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あまりなじみのない充填豆腐
生はもちろん、煮てよし、焼いてよし、揚げてよし、炒めてよしの豆腐は、和・洋・中さまざまな分野の料理において、オールマイティーな活躍を見せています。調理の仕方次第で色んな顔を見せてくれる豆腐は、料理界の革命的食材と言っても過言ではありません。
そんな高い人気を誇る豆腐に種類があるのは、もちろんご存知ですよね。そう、木綿豆腐と絹ごし豆腐……だけではありません。もうひとつ忘れてはならない「充填(じゅうてん)豆腐」があります。
あまり聞いたことがない、という人が多いのでは?というのも、充填豆腐という名前でスーパーで販売されているわけではないからです。それでは今回は、知ってるようで知らない、分かるようで分からない「充填豆腐」について徹底追求しようと思います。
充填豆腐とは
あまり聞き慣れない「充填豆腐」とは、パックに水分が張られていない豆腐のこと。普通の豆腐と比べてみると、2つの大きな違いがあります。
ひとつ目は、製法です。木綿豆腐を作るときに出た豆乳を冷やし、冷えた豆乳とにがりを充填して密封し、容器を加熱し冷やして固めて作ります。型箱に入れたり、水でさらさない製法が最大の特徴です。ようするに、通常の豆腐は固めてからカットして容器に入れますが、充填豆腐の場合は容器に入れてから固めて作るというわけ。作る工程が少し違うだけで、商品の名前自体がこんなにも変わるんですね。
続いてふたつ目の違いは、その見た目にあります。3つセットで売られている、ミニサイズの豆腐を思い出してみてください。パックと豆腐が、ピタッと密着していませんか?
上で紹介した作り方により豆腐がムチッと密封された状態となるので、パックに水分が入っていません。普通の豆腐は、プラスチックのカップと豆腐の間にわずかながら隙間があり、水でヒタヒタになっていますが、充填豆腐にはそれがないんです。
充填豆腐の起源
「充填豆腐」は、商品を大量に仕入れ、それらを安く販売する量販店の勢いが増し、機械化が進み始めた昭和40年頃、誕生しました。その後、次第に浸透して多くの家庭で食べられるようになり、こんにちに至ります。
上でも少しお話しましたが、豆乳を1度冷やしてにがりを加え、容器に充填して加熱し固める、という製法で作られています。つまり、製品が密閉されたあとに行う加熱処理によって殺菌・消毒されるので、ほかの豆腐よりも長期間の保存がきくのも魅力のひとつです。
ほかの豆腐と何が違うの?
ここまで「充填豆腐」について話を進めてきましたが、そもそも普通の豆腐と比べて何が違うのでしょうか。それは、作り方にあります。充填豆腐の作り方についてはすでに紹介していますが、ほかの豆腐の製法に触れながら違いを見ていきましょう。
木綿豆腐の作り方
豆乳とにがりを混ぜて固めたものを崩し、布を敷いた穴付きの型箱に入れて重しを乗せて上から圧力をかけます。このため、木綿豆腐の表面に布目が付いているのが特徴です。豆腐が固まったら、水槽の中で型から外して豆腐をカットします。
絹ごし豆腐の作り方
木綿豆腐よりも濃いめの豆乳とにがりを型箱の中に入れ、均一に混ぜて固めて作ります。名前の通り、絹のようななめらかな食感が特徴です。型箱から外したら、400gや200gにカットし容器に入れて販売されます。
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