギリスを中心に広まりました。普段私たちが食べているものを「西洋にんじん」、中国を中心に広まったものを「東洋にんじん」と呼んでいます。

そのなかで「金時にんじん」は東洋にんじんにあたるわけですが、東洋系のにんじんは西洋系に比べて長く、鮮やかな赤色で柔らかいことが特徴です。

種をまいてから120日ほど経ったころが収穫に適しているようです。寒いほど旨みがぎゅっと凝縮されることから、11月~2月下旬が旬といわれています。

関西地方ではお正月の料理に欠かせない金時にんじんですが、その高い栄養価から、漢方の世界でも古くから親しまれているのだとか。いったいどのような栄養素があるのでしょうか。

金時にんじんの読み方と意味

「金時にんじん」は、「きんときにんじん」と読みます。

京野菜のひとつとされ、京都や大阪、香川などの西日本を中心に栽培されている金時にんじんですが、その「きんときにんじん」という呼び名の由来ははるか昔にさかのぼります。

まだ、日本でにんじんといえばこの金時にんじんが一般的だった江戸時代から昭和初期、その鮮やかな赤色が、赤ら顔の坂田金時(金太郎)に似ていることから名付けられたのだとか。なんだかほっこりするエピソードですよね。

金時にんじんの効果・効能

アンチエイジング効果

金時にんじんには、「βカロテン(ベータカロテン)」が豊富に含まれています。このβカロテンは、体内で必要な分だけビタミンAに変換されるんです。このビタミンAには美肌や美髪に効果があり、アンチエイジングに欠かせない栄養素とされています。レバーなど動物性のものに関しては、過剰摂取が心配なビタミンAですが、金時にんじんの場合は植物性のため食べ過ぎても問題ありません。

また、金時にんじんにはトマトに多く含まれているとして有名な、リコピンも多く含まれています。リコピンには抗酸化作用があり、アンチエイジングや美肌、美爪にまで効果があるとされています。

むくみ、冷え性予防

金時にんじんにはミネラルの一種であるカリウムも豊富に含まれており、このカリウムは体内の毒素や余分な塩分を排出してくれるため、むくみに効果的といわれています。

また、むくみが取れることで体内の血液の流れがよくなり、代謝がアップして冷え性が改善されたという嬉しい副作用も。

むくみも冷え性もどちらも気になるという方は、スープや煮物など温かくして食べたり、からだを温める作用があるしょうがと合わせて食べたりするといいですね。

整腸効果

ビタミンが多いイメージが強いにんじんですが、金時にんじんには食物繊維も多く含まれています。食物繊維を摂取することで、腸内環境が整い、便秘解消やダイエットといった女性に嬉しい効果も。

また、腸内環境を整えることはこれら女性に多く起こりがちな悩みだけでなく、血行をよくしたり、免疫力を高めたりとすべてに関わってきます。性別や世代を問わず、積極的に取りいれていきたいですね。

金時にんじんにはβカロテンがたくさん!

にんじんにはβカロテンが豊富に含まれていることで有名ですが、金時にんじんも例外ではありません。しかし、βカロテンの量だけでいうと金時ニンジンが100gあたり約5000μgであるのに対して、通常のにんじんは約8000μg。

βカロテン量だけで見ると、通常のにんじんのほうが高いですが、金時にんじんは他の栄養素が通常のにんじんに比べて優れていることや、栄養豊富なイメージのあるほうれん草が4000μgであることを考えると、5000という数値がいかに高いかもわかりますよね。

先ほども少しご説明しましたが、βカロテンは体内で必要な分だけビタミンAに変換されるという働きがあり、目の健康維持やアンチエイジング、生活習慣病予防など私たちが生きていくうえで欠かすことができない大事な栄養素です。

いっぽうで、レバーなどに含まれる動物性ビタミンAの場合はカロリーが気になることや、妊娠初期の妊婦さんが過剰に摂取すると胎児に影響を及ぼすとされており、摂取量が難しいところ。ですが、金時にんじんをはじめとする植物性のビタミンAは食べ過ぎても過剰摂取になる心配がありませんので、安心して食卓に取り入れることができます。

