ライター : 椛嶋 貴子

管理栄養士

卵の食べ過ぎは体に悪い?

卵焼きやオムライスなど、一度に数個の卵を使う料理を作るときに食べ過ぎが心配になったことはありませんか?

卵の食べ過ぎは健康に悪影響を及ぼすおそれがあり注意が必要です。気になる具体的なデメリットをみていきましょう。(※1)

卵の食べ過ぎによる症状やデメリット

症状

  1. 腹痛や下痢を引き起こす
  2. 体臭が強くなる
  3. 飽和脂肪酸の摂り過ぎにつながる

腹痛や下痢を引き起こす

卵に限らず、食べ過ぎによる暴飲暴食は下痢や腹痛につながるおそれが。また、卵で腹痛や下痢が起こった場合は食中毒によるものである可能性も考えられます。

食べ過ぎによる下痢は、腸で食べ物を消化しきれないことが原因です。これは卵に限らず、暴飲暴食が引き金になりますよ。

一方、卵が原因となる食中毒としてサルモネラ菌によるものがあります。サルモネラ菌に汚染された卵を食べることにより、腹痛や発熱、下痢などがみられる食中毒です。衛生管理が整った現在ではサルモネラ菌の汚染確率は0.0029%とされており、かなり低くなっています。自宅での冷蔵保存や十分な加熱によって対策をおこないましょう。(※2,3)

体臭が強くなる

卵に含まれる「コリン」は、大量に摂取すると体臭に影響する場合があります。

コリンはビタミンのような物質で、脳の機能にかかわっているほか、脂質代謝を助けたり、コレステロール値を減らしたりするはたらきがあります。しかし大量に摂取すると、胃の不快感や魚のような体臭を感じる場合が。

日本ではコリンの摂取量に関して定められていませんが、アメリカでは一日あたりの推奨量として成人男性で550mg、成人女性で425mgと設定されています。

卵(Mサイズ1個約50g)に換算すると、男性では4個、女性では3個まで。コリンは卵以外の食品にも含まれているため、摂り過ぎには注意が必要です。(※4,5,6)

飽和脂肪酸の摂り過ぎにつながる

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、飽和脂肪酸の目標値がエネルギー比率7%以下と定められています。飽和脂肪酸を摂り過ぎると、血液中の総コレステロール値が上がってしまうほか、心疾患のリスクが高まるおそれが。

卵には飽和脂肪酸が多く含まれているため、食べ過ぎには注意しましょう。(※7,8)

【Q&A】卵の食べ過ぎはコレステロールに影響する?

A:食事から摂取されるコレステロールは血中のコレステロール値に直接影響しないとされています。

卵には100gあたり370mgのコレステロールが含まれています。卵のようにコレステロールをたくさん含む食材を食べると、コレステロール値が上がってしまうと思いますよね。しかし、じつは直接的な影響がないことから、コレステロールの摂取基準値は定められていません。

血液中の脂質に関する疾病のある人の重症化対策としては、一日200mg未満にすることが望ましいとされていますが、卵の食べ過ぎでコレステロール値が上がってしまうということは考えにくいことなのです。(※9,10)
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