ライター : Raico

製菓衛生師 / スイーツ&フードアナリスト / フードライター

幻の「鮭児」とは。普通の鮭との違い

鮭児とは鮭の一種で、産卵していない若い鮭(シロサケ)のことです。特有の臭みがなく、非常に上質な脂がのっています。漁獲量は、普通の鮭が数万匹に対して1匹あるかどうか。これが幻の鮭といわれている理由です。

本来鮭は川から海に出て育ち、しばらくして生まれた川に卵を産むために戻ってきます。鮭児はロシアのアムール川系で生まれた鮭で、回遊するうちに定置網で漁獲されたものです。

鮭児の旬や味

鮭児は11月上旬から中旬にかけて旬を迎え、知床から網走付近で捕獲されることが多いです。特に知床半島羅臼漁協産の鮭児は、品質を厳密に保証する証明書が発行。鮭児の頭には「鮭児タグ」(認定バッジ)が付けられ、仲買人名が記された木箱に入れられて販売されています。

2~3歳で2~3kgほどの大きさにしかならない鮭児は、産卵をしていないので卵に栄養分を取られることがありません。そのため、脂肪率が通常の鮭の10倍といわれ、たっぷりと脂がのっていて全身トロのようなとろける味わいです。

鮭児の値段

鮭児の値段は、一般的な鮭の価格の約20倍ほど。知床半島羅臼漁協産の鮭児は、品質を厳密に保証する証明書が発行されています。またマスコミの影響もあり、大間のホンマグロの高値さえも越えた破格の高級魚になっています。

調べてみたところ、羅臼漁協産の鮭児をは1kgあたり1万円は下らず、1本(2~3kg)丸々購入しようとすると7万6,000円ほど(送料別)でした。そのほかの産地の鮭児はもう少し安いようです。

ちなみに、普通の鮭は1本4,000~7,000円程度。2~3kgの鮭児に対して、4~5kgほどのものもあります。やはり鮭児は、幻といわれるのにふさわしい存在のようです。

普通の鮭との違い

種類鮭児普通の鮭
味わいトロのようなとろける味わい脂肪は少な目であっさり
11月上旬~中旬9月~11月
値段(1本あたり)約7万6,000円4,000~7,000円

鮭児と時知らずの違い

時知らずとは、通常鮭が獲れる秋以外に獲れる鮭のことです。名前のとおり「季節はずれ」の鮭を指します。鮭児と同じロシアの川で生まれ、北海道の太平洋・オホーツク海、及び三陸沿岸を回遊中の若い鮭です。春から夏にかけて獲れ、産卵前なのでたっぷりと脂がのっています。

ちなみに鮭児と時知らずは、秋に獲れる普通の鮭とまったくおなじシロザケという種類。脂肪率は鮭<時知らず<鮭児の順に高くなっています。

鮭児の食べ方

お伝えしているように、鮭児はとても高級な魚です。普通の鮭のように食べるのは、もったいないかもしれません。ではどのようにして食べるのがよいか、おすすめの食べ方をご紹介します。

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