実はすごい野菜だった!まだまだある栄養素

葉酸

妊婦さんを妊娠を考えている女性に欠かせない栄養素として知られている葉酸。ブロッコリーやほうれん草に多く含まれていることは有名ですが、実は金時にんじんには通常のにんじんの5倍もの葉酸が含まれているのです。

毎日にんじんばかりたくさん食べることは難しいですよね。いつものにんじんメニューを金時にんじんに変えるだけで、葉酸を効率的に摂取することができます。

食物繊維

もともと根菜類には多くの食物繊維が含まれていますが、金時にんじんの食物繊維含有量は通常のにんじんの1.4倍。また、皮にも多くの食物繊維が残っているため、できれば捨ててしまうことなく、きれいに洗って皮ごと煮たり、皮の部分だけきんぴらにしてみたりなどして活用していきたいですよね。

現代人は食物繊維が不足しがちですし、食物繊維が豊富な根菜類は食べごたえもあるため、なかなかそれだけで1日の推奨量を満たすのは難しいもの。金時にんじんのような食物繊維含有量が高い食材を上手に取り入れたバランスの取れた食生活を送りたいですね。

カリウム

体内の余分な塩分を排出して、むくみや冷え性に効果があるとされているミネラルの一種、カリウム。私たちに欠かせない栄養素ではあるものの、なかなか自然の食品だけで1日の推奨量をまかなうのは難しいものです。そのため、サプリメントなどに頼る人も少なくはありませんが、できれば自然の食品から摂取したいですよね。

金時にんじんは通常のにんじんに比べて2倍ものカリウムが含まれており、むくみや冷えはもちろん、血流改善にもいいとされています。

肉厚でやわらかく、煮込むとほろほろとした食感になるので、通常のにんじんと比べてもお腹にたまりにくく、食べやすいのもいいですね。

こんな使い方があった!金時にんじんおすすめレシピ

通常のにんじんと比べると栄養価が高く、おすすめ食材である金時にんじん。とはいえ、その独特な風味から、「通常のにんじんは食べられるけれど金時にんじんは苦手」「お正月の煮物以外の使い道が分からない」という人も多いのではないでしょうか。そこで、金時にんじんを使用したおすすめレシピをご紹介します。

スープ

コンソメタイプのスープとクリームタイプのスープ、どちらにも使える金時にんじんですが、その鮮やかな色合いと金時にんじんならではの風味をいかしたいのであれば、断然クリームタイプがおすすめです。

フライパンでバターを熱し、たまねぎがしんなりしたらにんじんを入れ、あとは白ワイン、水、塩、ローリエで煮込むだけ。仕上げにディルなどのハーブを飾ればあっという間におしゃれなひと品ができあがります。

きんぴら

通常のにんじんの定番レシピでもあるきんぴらですが、金時にんじんを使用すれば、ごぼうやれんこんとの色のコントラストが映えて、より食卓が華やかになりますね。

作り方は簡単で、金時にんじん1本、れんこんを細切りにして、油で炒めたら塩、しょうゆを回しかけるだけ。最後に七味唐辛子を加えれば、やみつきになる辛さでごはんがすすむ味になります。

キャロットケーキ

おかずばかりではつまらないという人には、金時にんじんのキャロットケーキがおすすめ。手間がかかるイメージが強いお菓子類ですが、このケーキは実に簡単です。

ボウルに三温糖とサラダ油を入れて泡立て器で混ぜ、卵を入れてよく混ぜたらバニラエッセンスを加えてクリーム状に。そのあと、薄力粉とベーキングパウダー、シナモンをふるいにかけて、切るように混ぜた生地に金時にんじんを加え、あとは170~180℃に熱したオーブンで焼きます。

どこか素朴で懐かしいキャロットケーキに心がほっと和みますよ。

栄養満点の金時にんじんでいつもの食卓を華やかに

金時にんじんの栄養素と効果、おすすめレシピいかがでしたか。通常のにんじんと比べても栄養価が高く、彩りの豊かさが人気の金時にんじん。

日々の食事に金時にんじんを使用したメニューを取り入れて、いつもの食卓をより華やかに飾ってみませんか。

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ちあき

育児のかたわらライターをしています。元出版社勤務、料理も食べ歩きも...

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