ライター : 國塩亜矢子

インナービューティー研究家 / フードコーディネーター

幅広く活用されているくるみ

秋の訪れを感じる9月から10月にかけて、あらゆるナッツ類が旬を迎えます。女性に人気の「くるみ」もその中のひとつ。 くるみは紀元前から食べられていたとされる、古い歴史を持つ食材です。アメリカ西海岸や中国を主な生産地とするくるみは、正式には「ペルシアグルミ」と呼ばれる西洋品種の1種で、今ではスーパーでも手軽に入手できるようになりました。 国産くるみの主な生産地は長野県で、皮が厚くとても固い「鬼グルミ」や、大ぶりで皮が割りやすい「シナノグルミ」、「ヒメグルミ」などがあります。また、くるみの木はとても丈夫で木目が美しく、高級感のある落ち着いたブラウンの色合いが特徴的なことから「ウォールナット」という名称で親しまれ、家具作りに活用されているんですよ。

コレステロールを減らす良質な脂質

くるみの実の約70%を占めるのが脂質です。そう聞くとなんだか「太りそう」とか、「栄養がなさそう」と言ったマイナスイメージを持たれがち。 くるみには「不飽和脂肪酸」の1種であるオメガ3という良質な脂肪が含まれています。この脂肪に含まれるリノール酸やαリノレン酸には、血液をサラサラにする働きが期待できるんです。 とはいえ脂質はカロリーが高いので、1日の摂取量が20~30gが目安。1粒当たり3g前後なので、1日10粒くらい食べるといいと思います。 脂質が多くカロリーは高めですが、ビタミンやミネラル類も豊富に含んでいます。毎日適量摂れば栄養のバランスを補える、女性にうれしいビューティー食材と言えるでしょう。

小粒なのに栄養満点!

くるみには脂質以外にも美容と健康に不可欠な、ビタミン・ミネラル類がとても豊富に含まれています。代表的な栄養分を下記で紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ビタミンE

抗酸化ビタミンとも呼ばれる「ビタミンE」は、活性酸素の働きを抑えて体の老化を防ぐ強いパワーがあります。美容にはもちろん、健康を維持するためにも不可欠。脂溶性ビタミンのため油脂類と一緒に摂ると効率よく吸収されます。また、ビタミンCと一緒に摂ることで、抗酸化力がアップ!

ビタミンB1

糖質の代謝をサポートするビタミンで、疲労の原因となる「乳酸」が体の中に溜まるのを防いで、疲労回復の手助けをしてくれます。お疲れ気味の時に積極的に摂りたいビタミンB1は水溶性で熱に弱いので、効率よく摂取するにはそのまま生で食べるのがおすすめです。

亜鉛

亜鉛はターンオーバー(肌代謝)と深く関わっています。健康な細胞を作りだして肌の代謝を促し、元気な肌へと導く美肌効果が期待できます。さらには妊活や妊娠中の胎児の発育に欠かせない、大切な栄養成分と言えます。
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