ライター : 堀田 らいむ

webライター

みかんは英語でなんという?

突然ですが、あなたはみかんを英語で何と言いますか?とっさに「オレンジ」と頭に思い浮かんでいませんか?実はそれ、間違いなんです。 オレンジは私たちもよく食べているネーブルオレンジやバレンシアオレンジなど、みかんとは異なり皮が厚くて手でむきにくいフルーツのことを指します。では、オレンジよりも小ぶりで皮がするっと手でむける、日本の冬に欠かせない、みかんは英語でどう言うのでしょうか?

みかんの種類によって呼称が異なる

では、みかんを実際に英語で何と言うのかご紹介しましょう。実はみかん、英語の表現はひとつではなく、産地によって異なるのです。

中国原産:mandarin(マンダリン)

中国が原産のみかんは、英語でmandarin(マンダリン)と言います。もとはインドのアッサム地方で作られましたが交配等で変化を重ねつつ、世界中に広まりました。 常緑低木、白くかわいらしい花を咲かせます。実がなるのは秋から冬にかけて、熟れた皮の色は黄色からだいだい色をしています。酸味は弱く、糖度がとっても高いのが特徴です。 名前の由来は2つあると言われています。まず1つは中国清朝時代の高級官史が着ていた服の色がマンダリンの様な色をしていたという説と、官史が贈り物としてマンダリンを献上していたから、という説です。どちらにしても、そもそも当時の官史のことを西洋人は「マンダリン」と呼んでいましたので、清朝の官史と深い関わりがあるのですね。 マンダリンの皮からマンダリンオイルという精油が作られます。これはアロマテラピー等で人気があるオイルで、とくに同じ柑橘系でも、レモンやグレープフルーツよりも刺激臭が少ないので重宝されています。

北米・南アフリカ原産:tangerine(タンジェリン)

北米や南アフリカが原産のみかんは英語でtangerine(タンジェリン)と呼ばれています。タンジェリンは、デコポンやポンカンの仲間です。色はマンダリンよりも赤っぽい濃いオレンジ色をしています。皮は硬いので、どちらかというとみかんよりオレンジの様な外観ではありますが、オレンジに比べると皮はむきやすく、手でするっとむくことができます。 味はオレンジほど酸味は強くなく、しっかりした甘味でジューシーです。タンジェリンの旬は1月から3月で、日本へはアメリカから輸入されたものが市場で売られています。 タンジェリンはインドから中国、モロッコを経由してアメリカでも栽培されるようになったと言われています。そのため、タンジェリンと言う名前は、当時モロッコ人を意味した「タンジール」に由来しているという説が濃厚です。また、1870年代に、アメリカ南部においてL・Gダンシー大佐がタンジェリンを栽培し始めたことから、「ダンシー・タンジェリン」と言う別名もあります。

日本の温州みかんはMandarin(マンダリン)

では、日本で作られている代表的なみかんは何と呼ばれているのでしょうか?一部「Satsuma(サツマ)」やそのまま「Mikan(ミカン)」で通る地域もありますが、一般的にはは「Mandarin(マンダリン)」と呼ばれています。あれ?中国原産のものもマンダリンと言うんじゃ……。その訳は中国のみかんと日本のみかんの関係にあります。

温州みかんとは?

有田みかんや愛媛みかん、色んなみかんがありますが、実はこれはすべて「温州みかん」のことを指しています。 温州みかんはもともと中国の温州地方が原産地であるとされ、その地名から温州みかんと名づけられましたが、中国から日本へ持ち帰った橘(ミカン科の木)が偶然甘い実を付けたことが始まりで、鹿児島県で栽培がスタート。 温州みかんは収穫時期によって4つの種類に分けられます。9月から10月ころに収穫するのが極早生(ごくわせ)温州、10月から12月にかけてが早生(わせ)温州、11月から12月が中生(なかて)温州、1月以降に収穫されるのは普通温州です。 すっきりとした爽やかな味を楽しみたいなら極早生温州、甘味だけでなく、酸味とコクのバランスも楽しみたければ早生温州、コクのある甘味が欲しければ中生温州、甘さが一番楽しめるのが普通温州とされています。
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